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まだ間に合う!教育現場にデジタル化が必要な理由(後編)

こんにちは!あおもりIT活用サポートセンターの風晴です。
今回も、僕が力を入れて取り組んでいることの一つである教育×デジタルに関する記事の後編をお届けします!
▼前編はこちら

最大の障壁である心理的なバイアス

デジタル化を進める上で最大の課題は、変化を避けて現状維持を無意識に求めてしまう「現状維持バイアス」だと感じています。現在の状況よりも好転するとわかっていてもなかなか行動できない心理傾向であり、多くの先生方にとって、新たにデジタル技術の導入を進めることは今までのやり方と異なるため、なかなか進めることができません。また、機器やツールは各校に普及しているものの利活用は個人の裁量になっていることから進まないケースが多いと私は考えています。

子どもたちの学びの質や教師の働き方を効率的にする可能性のあるデジタル化ですが、先生方が多忙で新しいことへ取り組む余裕がない場合も多く、根本的に個人がどうにかできる問題ではないです。
行政や自治体がデジタル化の必要性にいち早く気づき、業務の一部を外部に委託する、年間の研修カリキュラムを組み込むなどトップダウンの対応が求められることは間違いありません。

なんとかするためのアクション

障壁があるとはいえ、黙っていても教育現場でのデジタル化は進まず、結果として様々な恩恵を受けることができません(詳しくは前編をお読みください)。実際、県内の先生方に話を聞いても各校においてデジタルを積極的に利活用している推進者は平均1名いるかだそうです。
そんな中、困っている各学校の研修担当者や行政の方々が現状を少しでもいい方向に変化できるように、具体的なアクションをご紹介します。

心理的な障壁の把握とフォロー

現状維持バイアスは、人間として正常な機能であり、発生自体を否定せず、まずは受け入れることがまずは大切です。いざ重い腰を上げ、新たな知識を学んだり、従来の教育方法の見直しや再構築も求められる過程で、教育者としての能力を否定するように感じ不安を覚える人も少なくないため、そこへのフォローも必要です。

研修の充実

研修では、基本的な操作方法を中心に一部応用的な活用法までカバーし、各々が少しでも自主的に利用しようと思ってもらうことが大切です。先生方の長期的な利用や定着を目指すのであれば一度で終わるのではなく定期的な実施は不可欠です。また、自身のペースで振り返りできるように研修内容をアーカイブできるようにしておくとさらに効果的です。

成功事例の共有

他校や他自治体の成功事例を参考に、自分たちでも同様の成果が得られることを示します。事例を通じて、デジタル化がどのように教育の質や業務効率化に影響があるかを具体的にイメージできると意欲が増します伝える場面や方法も工夫すると効果があがります。

段階的な導入

 全面的なデジタル化を一気に行うことも手段ですが、新しいことを始める際は置いてけぼりになる人がいる可能性も無視してはいけません。そこで、段階的に一部の授業や業務からデジタル化を開始する、簡単な操作が可能な箇所から始めるなど徐々に範囲を広げていくことで、無理なく継続が可能です。一方、どんどん進めたい人のために参考になる書籍や動画を用意する等のサポートもしたいところです。

支援体制の確立

実践した際や困った時にすぐに相談できる相手がいることが最も重要です。専門家でなくても、学校内の詳しい先生にいつでも聞くことができる環境を整備することで校内の浸透具合が決まります。共通するつまずきやすい点や質問が多い箇所は、マニュアルを用意し、詳しい人に依存しない仕組みづくりも並行して実施しましょう。その際、0から作るのではなく、サービスの説明書や他校事例等の参考になるものはどんどん運用していきましょう。

デジタル化を普及・浸透させる過程はとても大変ですが、子どもたちの学びや先生方の働き方に間違いなく成果が上がる取り組みだと感じています。
自分たちだけでは難しいという方も多くいると思い、我々では、県内学校の先生方・保護者・児童生徒を対象に無料出張セミナーを用意しています。
ぜひご活用ください。また、周囲でお困りの方がいればご紹介ください!

2024/11/8(金)
執筆者:マネージャー 風晴 翔太

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