(詩)夏の足音

夏は好きですか

暑いけど大好き
海が好き
せみしぐれも好き
夕立の後のしずけさ
夏祭りと
その後のさびしさが好き

きみの足音にいつも
夏の足音を重ねて
きみの足音にいつも
夏の初めと
夏の終わりを見つけたぼく

夏自体が賑やかな
お祭りみたいだったね
きみといると
嬉しくて楽しくて
幸せで夢見ているようで

だから
夢なら覚めないでくれって
いつも心の中で唱えていた
終わらない祭りなどないのに

潮騒に
夏を追いかけていたきみと
きみの足音に
夏を追いかけていたぼく

引いてゆく波音と
夕立の後のしずけさの中で
せみしぐれの静寂の中で

夏はいつも
気付かないうちに去っていた
夏の足音は
いつのまにか消えていた

まるできみが
いなくなった時みたいに
きみの足音が
途絶えた時のようにね


今は夏の足音に
きみの足音をさがしている

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