人を一瞬でジャッジしようとする世界で 【6人の嘘つきな大学生】を読んで
先日読んだ、「6人の嘘つきな大学生」
この物語は、IT大手の新卒採用試験の最終選抜に残った6人の大学生の話。
映画化の予告編を観て気になっていたところで、kindle unlimitedの対象となっていたため読みました。
ここに登場する大学生と私は同世代(2011年前後に新社会人になる)。
私は医療系のため実習や国家試験は地獄でしたが、就活はさほど大変ではありませんでした。大企業の就活は何処もこんな精神を削られるものだったのだろうか・・
最終選抜の直前で、6人の中からディスカッションで1人を選ぶというものへ変更になってしまう。この会社で働くために支えあってきた6人。
そのうちの誰かが仕組んだ告発文により、それぞれの素性が明らかになっていくというもの。
読んでいくなかで、初めに持っていたイメージから
「この子ってこういう性格だったんだ!」と驚き、さらにそれはまた素性の一部分にしかすぎないという
1人の人物へ対する見方が二転三転と変わっていく。
作者もそれを意図としていた書き方であったと思いますが
普段の生活でも、誰かのちょっとした行動や言動から「この人はそういう人なのね」と勝手に落胆したり親近感が湧いたりすることは往々にしてあります。
それはただ、その人のほんの一部にしかすぎない。
逆もしかり、私も人から良い人だと思われたら嬉しい一方で
常に頭の中が善の気持ちでいっぱいかと問われると、そうでは無い。
ドロドロな気持ちも沢山含んでいる。
犯罪を犯したことは無いけれども、誰かを深く傷つけたであろう発言や行動をしてしまったこともあります。
そんなことを隠して、今出会う人には良い人で映りたいなんて思っています。
当たり前ですが、自分や他人がどんな人なのかっていうのを
簡単に判断することはずっとずっと難しい
それをこの本を読んで改めて感じることができました。
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