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読書録📚マザーツリー
著者は森林学者。
幼少期よりカナダの森で育ち、材木会社に就職。しかし、当時そこで行われていた皆伐には問題があり、若い苗木が次々枯れていく。
その原因はなんなのか?
600ページにわたる研究の記録と幼少期から森林学者になった現在までの自叙伝。
読み応え最高でした。
と同時に、やはり菌根菌はおもしろい!
菌根菌への興味が止みません。
本の中身をざっくり
古い木と若い木はハブとノードで、菌根菌によって複雑なパターンで相互に繋がり合い、それが森全体を再生する力となっている。
ハンノキは地中に窒素を固定し、パインに菌根菌ネットワークを介してを転送する。
パインの苗木は別の苗木に地中で炭素を送る。
アメリカシラカバとダグラスファーは菌根菌を通じて糖を交換する。
木は競合ではなく、協調している。
古い木は若い木へ必要な栄養を、
死にかけの木は生きている木へ、
自分の死因となった病原菌の情報を伝達する。
シーダーが共生するのはアーバスキュラー菌根菌
アメリカシラカバと共生するバチルス菌は窒素を固定する。
蛍光性シュードモナスは、抗生物質を産生して近くのダグラスファーの病原菌感染を減少させる。
シュードモナスのエネルギー源は、アメリカシラカバとダグラスファーの間の菌根ネットワークから漏れる炭素。
根と菌根菌と細菌のネットワークにより、森は健全に保たれている。マザーツリーを排除してしまうと、若木に有用な栄養と情報は失われる。
感想
農業と菌根菌も切り離せないようなのですが、農薬は菌根菌を殺すことにならないんだろうか?逆に効率悪くない?と思ってしまう。←素人なので
根っこと菌根菌のネットワークは非常に効率が良さそうですが、現場では、肥料と農薬を使うのが一番効率がいいのだろうか?
頭が疑問だらけです。
マメの木を引き抜くと、根に沿って窒素を固定する細菌の入った小さな白い根粒ができている。
〜中略〜
マメからはトウモロコシとスクウォッシュに窒素を運び、長身で日光をたっぷり浴びるトウモロコシからは、影になっているマメとスクウォッシュに炭素を転送し、スクウォッシュの溜めた水分を喉の乾いたトウモロコシとマメに送っている。
土の世界が気になりすぎて、、
こちらの本を借りてみました↓
菌根菌って、大衆向けに書籍化されるくらい一般的な知識なんですね。
自然農法を意識して農業されている人も多くいそうですが、大量生産向きではないのでしょうね。
肥料も、海外から輸入せず有機肥料(堆肥)を使えばいいのにとおもいますが、家畜農家から野菜生産地への輸送費や、成分や性状が均一でないことなどから、大量生産向きではないのでしょうね。
大量生産と自給率向上、環境循環型農業は、全く別軸なのかもしれないと最近思うようになりました。