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春すぎて

春眠暁を覚えず、とはよく言ったものだ。
まあ僕は季節問わず暁なんて忘れた頃に寝床を這い出すのだが。

会社を退職してから怠惰な生活が続くようになったと思う。
春の心地よい気候もまた外へ赴く気持ちをそれとなく布団に向かわせる。
偶に外に出ると、野良猫たちはお日様の恩恵をたっぷりと全身にまとい、忙しなく歩く生き物たちを尻目に道端に落ちている。
その光景にふと言葉が溢れる。

「春すぎるなぁ・・・。」


【春すぎて】という詩を書いた。

春が過ぎて、まだまだ眠い日々が続く。
温かい気温もまどろみも、道端に落ちて平穏を享受する猫たちに教えてもらう。
明日からの不安も明後日の心配も気にしていられないのはきっと、あまりにも世界が春すぎるからなのであろう。
そんな詩だ。

絵はあたたかい色味で柔らかく猫と桜を描いた。
桜は全部で6種類ある。ピンクに黄色に意外にも多く種類がある。
普段見ている近所の桜はどれだっただろうか。

桜の季節も過ぎ、少し肌寒い日も出てきた頃になんでこんな春の絵の話をしているのか?
頭がまだ季節の変化に追いつけてないからだ。
在宅の仕事に甘んじている弊害か、これは良くないことである。

桜の花さえ、落つることを多少も知らない。
…散歩でもしようかな。

春すぎて




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