こんなカメコはいやだ編 【ライブ写真の撮り方】最高の推しを最高の写真にする方法 #3
●コロナ収束後でも使えるライブカメコマナー集
さて、今回は準備とマナー編です。
感染対策的な観点からライブの様式も変わる中で以前よりカメコを始める人が増えているらしい。前と違って周囲もそんなに暴れくるったりしないですし、キャパも制限されているので撮りやすいってのもあるでしょう。
逆に言えばカメコの存在がかつてほど煙たがられてる訳ではないのですが、そうは言ってもマナーとか気をつけた方が良いことを知っておきたいという声もよく聞くところ。
なによりも、今の状況ではゆるっと許されることでも元に戻った世界では許されないことも多い。今のうちから意識しておいて損はないのでは?とも思います。
実際、キャパが緩くなったことで過去によく言われたマナーの口伝も薄くなってるので、世界が元に戻ったときのために「収束後も使えるライブカメコマナー」特集を書いてみようとなりました。
さて、まず、始めようとしてる人、これから始める人に申し上げておきたいのは「ライブ会場の中で写真に夢中な人間など誰も好きじゃない」ということです。
ぶっちゃけ邪魔です。オフィシャルだとしても気になります。風景としても…たくさんいる場合はキモいです。声を出せない今のライブ環境では全身で盛り上げねばならぬのに前の方でひたすら地蔵でシャッター切ってるカメコなどは誰も好きじゃないです。
撮可ルールだからと言っても「一般客と同じようには歓迎なんかされてない」この点を肝に銘じておくべき。
「カメコに人権なし」
古からよく言われる格言です。良い写真をあげるカメコは認知も得やすく推しが写真使ってくれたり、他のオタクが反響くれたりとそもそも良い待遇だし、それを目当てにやる人もいることでしょう。
でもそれと引き換えに現場では周囲の迷惑を減らすための努力はしなくてはならない。
そこを勘違いして、「現場で一番偉いのはワシじゃ!」と言わんばかりに自分が撮りやすいように他の客に指図したり文句つけたりする人もいるらしいですけど、どうしたらそんな思考になれるんですか?人生生きづらくないですか?
自分がそうだという方はこの度は数あるブログの中から本記事を選んでくださり誠にありがとうございました。今後のご活躍とご多幸をお祈り申し上げます。
さて、とにもかくにも心構えはとしては
「フロアは常に撮らない人たちが主役」」
「いい写真が撮れたら推しのおかげ、みんなのおかげ。撮れなかったら自分のせい」
そのくらいに思っておけば大抵は大丈夫でしょう。繰り返し呟き、自己暗示自己暗示。刷り込みます。刷り込みましたか?OK。
気持ちができたところで!早速具体的なNG事項と撮影前の最低限の準備から始めましょう。
1.フラッシュとAF補助光を封印する
まず何はなくともフラッシュとAF補助光OFF。AF補助光は意外と盲点でうっかりすると演者にレーザービームを飛ばしてしまいます。自分のカメラのマニュアルみて、これをオフにすることを忘れないように。フラッシュも発光禁止モードに。
これすらめんどくさい、どうしたらいいかわからない、調べ方もわからないという人は残念ながらカメラというツールで遊ぶのに向いていません。数あるブログの中から本記事を読んでくださって本当にありがとうございました。この設定を自力でできるかどうかが、カメコ適正の最初のテストになると思います。
とはいえ設定したとしても万が一ってこともあります。不安に思いながら撮影するのは精神的にもよくない。
そんな時は…テープで物理的に封印!
テープでフラッシュが開かないよう止めてしまいましょう!フラッシュ光らせたら即退場レベルです。念入りに封じましょう。
2.掲げカメコは絶対禁止
自分の頭上にカメラを上げて撮る行為。前方頭上カメコとも。スマホならつい…というのもまだわかりますが、でかいカメラ使ってて最後方以外でこれやる人はそもそも想像力が足りなすぎるので普段の人生から生きるの辛くないでしょうか?
