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掌編・短編小説

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五百から二千字程度の短い単発小説をまとめています。末尾記載の日付は初回公開日、日本語はタイトルの日本語訳です。
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2022年6月の記事一覧

monologue.

 私の子猫はよく眠る。それは私の前や、この家で過ごす時間に限るようだが、それ以外で消耗し…

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朝焼けはまだ始まらない

「んん……、朝」 「私の子猫、起きだすには少し早いよ」 「おはようシャルマン。もう朝だ」 …

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せめて触れられるものだけでも

「魂に色や形ってあるの?」  落ちかけたまぶたでそれでも目の前のコリンズグラスから酒をす…

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Échange équivalent

「……シャルマン」 「なんだい、子猫ちゃん」  強い酒にいくらか焼けたアレクサンドルの細い…

le chaton fait un petit somme

 ふと、人の動く気配にシャルマンが意識を浮上させると、会話も途切れ手持ち無沙汰になったの…