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お笑い芸人の推し方がわからず、とりま踊る高慢チキの話。

 手羽元と大根を炊飯器にぶち込み、だぽだぽと調味料を回しかける。通常炊飯で六〇分。無事弁当に間に合うだろうか。本当は昨日の夜に作っておけばよかったが、なんだか焦るような気持ちが強いので久しぶりに瞑想をしてみたら気持ち悪くなって布団でぐったりしていた。なんでやねん。体に良いと思ったのに。まぁ急にブレーキを踏んだ反動のようなものだろう。車に酔ったように吐き気がして、体は酸素を吸えないように鼻を詰まらせてきた。ツーツー垂れ始めたみずっぱなを拭き取りながら楽な姿勢を探し、スマホで「瞑想 吐き気」などと検索する。よくあることだそうだ。それを聞くだけで少し不安感が減る。みんななってるならまぁイイや。とりあえず目の前の症状が立ち去るのを待った。

 冬は苦手だ。なんたって寒いし、暗くて気分が落ち込む。体調不良のオンパレード。どんだけ厚着をしても外に出ればどんどん体温は下がるし、楽しいことをしていても日照量が足りていないのだろう、膝を抱えて丸くなりたくなる。梅雨や真夏もしんどい。夏には夏のほうがしんどいと言い、冬には冬のほうがしんどいと言う。
 少しでも元気になりたくて令和ロマンのネタを見る。最近ハマった。全然お笑いって観てこなかったのだけれども、ひょんなことからM1のネタをみて令和ロマンが大好きになった。石僧の話、というかタイムスリップというネタが特に好きで、母にも紹介したらこれまたえらく気に入っていた。ほぼ毎週実家に帰っているけれど、毎週石僧の話で持ちきりだ。令和ロマンの話じゃなくて、石僧の話。ぜひ「令和ロマン 石僧」で検索してみてほしい。違う「令和ロマン タイムスリップ」だ。私はもう何回も笑った。

 タイムスリップの話をすると「何時代に行きたい?」の他によく「戻れるなら何歳にもどりたい?」なんて聞かれるけれど、この話題が出る度に苦虫を潰したような気持ちになる。できないことを聞くんじゃない。その質問にすんなり答えるということは今に不満があるみたいじゃないか。後悔なんてしたくない。正確には「後悔があるなんて思われたくない」。高慢チキにプライドがエベレスト。

 後悔というものはしたところでどうしようもないと思っている節があって、日頃あまりしない。(ということになっている)。ドデカい後悔は何個か経験したけれども、なんか、お気軽に「え~小学生にもどりたいかなぁ?」って答えるかんじじゃない。ドデカい後悔はパンドラの箱で、それを小脇に抱えて今をどうにかするしかないんだろうが!と大声で叫びたくなる。まぁ、後悔が痛すぎるのだ。日常会話のなかに出てくるんじゃないとペチリ、叩いて箱のなかにねじ込みなおす。たまに反省と後悔の区別がつかず、同じ過ちを繰り返す。愚かだ。

 だからタイムスリップの話が始まるとわたしはそっと離席する。
 令和ロマンの「タイムスリップ」の話ならむしろ喚んでほしいんだけどね。石僧のステップを披露してやるぜ。石僧すうぃーと。






(もっと知りたいのに情報の拾い方がわからない。2次元ならお手の物なのに。)
(石僧大好き、みんなも観てね♡)




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