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おじさんの恋
ウォーカープラスで連載中の
「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」
現在第7話「孤独な男」を公開中です!
このお話を描くにあたって、参考になりそうな
ドラマを観たり、
男性の生きづらさについて
書かれた本を何冊か読みました。
(参考文献として引用したりしたわけではなく、
あくまでもプロットを作る時のイメージを膨らませるために
観たり読んだりしました)
最初に「イケオジが客の話にしよう」
と、考えたときに、「はて、イケオジとは?」と考えて
真っ先に浮かんだのは田村正和さんです。
よく考えてみると60代~70代のイケオジって
いくらでもいらっしゃいますが…(笑)
「哀愁漂う老紳士」として思い浮かぶのは
田村正和!と、まあ、私の年代としては…
この人しかいない!と思ったわけです。
生きておられたら80代ですね。
田村正和主演の大好きなドラマがありました。
「美しい人」というタイトルで
ヒロインは常盤貴子。大沢たかおも出てました。
その他柳沢慎吾も。
脚本は野島伸司。1999年の放送です。
もう25年前のドラマですが、当時
大好きで夢中になって見てたな~、と思い出し、
U-NEXTでも配信していたので久しぶりに見ることにしました。
えっと……おもしろかったです(笑)。
でも、当時はなんとも思わなかったけど、
「年甲斐もなく勇気を出して恋をするおじさま」の相手が
常盤貴子…なんですよね。
若い!(当時まだ20代)
物語自体は大好きなんです。ドラマとしては、
最高なんです。
なんですけどね、
今見ると、なんだかな~……。
なんで若い子と恋することが「純愛」だとか
言われちゃうんだろ…という疑問がわきました。
ドラマだし、いいじゃん!
だからドラマになるんだよ!て話なんですけどね、
でも、ドラマを見てみる限り、
常盤貴子はなぜ田村正和に恋しちゃってんだろう?
という部分が、都合よすぎなんじゃね?と思ってしまいました。
確かに当時の田村正和だったら50代であっても60代であっても
イケてますよ、魅力的ですよ、素敵ですよ、アリですよ?
しかし…
ここではっきりと申し上げましょう!
50代のイケオジは、同じく50代のイケてる女性と
恋しましょう!
60代のイケオジは、同じく60代のイケてる女性と
恋しましょう!
「ワシでもまだまだ恋愛できるやろうか…」と
老いらくの恋を夢見るおじ様を否定はしません。
ただし!
ご自身と同年代の大人の女性と恋なさって
いただくことを切にお願い申し上げます。
そうじゃないと頂き女子系に頂かれちゃいますよ!別にいいけど…
いくら田村正和であっても、20代の常盤貴子との恋は
アカンやろ、と思いましたので。
常盤貴子の役どころとしても、
DV夫(大沢たかお)から逃げるために
整形手術をした美人…なんだけど
妙に明るくはしゃいでる時もあって
この人なんで田村正和に恋したんだろ?
お金?(田村正和は整形手術をした医師役)
と、最後までよくわからなかった。
まあドラマですし、ええんやけど…。
そういう理由もあって、今回の客は
65歳のおじさんがメンズエステに来るんだけど
決して若い子と恋愛(疑似であっても)
したいなんて思っているわけではない、という
紳士的なキャラにしました。
しかし漫画でもドラマでも、リアルな世界でも
「年の差」のある夫婦、カップルはいくらでも
います。
(加藤茶夫妻とか…)
「年の差」は、枷にもなるし、だからこそ
ドラマにもなるし。「歳の差を乗り越えて…」みたいな
愛の証のようなものにもなるので。
たぶん、10歳くらいだったら
歳がいけばいくほど気にならないものなのだとは
思います。
大事なのは、「対等であるか?」
ということなんですよね。
10歳以上離れていても
堂々と「対等だ!」と言えるのであれば問題ないとは
思うけど。
でも、対等だ、と「思わされている」場合もあるので…。
特に成功したおじさんの場合、若い女性は大人っぽかったり
賢かったりするほど「対等だ」と思い込ませやすい。
(「ロード」の人とかね)
加藤茶夫妻の場合、夫は地位と財力、妻は若さ、
という点を考えるとあれくらいが
ちょうど「対等」となっているのかもしれないけど。
「愛があれば歳の差なんて!」と叫ぶ昭和を生きた
おじ様もおられるでしょうが、
何も若い子と仲良くなってはいけないというわけではありません。
「恋愛」でなくても「尊敬」「友情」「同士」などなど
いくらでも素敵な関係はどんな世代の人とも
結べるではないですか!
「恋愛」は普通一対一でするものだし、
お互いを「独占」してしまうものです。
だからこそ危険性も多いし。
これから恋愛ものを描く人は(漫画でも小説でも脚本でも)
昭和の感覚のままではちょっと配慮が足りないな…となっちゃうと思います。
恋愛と洗脳は紙一重なので、今後慎重に物語を作らないとね!と
思います。
今回の「孤独な男」の65歳の客
池尾の話に戻しますが…
池尾は古い男なので、
「妻を幸せにするのが夫の役目」と
思い込んでいて、
妻と家族のために、弱音をはかず
出世してお金を稼いで養わなければいかん
と、固くなに信じていました。
だから自分が鬱になっても
妻には相談もできなかった。
妻に心配かけてはいけない、夫たるもの…と
思い込んでいたわけです。
そのかわり、定年退職したら、
妻を喜ばせてあげよう、
豪華クルーズ船で世界一周も
つれていってあげよう…と
想像していたわけです。
それが夫としての役目だと信じてきましたし
そうすれば妻は満足するだろうと
勝手に考えていました。
でも、その夢は叶わず、妻は亡くなってしまいました。
定年したら…とか
いつかいっしょに…とか
そういうこと言ってる時点でこの夫は
妻を下に見てんじゃね?と
私は思いながら描きました。
大事なのは今です。
いつか、じゃない「今」なんです。
しかもクルーズ船で世界一周、とか
自分ではない他人が考えた「幸せそうに見える形」
なんて。
そんなものいりません。
いつまでも妻を想い悲しみを背負う老紳士…という
話だけど、単に「いい話」にはしたくなかった。
池尾の思い込みから一発で
目を覚ませるような一言を…
と思いラストの加恋のセリフとなりました。
よかったら本編も読んでください!
次回の「メンエス嬢加恋・職業は恋愛です」
客はホストの男で
「愛を売る男」。
お楽しみに!
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