(詩)アリの行列

それは
規律正しく続くのでした
延々と延々と
来る日も来る日も
何処からともなく現れた群衆が
いつ絶えるともなく
てくてくと元気に歩き
そして吸い込まれていくよ
オフィスビルという名の巣の中へ

でもこれは
平日の朝のありふれた
都会の風景に過ぎない
まるでアリの行列みたいだねって
笑ってくれ
笑って下さい
泣きたい代わりに

なあんて
偉そうなこと言ってる
わたしも所詮アリの一匹
食いっぱぐれないように今朝も
アリの振りして
お金の巣へと急ぎます


そんなアリの行列を
やさしい眼差しで
見守っているのはいつも
鳩と野良猫と、
路上生活のおっちゃんと、
そして神様、ですか

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