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#毎週ショートショートnote#青豆ノノ

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たらはかに様が企画されている「毎週ショートショートnote」への応募作品を纏めます。
運営しているクリエイター

記事一覧

毎週ショートショートnote|ときめきビザ

就労ビザ? それとも観光ビザ? さすがの威圧感だ。 眼差しに威厳がある。 見つめ合っている…

青豆ノノ
1か月前
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毎週ショートショートnote|モンブラン失言

 なかなか可愛い子たちね。明美が言った。さっきからガラス越しに上目遣いで意味深な視線を送…

青豆ノノ
2か月前
110

毎週ショートショートnote|誘惑銀杏

どうやってって。訊くだけ野暮よォ。 だけどね、あたしだってあんたには特別な情がある。だか…

青豆ノノ
2か月前
118

毎週ショートショートnote|ひと夏の人間離れ

二ヶ月の夏休みを終え、懐かしいメンバーの待つ教室へ向かう。 「おい、袴田」 名前を呼ばれて…

青豆ノノ
2か月前
108

毎週ショートショートnote | 落としどころ

目覚ましが鳴った。 今日も戦いの一日が始まる。 「アイツらには負けないぞ」 私はフライパン…

青豆ノノ
8か月前
97

毎週ショートショートnote| 勇者

何日目だろう。目隠しをされ、車でどこかへ運ばれている。猛烈な喉の乾きと空腹で、体に正常な…

青豆ノノ
8か月前
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毎週ショートショートnote | デジタルバレンタイン

遠い昔、「バレンタイン」という文化があった。年に一度とはいえ、その日を境に多くのカップルを誕生させた、画期的なものであった。らしい。 現在は、おみくじ感覚で恋の相手を見つける人が増えた。 今日、私はその会場に来ている。 「バレンタイン」というお見合いシステムを利用して、ぴったりと気の合う相手を見つけるのだ。 「はじめまして」 職員が引き合わせた相手と手を合わせる。 相手の温もりを手のひらに感じながら、気まずい時間を耐える。 「はい、もう離して大丈夫。あなたたちはカップ

ショートショート| 伝説のリモコンサバイバル

天井に吊るされたリモコンがくるくる回っている。 教室に残った女子は11人。 皆、あのリモコ…

青豆ノノ
9か月前
87

毎週ショートショートnote | 大きな石

妻の頭の中に侵入した。 妻が隠し持っているツノを叩き壊してやるためだ。 「西館と東館に分…

青豆ノノ
9か月前
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赤いボタン | 毎週ショートショートnote

「土足でいいんスか」 先生が「OK、OK」といって僕をベッドに促す。ウォーターベッド。初めて…

青豆ノノ
9か月前
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調子はどう? | 毎週ショートショートnote(アメリカ製保健室)

次の授業を休みたい。一番苦手な英会話だ。 唯一答えられるのは、誰もが知っている挨拶くらい…

青豆ノノ
9か月前
83

噂の真相 【ドローンの課長】

「あいつみたいになるなよ」 部長は氷を鳴らしながら、ハイボールを一気に飲み干したあと、そ…

青豆ノノ
10か月前
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あれだよ 【会員制の粉雪】

粉雪の舞う野っ原に、大人たちが集まっている。たまにその中央は、眩しく光る。 一体何をして…

青豆ノノ
10か月前
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ネオン街のおみくじ 【夜光おみくじ】

男は憤っていた。 意気揚々とやってきたネオン街の飲み屋で、ぼったくられてしまったと憤っているのだ。 男は不愉快なこの街から早く離れたかった。しかし、ふと足を止めた店の前にネオンサインで「おみくじ」と書かれている。男はおみくじを引くのが好きだった。 怪しく光る文字の横には、貯金箱のような物があり「1回1000円。お金をいれたらボタンを押して」と書かれている。 男はすでに大金を失っていて、今更いくら無くなろうが構わなかった。男は千円札を貯金箱に押し込むとボタンを押した。 する