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書散裸#33 10代の軌跡 19歳編①

19歳編、10代の締めくくりになるわけだが、数え上げ方をあまり考えずに始めてしまった。そのため、19歳編に大学1年生の18~19歳の期間、大学2年生の19~20歳直前までの2年間がこのカテゴリーに存在することになる。
そこで、今回は18~19歳編、大学一年生の部を書いていこうと思う。


18~19歳、大学1年生編。

実家を出て長崎へ

飛行機に乗って埼玉から長崎へ、と簡単に移動したわけではない。埼玉長崎間、車での弾丸ツアーを敢行した。というのも、俺が運転したわけではなく父が運転している。実に片道24時間弱。凄いね本当に。引っ越しの手伝いをするのに、父と母と妹が一緒に来てくれたのだけれど、果たして本当にコスパはよくなったのか。
途中で立ち寄った福岡、中洲の屋台は良かったな。
来てすぐにいった中華料理屋のこともよく覚えている。
中国地方~九州間の海峡、下関大橋だったかな。そこを渡ったときの新天地への興奮も鮮明に思い出せる。精神的なものはもちろん、物理的な移動によってもたらされる視覚情報や聴覚情報がこの経験を豊なものにしてくれたのだろう。
ではいよいよ一人暮らし!というわけでもない。
俺が暮らすことになったのは学部保有の寮、その名も「国際学寮ホルテンシア」。国際、とついているこの言葉が象徴するように、ここは生活の場であり国際交流、ひいては異文化交流の場として用意されていた。4人一組のユニット単位で暮らす。それぞれ4畳半もない鍵付きの個室を用意されていて、キッチンや風呂、洗濯機、トイレなどは共同で使うことになっていた。
その当時の生活の様子はこちらに詳しく。

書散裸#1 経緯と生活レベル|土田澄空 (note.com)

このルームメイトたちと出会えたことが本当にこの生活の財産だ。今でもかなり密接にかかわっている。‘哲学的‘な会話を愚直にできた空間はありがたかったし、一緒に日付が変わるまで課題をして、そのあとただ雑談しながらゲームして眠るという生活は心底楽しかった。かなりグダグダもしたが、それでも楽しかったな。共同生活のストレス以上の何かがあった。
カラオケによく行ったのも本当に楽しかった。

来年もどこか違う空き家でも借りてシェアハウスするか、と割と真剣に家探しもしていたが、物件に求める価値観などのすり合わせも上手くいかず、そもそも大学の近くにあまりそういう物件がなく断念した。
寂しい気もするが、より閉鎖的になる可能性が高かったので、この判断は悪くなかったのかもしれない。

大学、学び

大学に入ったら意気揚々と好きなことを学べると思っていたが、思ったより義務教育や高校教育と変わらないな、と思った。特に1年生のカリキュラム。履修登録のシステムなんそ、1年目はマジで皆変わらないのだからいっそ大学側で一律にやっちゃえばいいのにと思った。
とはいえ、最初のほうは自分なりに頑張って大学に行っていた。オンライン授業が多かったので行ったというよりは受講していた。ホルテンシアという環境も、部屋内での話題に当然講義が含まれるので、なんとか関心を持ってやっていけていた。
当初は国際政治や環境経済学に興味が合って、講義の一環で国連の職員の人にもオンラインで取材させていただくなどしたが、もっと根本の話が気になるようになった。
「なんでこんなことになってんだ?」
問題の対処はもちろん大事だ。けどその根本的な要因を探りたいと思うようになった。結果、哲学に行きつく。
今のゼミの教授との出会いも大きい。
「アナキズム」
聞いたこともなかったこの思想に強く惹かれた。
今の課題は、「アナキズム」を至上命題とはしないものの、「アナーキー」な視点を保ちながら人間の生、特にあらゆる暴力や権力、ヒエラルキーの構造を分析することにある。そして、その分析による自分なりの暫定的な思想のフレームワークを持ちながら実践、行動に移すこと。
自分の中ではお笑いをやることと遠くないのだけれど、それを人に説明できる、読み取れる生きざまにしていきたい。

お笑いを始める

黎明期のお笑いサークルCCCに入部する。
(他にもアメフト部、ボランティアサークル、放送研究会などにも所属したが、いづれもこの年のうちに退部した。)
本当にサークルが始まったばかりで、あの段階で入るのを速攻決めたのはなかなか賭けだった。そのくらい何も決まっていなかったし人もいなかった。初めて見学に行ったときに、団体コントづくりに口を出して楽しかったから入ったことは覚えている。
手探りで動いていくサークル。その状態から携われたからこそ、ここまで本気でやれているのかもしれない。ネタを舞台上でやる、というモチベーションだけではなく、CCCという場所を作るというんだという原動力。そのエンジンで一年目は我武者羅に走っていた。
サークルの詳しい話はしない。そのころのnoteもあるので読んでみてください。
書散裸#3 「笑わせる」と「笑われる」|土田澄空 (note.com)

一つ言えるのは、このサークルが俺の人生を大きく変えたこと。
正確に言えば、背中を押したというほうがいいかもしれない。
芸人がやりたかった、というよりは人前に立ちたかった。
そこに目的と手段をくれた。
これからはより一層、この居場所をどう拡張するかに力を注がないといけない。

この1年間は兎にも角にも漫才の1年だった。
自分が面白いと信じて疑わなかったこと。その感覚。それをネタに落とし込んだ時に生まれる不純物。葛藤。
「これって本当におもしろいのか?」
その疑念と闘いながら舞台に立つ。
漠然と面白いと思っていたものをもっと考えるようになった。
なんで自分が笑ったのか。
人が笑っていて自分が面白くないのはなぜなのか。
逆に自分だけ面白がってるのはなぜなのか。
今、この時の純度で結果に悔しがることができないのは、根拠なき自信が打ち消されたからなのか。
それとも、あるいは。
まだまだ考えないといけない。

面白いことがしたいな。
人と笑い合いたい。


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