蒼沼洋人(2023)『波あとが白く輝いている』講談社

東日本大震災から途絶えていた、母校のお祭りを再開させようと奮闘する小学生の物語。

震災で母と祖母を失った七海は、母について知るうちに、母も参加したという海光祭をやりたい、とおもうようになる。
学校や地域のひとにはたらきかけ、うまくいかないことも粘り強く代替案を考え、実際にさまざまなひとに会い、実現にむけてがんばっていた。

しかし、それを妨げようとしたのが、新型コロナウイルスの流行だった。

あと少し、というところまで来ていたが、中止を言い渡される。
元々、中止になる可能性も伝えられていたが、実際にその現実をつきつけられると、無力感がわいた。

しかし、ずっと協力してくれた先生は、オンラインでの開催にむけて準備おを進めてくれていた。

震災で日常を失った登場人物たちが、昔を懐かしみながらも新しい日常へと踏み出していく姿に涙が出た。

いいなと思ったら応援しよう!