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エッセイ

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#日記

震災の年 安藤裕子に会いに行った

震災の年 安藤裕子に会いに行った

2011年04月20日2:24

上へ上へ 

とにかく指がかかるくらいの石や、つま先を乗せられる小さな窪みを探して、

じりじりと、上へ、上へ。

 

 2011 年4月13日 安藤裕子

ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)のホームページの動画、被災した人に向けたメッセージと、キーボードの伴奏だけで歌った「はじまりの唄」、そして彼女のブログの日記を見た。 

想像を絶する体験をした人たちの痛みを、彼

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夏フェス  2019

夏フェス 2019

「夏フェスの季節がやってきました」、とFMラジオが言っていた。先週末には3日間、フジロックフェスティバルが開催されたらしい。

うらやましい。夏フェス、ワクワクするだろうな。いろんなバンドや歌手が次々と、いくつもある野外ステージに登場するんだ。

ラジオでは「今日のライブ音源」との紹介で、まさに先ほどの空の下での演奏が流れている。その空気感はラジオの音からも、またYouTubeの過去の映像からも感

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デスメタルな受付嬢

デスメタルな受付嬢

 今日は元々の難病の方の定期通院だった(私には持病がいくつもあるので、難病の通院、心臓の通院、年によって盲腸の通院や結石の通院、その他の通院などがある)。通院結果はまあいつもの通り「順調ですね」だったが、病院の近くの調剤薬局に、前から気になっている受付の女性がいる。

 何が気になっているかというと、どうも雰囲気が薬局の明るい清潔感にそぐわない感じなのだ。何というか、例えるなら「デスメタルな感じ」

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Coccoの原画展

Coccoの原画展

 Coccoが描いた新しい絵本『みなみのしまのはなのいろ』の原画展が、表参道の山陽堂書店ギャラリーで開かれていると知って、見に行った。

 地下鉄の出口からすぐの所にある、歴史を感じさせる小さな書店の二階の小さな小さなギャラリーには、繊細で精密なクレヨン画が何枚も飾られていた。

 Coccoの絵本『南の島の星の砂』は持っているが、今まで、Coccoの絵本はちょっとどぎつい色と絵の印象で、好きには

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もう一度写真を撮りたい

もう一度写真を撮りたい

 写真を撮る準備を始めた。2年前くらいまではよくミラーレス一眼レフで写真を撮っていた。その後忙しさもあり、また創作に集中し始めると、睡眠時間を削ってしまう自分の性格を知っているので、大きな病気をしてからは何となくカメラに触れなくなってしまった。カメラ何台かとレンズ類は、取り出せない棚の奥の方にあった。今日、しまわれていた道具を再び出してみた。カメラ二台はなぜか見当たらないが。

 私の写真歴は古く

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ジーンズの修理 うまく動かなくても私の足が好きだから

ジーンズの修理 うまく動かなくても私の足が好きだから

   今履いているジーンズのほとんどは、十年くらい前、初めての難病の入院の後に買ったもの。その頃、ジーンズが履けることが嬉しくて、下のように日記に書いている。そんな思い出もあって、傷みはじめてきたジーンズを捨てられずにいる。

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「私の足、輝いている」 2008年9月29日

 入院中に、建物の外の吹きさらしの喫煙場所

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黄金比 夜中のラーメンの作法

黄金比 夜中のラーメンの作法

 黄金比にたどり着いた。

 今年の春に、職場からの帰り道の途中に、夜11時頃までやっているラーメン屋を見つけた。今年に入ってからのことだから、心筋梗塞以降であり、ラーメンは私にとって、リスクの高い禁忌食物に含まれる。まさに禁断の食べ物なんだな。しかしながら、時々やむを得ず食べなきゃならない時がある。先週からやむを得ない日が二回あったが…。

 この店は、醤油ラーメンがトンコツ、味噌ラーメンが濃厚

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アゲハ  小さな命を育む体験

アゲハ  小さな命を育む体験

2019.6.12

 五歳の子どもが、友達から蝶の幼虫と思われるイモムシをもらってきた。小さな二匹のイモムシを、手のひらに乗るような小さいプラスチックの水槽に入れて育て始めた。

 彼も私も、もともと虫はそんなに好きではなく、興味もなかった。彼は虫が来ると逃げるくらい、私はイモムシも蝶も極端に嫌いでもないが、好きでもなかった。

 けれども、今回は少し認識が変わった。すごいと思ったのでイモムシの

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命の重さ 太田光の言葉

命の重さ 太田光の言葉

2019.6.4

以下ネット上の記事より

 番組の中で太田は、同事件(川崎市通り魔殺傷事件)の容疑者が自殺したことに言及し、「自分の命も重くみてない」と表現。

 自身には以前「何も感動できなくなったときがあった」と回想し、「そうなるとひとの命も大切に思えない」と語った。しかし美術館に行って観たピカソの絵に感動し「感動して、いろんなものを好きになる。好きになるってことは、それに気づけた自分を好

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