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2024年の振り返り
2024年が終わった。
「終わってくれた、やっと終わった、ビールが美味しい」
仕事納めを終えて帰宅してビールを飲んでそう思った。
一言で言えば「変な1年」だった。
もうこんな1年は来なくて良いと思うほど息切れをしている感覚。
今後の再構築のための「瓦解」「崩壊」「喪失」としか感じられないような、年単位の長い準備期間だったのかもしれない。
年明け5分で3年ほど感情を入れ込んでいたことに関して、非常にショックなことが判明した新年スタート。
実家に泊まっていたので、翌朝は早朝に起きて朝食も食べずに自宅に帰り、半日かけて進化思考の「歴史(旧系統)」を使って過去を振り返って、分析をした。
その時点で今年はちょっと変な1年になりそうとは予感がしていた。
色々なことが起こったが、結果的には「後回しにしていた地味だが大事なこと」をきちんとやって、過去を取り返すような1年だったと思う。
年末の今、言葉にしてみよう。
◾️2024年にあったこと
【1月】
・年明け5分でショックなことが起き、進化思考を使って「系統」で冷静に過去からの傾向を分析
・元旦から地震が起こり仕事で担当している施設の現場確認
・奥川地域づくり協議会でドローンの映像を見て、地域をとらえなおすワークショップを奥川地区各集落で開催
・某国内最大手通信キャリアの社員研修で、西会津での私の活動が事例として取り上げられる
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【2月】
・雪国まつりで歳の神を撮影
・石高プロジェクトの立春祭に参加@楢山集落。山奥からNFTやブロックチェーンについて世界に発信
・JICA東北の皆さんを西会津アテンド。西会津のキーパーソンやJOCVのOBと会っていただく
・昨年11月のコタツプロジェクトにおいでいただいた農水省の福井逸人さんに西会津町職員研修として講演をしていただく。西会津町職員がカンパチポーズをして、何かのタガを外した
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【3月】
・進化思考のアルムナイコミュニティで西会津での自分の実践のプレゼン
・山田崇さんにお呼びいただき、未来をハックする!ミートアップ@羽田。ソーシャル分野で活躍している人材が参加者として参加していてびっくり。西会津に関わっていただいている芝哲也先生とも再会
・初めてクルミドコーヒーへ
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【4月】
・日本田んぼコタツ協会のロゴとPVが完成
・西会津国際芸術村でピエロックの公演を鑑賞。シンプルな物語の中にメタファーが散りばめられており表現者としての凄みを間近で見る
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【5月】
・須刈岳に登り、山の上から旧宿場町の撮影
・進化の学校の1期のお仲間である鳥取県北栄町の副町長の岡本圭司さんが西会津にいらっしゃったのでご案内
・某大手外資系コンサルの皆さんが西会津で合宿。土地の記憶やコタツプロジェクトの話で盛り上がる
・西会津国際芸術村でShinono-meのコンサートを聴く。『朧月夜』の情景が心象風景と一致した初めての経験
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【6月】
・イノベーターや起業家の皆さんを西会津アテンド
・プライベートの資源循環勉強会に東北農政局様に来町いただき、東京の本省とつないでJ-クレジットの勉強会@西会津国際芸術村
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【7月】
・『越後奥三面 山に生かされた日々』を観に福島市へ
・西会津国際芸術村にアートインレジデンスで滞在中のフランス人アーティストのアランさんと交流
・梶原暁子さんの世界レベルのダンスパフォーマンスに圧倒される
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【8月】
・西会津町の市街地では歴史上初めてとなる花火大会のドローン撮影。西会津ケーブルネットによるケーブルテレビでの全世帯生配信に協力
・萱本自治区盆踊りの空撮
・実家のある縄沢集落の夏祭り。過去の懐かしい映像の上映
・柳津町で、西会津の移住者、Uターン者コミュニティで花火の鑑賞会とサプライズ誕生日パーティー
・西会津に合宿に来た武蔵野大の学生に西会津での実践をプレゼン
