小説-「今夜あなたは、どんな夜を過ごしましたか」
こんばんわ。今夜も、お立ち寄りありがとうございます。一話目からの続きです。どうぞよろしくお願いします。
小説-「今夜あなたは、どんな夜を過ごしますか」
file12 宮原佳菜子の父-由紀夫
宮原由紀夫は家で妻のご飯を食べながら、時には呑みながら、妻を相手に一日の事を話すのが好きだ。これがストレス発散になる。妻は同級生。少し控えめだが明るくて、お嫁さんにするには良枝しかいない。っと思って、自分の方から何度もアタックをした。娘二人も順調に育ち、定年後の夫婦二人の生活を楽しみにしている。
今夜の夕食は豚肉の生姜焼き。刻みキャベツ。ししとうの焼いたもの。焦げ目が少しついて美味しそうだ。カボチャの煮物。大根、人参、あげ、豆腐、ちくわ、ネギの具沢山のお味噌汁。そんなに凝った料理はないけれど、自分はとても満足している。お野菜も多くて健康にも気遣ってくれている。お酒も少しだけつけてくれている。
今夜も気分がいい。ニュースも観ながら、妻を相手に話しをする。
妻の顔に少し疲れがみえてはいるが、由紀夫の目には見えていない。
続く。