2023/3/30 たこ焼きの人

　最近仕事復帰した（する予定だった）が、調子が悪くて全然仕事に行けてない。朝起きると、「あぁ、今日もダメだ」と思う。何となく、ダメだろうな、とは思っていた。楽しい事は出来るけど、しんどい事はできない。仕事に行く気力がない。眠い。だるい。疲れた。それだけ。それだけで働けない私はダメだろうか。

　何とか職場に連絡して、その辺にある物を食べて薬を飲む。で、またベッドに戻って寝る。それしかできない。スマホは触れる。はぁ。

　起きたら11時だったから、また何とか起き上がって、その辺の物を食べてお薬タイム。で、疲れ果ててまたベッドでゲームをしながら寝る。それだけ。

　夜。起きて、少しマシになったから夕飯を買いに行く。自転車で駅のほうへ。少しでも外に出たほうがいい気がする。近くの公園で家族連れや学生が楽しそうに遊んでいた。こんな私みたいな自堕落な生活している人なんかいないんだろうな、と思った。

　帰り道。私と同じくらいの速度で走る自転車の人がいた。私は歩くのも自転車も割と遅いので、同じくらいの速度の人は珍しい。しかも汁物をテイクアウトしてハンドルに掛けて帰っていたので普段よりかなり慎重に漕いでいた。

　と、さすがに追い抜かされる。

　あ、

　その人も同じようにたこ焼きの袋をハンドルに掛けて自転車を漕いでいた。袋が揺れてカサカサいっている。同じだ、と思った。

　一度は追い抜かされたが、たこ焼きの人が信号に捕まり追いついてしまう。何となく気まずい。私が脇道に逸れるとそこまで同じ道では無かったらしく、気配が消えた。さようなら、たこ焼きの人。

　前言撤回。私のような生活をしている人も、もちろんいる。当たり前だ。なにを悲劇の主人公かのように。すぐ孤独感をかっこいい感じにしようとする。

　たこ焼きの人は、ちゃんと仕事に行ってるかもしれない。私とは違うかもしれない。公園にいた人達だって、私と同じかもしれないし、違うかもしれない。明日私は仕事に行けるかもしれないし、行けないかもしれない。でもご飯を食べてお薬飲んで生きてるから、すごく頑張ってる。とりあえずそれでいっか。いいって事にしてほしい。お願い。