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【9月】
・愛犬リルが虹の橋を渡る
・集落の青年会で秋祭りを企画運営
・仕事で担当している西会津国際芸術村20周年記念事業の開催。開村当時滞在していたリトアニア人アーティストたちも来町
・日本田んぼコタツ協会が設立1周年
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【10月】
・「DEEP集落大コタツ。」を開催
・阿賀川で初実施となるSUPを体験
・インフルエンサーの西会津産地ツアー受け入れ
・地域活性化センターの「地域づくりTV」にインタビューで出演、ドローン動画提供
※「ふるさとづくり大賞」を受賞した矢部佳宏さんの紹介動画でインタビューされ、ドローン映像を使用される
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【11月】
・ふるさとチョイス大感謝祭にブース出展
・集落の青年会で歳の神用の萱刈り
・仕事で「表参道・西会津お米ナイト」を表参道で開催
・総務省の農山漁村交流プロジェクトに協力。楢山集落で「DEEP集落大コタツ。」開催
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【12月】
・奥川地域の取り組みがNHK総合で全国放送される。私のドローン映像も間接的に全国地上波デビュー
※下記の画像1枚目はNHKのディレクターさんより提供いただいたもの。1枚目の中の右上の写真は私のドローンをみんなが見上げている写真。2枚目の写真はその様子を撮った写真
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◾️2024年の総括
【後回しにしていた地味だが大事なことが矯正ギブスのように】
公私ともに、後回しにしていた地味だが大事なことをきちんとやらなければならないということが明らかになった1年だった。
自分でも薄々感じていたことであったのだが、あるお酒の席で、酔いが回ったある人から「基本的な部分が適当になっている」と言われた。同じ場所にいた私のメンター的な人もそれに同調していた。
薄々感じていたことだからこそ、自分に刺さったのではないかと思う。
私が最も尊敬し、目標としていた部類の人たちからの言葉だったから。
「これは昔のやり方で今の時代に合っていない」「自分は別の分野が強いから大丈夫なんだ」「能力的に限界だ」「自分の普通は他の人の普通とは違うんだ」などと逃げていた部分が、2024年は公私ともに束になって自分に「戻って」きたように思う。
強制的に矯正ギブスを装着されたような修行の1年であり、自分に足りないその「基本」というのが明らかになったように思う。
明らかになって、まだ完全には対応できていないので、来年以降、補完していきたい。
【作品が自分を離れて自立した】
自分が撮影した写真や映像が、自分の手を離れて色々な使い方をされており、これまではテレビで見たり、何かの記事になっていても「自分の作品だ」と思えていた。しかし、今年の途中くらいから、自分が撮ったのではないように感じるようになってきた。
どこかで使われているのを見て「この作品は本当に自分が撮ったのかな?!」と驚くことが多くなった。
音楽でも映画でも写真でもアーティストが「作品が作者を離れて自立していく」と聞いたことがあるが、まさにそんな感覚だった。
これまでも省庁や海外の公的機関、各種テレビ、ネット、町の発行物には度々掲載されていたが、特に今年は、
・ふるさとづくり大賞関係
・西会津町町制70周年記念事業関係
・NHK総合での全国放送
で使用された。自分の作品を客観的に見ることが重なったということもあるかもしれない。
「ふるさとづくり大賞」は総務省が主催する総理大臣賞まである地方創生系の賞だが、西会津町のキーパーソン矢部佳宏さんが個人表彰を受賞した。
その授賞式での展示物に私の写真が使われた。また、矢部さんを紹介する地域活性化センターの「地域づくりTV」に私の映像を使っていただいた。
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西会津町町制70周年記念事業関係では、式典のメイン画像に私の写真が使われた他、町長室にもバックボードが設置してあったり、全世帯に配られる記念紙の「にしあいづ学」表紙にも使われた。また、広報誌である「広報にしあいづ」には3号分の表紙を合わせると私の写真にもなる。
1つの町の70周年に爪痕を残せたと喜んでいる。
