青空夕イム

(一)
杖をついた老人が
ふと立ち止まり
その杖を
白いガードレールにかけて

ガードレールに
腰をもたれながら
空を見上げる

ああもう何年、
何十年ぶりだというように

空を見上げている

(二)
今きみが見上げている空が青空なら
その空の青さと
遥か遠いこの場所で
今おれが見上げている空の青さとが
おんなじ色ならいいのにね

まるできみとおれの心が
ひとつにつながっているみたいにさ

もしもこの世界中の空の青さが
同じひとつの色ならばって
そんな日もたまにはあるだろ
この空は世界中、それどころか
この大宇宙の中で
たったひとつの空
たったひとつの
きみとおれの空なのだから

青空は夢の色
悲しみに満ちあふれたこの世界の中で
いつか、きみとおれの夢も
ひとつになれるだろ

(三)
かなしい時は空を見る
苦しい時も辛い時も空を見上げ
唇をかみしめ
手をぎゅっと握りしめ
涙をぐっとこらえる

絶望した時も
誰かとさよならした時も
空を見上げる
すると不思議に
心が晴れてくるから

きっと他の人もみんな
そうしているのかも

だから空の青さはいつも
とうめいに透き通っていて
泣きたくなるんだよ

青空時間、心は青一色
空の青さでいっぱい
澄み渡った、透き通った
そんな心になりたい
なれたらいいな

青空時間、今は空の青さで
いっぱいに心を満たして
人生はいつまた雨に打たれ
心曇るかわからないから

今だけは
ぼくのわたしの
きみのあなたの、今は
青空時間だから

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