(詩)小春日和
長い長い
雨の日々のあとの
秋の日差しは
長い長い
雪の季節のあとの
春の日に似て
だから
小春日和と昔
誰かが
名付けたように
もっとも
短い生命の
本当の春を知らない
虫たちにしてみれば
これが最後の
春日和になるかも
しれないから
小さくてもいい
幸福の時を、今を
短くてもいいから
夏のあとでも
冬の寒さの中でも
わたしは
春、と呼ぼう
長い長い
かなしみの日々のあとに
長い、長く、長かった
哀しみの
としつきのあとの
今はわたしの
小春日和です
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