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エッセイ

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2023年4月の記事一覧

気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活【その2】 手がかりを探す日々

気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活【その2】 手がかりを探す日々

●退院直後からリハビリを始めた本当の理由
退院初日は、生活の中でリハビリができる公園を探しに行った。

これだけだと、真面目な自宅療養患者のように見える。でも実際は、私にはリハビリしか、気持ちのより所がなかったのかもしれない。リハビリをして、辛うじて自分を保っていた。
それくらいに、初めての病気を抱えて退院してきた私には、何の手掛かりもなかった。悪化させない、回復に向かうという方向性を、見失わない

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気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活【その1】 自宅療養はじまる

気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活【その1】 自宅療養はじまる

●自宅療養が始まった
生まれ変わって、新しい朝が来たみたいだった。「新しい体で新しい生活が始まるんだ」退院初日の朝は、そう思えた。何となくだけど、未来は明るく拓けている感じがした。
入院中には何度も、点滴でステロイドを血管に注入した。足には改善の兆しがあった。何よりも、存分にリハビリをしてきたことが、私の自信になっていたんだと思う。

そんな気持ちも、すぐに現実の前でしぼんでしまうことになるのだけ

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気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活 <まえがき>

気持ちのリハビリの記録|膠原病 退院後の生活 <まえがき>

🔹封印して見ないようにしてきた時期
私のnoteに退院後の日記がこれまでなかったのは、その時期を振り返るのを、気持ちが避けてきたから。たぶん、言葉では表せないほど辛かったのだ、と思う。

入院で病名は明らかになって、ステロイド・パルス療法で病気の進行を食い止めた。そんな状態で病院を出て、一般社会の中に戻って来た。治ったわけではない。
体はまだ自由に動かないし、症状悪化のリスクと、免疫抑制で感染症

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私が人前に立ち、自らの難病を話す理由<その14> 予後、そしてすぐ先につくる未来

私が人前に立ち、自らの難病を話す理由<その14> 予後、そしてすぐ先につくる未来

🔹予後
障害者等の採用にあたって、企業の採用担当者がしばしば気にするのが「状態の安定性」です。「安定性」は、障害や難病の「予後」と読み替えで良いでしょう。
企業にとって、障害者等は未知の存在のため、漠然と「状態が不安定なのでは?」と捉えられがちです。
実際には、状態の安定性は、いくつかのパターンに分けられます。また、不安定性の原因は、心身の変調(病気等)に起因するものと、就業環境に起因するものが

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