今どきキャッシュレス対応できない不動産会社ってどうなの
お部屋探しを始め、内見、無事部屋が決まり契約まで完了。
遂に初期費用を仲介会社へ支払う、というとき。
前職の不動産会社で何度かお客様から聞かれたこと。
「初期費用のクレジット決済はできますか?」
この時代、どのお店でもクレジット決済やコード決済等々、様々な便利な支払い方法が普及しました。
キャッシュレス時代の最中、まだ不動産会社ではキャッシュレスに対応していない会社が多い現状があります。
かくいう前職でもキャッシュレスには対応していませんでした。
私は新卒入社した最初の2年間は大手不動産チェーンのフランチャイズ店舗に勤務しておりましたので、同じ会社でもその支店のルールはあくまでフランチャイズ色が強かったため、その不動産チェーンが独自に展開するクレジット決済を利用することができました。
賃貸の初期費用の相場は、「家賃の5倍〜6倍」と言われています。
例えば6万円の部屋を借りたとすると約30万円以上の初期費用がかかると考えられますが、顧客視点で考えるとそんな大きな金額、クレジット決済してポイントを貯めたいところですよね。私も全く同じように考えます。
しかしキャッシュレス導入側からすると、当然クレジット決済にも数パーセントの手数料がかかります。
この手数料を約3%と考えると、30万円の初期費用に対して9000円の手数料をシステム側に支払わなければなりません。
仲介会社がお客様に請求する金額は、管理会社へ支払う礼金や鍵交換代等と仲介会社が受け取る利益分の仲介手数料を合算した金額です。
仲介会社は自分たちが受け取る仲介手数料を差し引いた金額を管理会社へ送金するわけですが、初期費用総額の数パーセントの手数料を仲介会社が支払う義務を負うということになります。
仲介手数料の金額は変わりませんから、仲介手数料以外の金額の決済手数料も、自分たちの利益である仲介手数料から支払わなければならないというのは不動産会社としては正直最悪ですよね。
当然人件費や内見時のガソリン代、遠方に案内する場合は高速代、細かいことを言えば物件を検索する際の電気代等々も仲介手数料から賄うわけですが、これに決済手数料も加わると仲介会社からするときついわけです。
なので一番理想的なのは、「管理会社が受け取る分の金額は管理会社がクレジット決済を行い、仲介会社は仲介手数料のみをクレジット決済を行う」が一番理想です。
先ほどの考え方でいくと、6万円の部屋の仲介手数料は消費税込みで66000円。66000円にかかる決済手数料は1980円。その他の初期費用も含めた金額の決済手数料と比べて約7000円も差が出ます。これなら仲介会社も嬉しい。
時代についていくために、不動産会社もしっかりとキャッシュレス対応の波に乗らなくてはいけませんが、これは仲介会社だけでなく管理会社も同様であるわけです。
クレジット決済ができないとわかりお客様が離れていくことが何度かありました。その気持ちはたいへんわかります。大きな金額ですから、ポイントを貯めたい、分割払いをしたい、という方は多くいらっしゃいますよね。
これを読んだキャッシュレスサービスの営業マンの皆様、ぜひ不動産会社へ積極的に営業してください。そして、営業トークに使っていただけたら幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?