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NHK総合の全国放送である「おはよう日本」で西会津の奥川地域が紹介されたが、私のドローン映像や写真も提供しており、間接的だか使用していただき、私の名前もクレジットで表示されていた。
自分自身はNHKのクローズアップ現代に出演したことがあるが、ドローンがこのような形で全国放送をされてとても嬉しかった。
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このようなことがあり、何だか自分で撮ったのだが、自分の認識レベルを超えた場所で映像・写真が使われ、写真が自立して動いているのではないかと感じられるようになった。
不思議なのは、よく使われるようになった写真は全て「何となく撮った」写真である。風景やその土地の勉強をしたり、早起きして時間を合わせて撮りに行った思い入れのある映像・写真よりも、緊張が解けたあとになんとなく撮った作品がよく使われている。
西会津のライターさんにそんな話をしたら、「それは自分の根源にある部分まで下がって行って撮った写真よりも、意識が表層部分にあるときに撮った写真だから、見る人に分かりやすいのではないか?」というようなことを言っていた。確かにSNSに写真を投稿しても表層的な写真の方がいいね数が多かったり、拡散されていく。
一方で自分の根源部分に意識を置いて撮った写真は、拡散力はないものの、それを見た人の中で「何かがこもっている」と言う人もいて、心に何かを残す。
この違いをバランスさせた時に写真のレベルも高まるのかも。
【参加者から主催者へのメタフォリカルな移行】
何だかこの数年積み上げてきたの流れが一旦止まったような感覚。
思いと感情を込めて、数年かけて作ってきた作品から魂が抜けるみたいな感覚と言った方が正しいのだろうか。
それは突然で、いつの間にか起こっていた。
かつては新鮮で、ワクワク感があり、面白いと心から思って何年もかけて思い入れていたことに対して、何も思わなくなった。
考えてみれば、この数年同じようなことが毎年のように起こっていたように思う。
・2021年くらいから西会津にUターンしたきっかけの1つでもある、かつて尊敬していて5、6年動静をチェックしていた某市長に全く興味がなくなってメルマガを解除したり本も買わなくなった
・大学時代に参加して「参加すれば人生が変わるよ!」と公言して周りに勧めていた内閣府国際交流事業に対して何も思わなくなった。また14年間加入していて、地方支部の会長もした事後活動組織IYEO日本青年国際交流機構も2022年に退会した(昔は一生会員として貢献したいと思っていた)
・2023年末まで3年間ほど時間をかけて通ったり、勉強したり、資料収集をしたりして深めたある土地や、ある場所、ある人について興味が格段に薄れてしまった(誤解のないように言うと西会津町内ではない)
そして、今年も同じようなことがあった。
言葉にしてしまうのがまだ早いし、誤解して伝わって不快になる人・団体もあるので今は書かないが、基盤やよりどころとしていたものが「瓦解」「崩壊」「喪失」した感覚がある。
この数年の一連のこの傾向は、なぜなのだろうと考えた時に、1つの答えとしては、自分が自分で主体的に行動するようになったからなのではないかと思う。この数年間やめたことや興味を失ったことは、自分主体で関わっていたことではなかった。主催者がコーディネーターが別にいて、自分はその参加者のような立ち位置で関わっていた。
しかし2020年ごろから自分主体(=主催)で何かをするようになり、かつて参加者でしか関わっていなかったことが合わなくなり、離れているのではないかと思う。自分が変わったということだろうか。
比喩的な参加者から主催者へ。
2024年のおかしな出来事は、その移行期間だったからかもしれない。
【キラキラとドロドロ】
今年はNPO自治経営の「まちづくりスキルセットスクール」の受講を開始した。また「都市経営プロフェッショナルスクール」も数年のうちに挑戦したいと思っている。木下斉さんの本も多く読んでいる。
今は地方創生が急激に注目を浴び始めてきて、移住やワーケーション、親子留学、大学や企業と過疎地の協定、現地ツアー、移住体験などをする機会も増えている。
「過疎地や地方に行って、それまでにないものを作ったりして、地域が輝く」ようなことをしているイノベーティブ人材を雑誌やネットで見て、そのキラキラした姿やストーリーに憧れを持っていた。
それもあり、西会津にUターンしたわけであるが現実と理想は違う。
一度はその現実に打ちのめされ、地方創生や地域活性化の活動から遠ざかっていたが、2019年ごろから自分にできることを整理して、「実践」を重ねるようになった。
地域や職場でうまくいかないことの方が多い。思い通りに進まない。
