ネオン街のおみくじ 【夜光おみくじ】
男は憤っていた。
意気揚々とやってきたネオン街の飲み屋で、ぼったくられてしまったと憤っているのだ。
男は不愉快なこの街から早く離れたかった。しかし、ふと足を止めた店の前にネオンサインで「おみくじ」と書かれている。男はおみくじを引くのが好きだった。
怪しく光る文字の横には、貯金箱のような物があり「1回1000円。お金をいれたらボタンを押して」と書かれている。
男はすでに大金を失っていて、今更いくら無くなろうが構わなかった。男は千円札を貯金箱に押し込むとボタンを押した。
する