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404

家で画面と向き合う生活が日常になってきたここ最近、そこから得る情報がほとんどになった。テレビを見なくなったことで自分の情報の取捨選択はその選択肢をかなり狭めたように感じている。ある意味自分が欲しい物だけを得る事ができる理想的な環境とでも言おうか。興味のないワードや話題は非表示なり表示を減らすなりして簡単に目を背けられる。いや、視野を狭めているというべきだろう。
パラパラパラパラ、次々に羅列される面白いもの、くだらないもの、綺麗な景色、かっこいい音楽。流行りという季節に髪型と体型を統制されていく人たち。
そりゃ引きこもりたくなるよな。
好きなものが溢れてて、好きになってくれる仲間が居て知らないことはなんだって調べて知った気になれる世界。まるで自分の知識のように振る舞い、簡単に神になれる世界。ゆりかごより優しい世界なんだから。

そしてそこはいくらでも自分のことを強い気にさせてくれる。
生まれる責任は、液晶を通すと軽く見える。見たいものだけでできた場所では正しい気でいられる。

瞬間、読んでいる伊藤計劃さんの「ハーモニー」の世界感は近いからこその不気味さだと気づいた。
Wacth Meは思ったより早く僕らの体を覗き込むのだろうか。
黄色い電車の3両目端っこの席、デッドメディアを一人読んでいる僕はちょっと面白くなって少し笑ってしまった。よかった、まだ画面以外も僕は面白いと思えるようだ。


【404】という詩を書いた。

鵜呑みにする言葉も世界も、見たいものだけ。
だから知った気になって誰かを傷つける。感情もきっと代理の一文字がいるんだ。もう笑わなくていいだろう?
心無い言葉なんて意識しなくなって、悪いことかもわからなくなってしまう。自分をなくしてしまうのは案外ゆりかごの中だったりするんだと僕は思う。

まあ、嫌いな野菜も食べると案外美味しいし、ずっと使ってた化粧水よりあっちの方が肌に合うかもよって話だ。
色々見ようぜ、ってそのくらいのことだ。

とはいえ自分の好みを研究してくれる便利な機能は勿論使うべきだ。
オススメをたくさんくれる趣味の合う友人と喋ってるみたいな感覚でいいじゃないか。
ただ、この友人にも困ったところがある。オススメしすぎるのだ。
あ、こら。
その漫画はアニメで追うつもりだったんだ。おいその小説はまだ読んでないんだ、映画化したからっておすすめ動画に出すんじゃない。
おい待て『実は裏切り者だった味方キャラ集』を出すんじゃ…

え、あいつ裏切るの?


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