しかし、それでも紆余曲折をしながら少しずつ地方は未来に向けて動いていく。そこには泥臭い過程もあるし、ドロドロした人間関係や既得権益も当然のようにある。一気には進まないし変わらないのだ。
実践者である今だからこそ、その「動く」時のダイナミズムを感じる。
2024年は全国の地方創生の成功事例を見ると、「どんな泥臭さがあったんだろう」と考えるようになった。これをキラキラした目で見ている人もいるんだろうなーと考えながら。どんな成功事例も実はドロドロしている。
木下斉さんもvoicyで同じようなことを言っており、改めてドロドロを乗り越えるということを意識した1年だった。
【あなたは何をやっている人なのか】
ふと自分は何をしている人なのかと考えることがあった。
「西会津町の役場職員です」と言うのは仕事の所属としてであって、個人として、1人の人間として自分がやっていることが何なのかと考え、余計なものを引き算をしていった。そのようにしてシンプル化したときに、
・ドローン
・コタツプロジェクト
が残った。
それがどのような意図や目的でやっているのかを言葉にすると、
・心象風景を可視化して、美しい風景を切り取ることでそこに住む人のシビックプライドを上げること、そして心の風景と実際の風景を一致させること
・寛容で心理的安全性がある場をつくりだし、イノベーションが生まれやすい土壌があることを発信すること
抽象度が高いので、そのまま自分の西会津での実践のコンセプトになるのではないかと思う。別の場所にも応用できる。
所属や仕事ではなく、1人の人間として「あなたは何をやっている人なのか?」と問いかけられたように思う。
【変化の兆し】
これまで誰もが「現状や本質とずれている」と思っても、制度や法律、人間関係的な忖度、関わっている人の多さなど様々な事情ですぐに変わらなかったことが、最近はすぐに変わるようになっているように思う。
成熟社会、人口減少、少子高齢化となっている現在において、成長社会、人口増加の時代に作れたシステムがまだまだ所々に残っていて、変化を阻むような雰囲気もあった。
表面的なことを追求するあまり、本質がどこかに行ってしまったのではないかと。その結果、表面的なことに邁進した結果、本質からずれてしまい、とても残念な結果になったことを見聞きしてきた。
「だから最初に言ったのに!」と思うことが多かった。
しかし、もう肌感覚で地域が滅びるかもしれないと気がついた地域から生き延びるための蠢きが生まれ、より本質的な方へ、より新しい変化が生まれているように感じる。
「これまでこうだったから」「こういう決まりだから」という考えが限界になってきて、これまでの常識が通じなくなることが加速すると思う。
管理ができないので、経営するしかない時代。
そこでどんな仮説を1人1人が立てて検証していくかという生き方が求められるのではないか。
◾️2024年のベスト本
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2024年のベスト本は、『飛び出す!公務員 時代を切り拓く98人の実践』。
noteにも読書録を書いたが、自分の仮説を持って地域に入り込んでいる98人の全国の公務員による実践集。自分も触発されてnoteに実践を綴ってみた。
詳しくはこちらから
◾️2024年の1枚
今年の1枚は、西会津町の程窪(ほどくぼ)集落を撮影したこれ。
ドローンを始めた最初期によく撮影していた場所だけど、こういう撮り方は当時できなかった。
西会津には「自治区」と呼ばれているこのような集落が89ある。(と言っても自治区は町場にもあるので、山間だけに限定すると多少減る)
このような集落に、古来からの文化、習慣、伝統が保存されていたが、最近では人口減少と少子化に伴い、それが消滅の危機に瀕している。
肌感覚で危機感があるので、独自の取り組みをしている集落も出てきている。そんなことを考えていたら、集落が「古来」の保管機関に見えてきた。
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◾️2025年の進化?
今年3月に進化思考のアルムナイ内で、「進化思考の進化」について私の実践をプレゼンしたことがある。
これは例えばドローンについてまとめたシート。進化のフェーズを振り返り、内部と外部やコンセプト、選択圧も分析してみた。
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これがとても自分の実践を分析するには良かった。
同様の図は他にもコタツプロジェクトやリバースメンタープロジェクトなど色々とある。
それぞれ自分の実践プロジェトで進化の種火を見つけて、燃え上がらせ方を考えていくような1年になると良いなと思う。それを見つけていきたい。