説明するまでもないですけど、理由は邪魔だからです。推しメンの前に電子ファインダーがぬっと出てきて覆い隠した時のことを想像してみてください。殺意が湧くと思います。しかもその殺意、貴方の後ろの広範な範囲から飛んでくる。人生そんなに殺意を集めることってそんなにないです、並の人間なら呪い殺されるかもしれません。
また一眼レフなど大きなレンズつけてこれやった場合は落下リスクがあり、危険でもあります。
これをやってると本人が知らぬ前にその姿を写真に撮られてネットに晒されたりします。晒しはあんまり褒められたことじゃないですが、定期的に啓発が必要だったりするのも確か。まあ、晒すくらいなら直接注意すればいいのにとも思いますが、正直これやるレベルの想像力の人に話しかけるのは、逆ギレされるとか想定外の反応が来そうで怖かったりね。まあそういう類の人認定されちゃうレベルの行為です。
得てして該当する方がこの記事を読むことはまずないと思いますので徒労なんですけど、荒っぽい現場だとカメラ叩き落とされて壊されても誰も味方はしてくれません。
3.肘上げカメコは注意
肘カメコとも言います。これは同情の余地がある、というかライブ以外で普段撮ってる人はやってしまいがちな構え方。カメラを縦位置にした時に、シャッターボタンを上面側にして構えた結果、脇が開いて肘が上がってしまう状態。
一部でそもそもカメラの構え方として間違いだという解説もありますが、そんなことはないです。脇が開くことでブレやすくなるデメリットはあるものの、横位置の持ち方から自然に移動できるので機動性が高いですし、左眼がフリーになるので全体が確認できる。スポーツ写真やライブ写真においてはポジティブな要素です。
しかーしライブにおいてはなるべく頭以外の障害物を出さない、というのが基本なので、結構な面積を塞いでしまう肘カメコは密な現場では嫌われる。
なので正しい構え方と言われれば、シャッターを下面にして両脇をしっかり締める、なんですが前述の通りこの持ち方は機動力が落ちる。またライブ写真は必ずしも水平・垂直の2パターンというわけではなく斜め写真も多いですのでシャッターが上面側にくることはあり得る。
なので、臨機応変にどちらの構え方であってもとにかく脇を締めることが肝心です。
油断したり夢中になるとうっかりってことも…よくあるので、意識しておきましょう。
4.望遠用レンズフードは短い物に換装、あるいはいっそ付けない選択も。
密な現場では長いレンズはそもそも凶器ですし、持ち込むこと自体が狂気です。クソ長いフードをドヤ顔でくっつけてるのは粋ではないです。短い物にするか、いっそ外してしまいましょう。
もちろん余裕のある現場ではその限りではないですがカメラの存在感はなるべく目立たなくした方が粋かなとは思います。
フードがないとレンズ破損リスクは若干高まりますが、客席にレンズ持ち込むっていうのはそういうのも含めて自己責任です。プロテクター自体が高かったりしますから怖いとは思いますが、前述の通り「カメコに人権はない」ので。
5.レギュが許す行為である限り他のファンのやることに文句を言わない•怒らない
そもそもライブですから、モッシュ・リフト・ダイブ・サーフなども起こりますし、圧縮や突進など盛り上がった客の行動は予想がつかないです。全力で腕をあげる人、推しジャンする人、そうした存在は写真だけを目的とするなら邪魔かもしれません。
しかし、ライブの主役は盛り上げてる一般のファンたちです。カメコの都合で遠慮するなどあり得ません。今の比較的穏やかな環境でカメコ始めた人は元に戻った時驚くかもしれませんが、むしろ一緒にノッてないカメコの方が彼らからすれば興醒めですから、露骨に突進されたり肘打ち食らったりなどさえあります。
もちろんカメコだってレギュで許された存在ですから、明らかに意図的な暴力行為まで甘受しろとは言いませんが、単純に盛り上がった結果として起きる全ては受け入れましょう。
現場で楽しんでるだけの他の客に撮影を妨害されたかのように怒ってるカメコほどみっともない存在はいません。そもそもですが、ライブ写真ですから常に他の客の雰囲気にも気を配り、動きに呼応して画角にいれるくらいの機転を持ちたいもの。女の子撮りたいだけだと見えない物ですが、ライブ中のファンっていうのはいい画になるもんなんですよ。
↑ライブはその場にいる全員で作るもの。オーディエンスにもドラマがあり、届けたい思いがある。付き上がる拳にも人の上を泳ぐ人間にも同じ風景として価値がある。そう思えたら大抵のことは受け入れられるし、なんなら画に取り込みたくなるのではないでしょうか。
6.撮らない時はレンズを縦にして上方に向けておく
いわゆる軍隊とかの銃の扱いと一緒で撮らない時は縦に構えて、ぶつけるリスクを最小化しておきましょう。顔の前あたりでホールドしとけばすぐ撮影体制に入れますし、不意な圧縮などの人の動きにも対応しやすいです。
7.MC中や静かな曲でのシャッター音に気をつけよう
これは一眼レフユーザー向けです。MC中に記者会見ばりに連写で回しまくる人がいますが、シャッター音が案外目立ちます。MC中は結構いい画が撮れることが多いですし撮可である以上、撮るのはいいんですが…。
同じく静かめの曲などでマシンガンみたいな音をやたら響かすのも良くはないです。かつてはあまり問題視されてきませんでしたが、今はミラーレスが増えてきたので以前よりシャッター音が目立つせいか、「シャッター音禁止」レギュも増えてきました。時代は変わっています。機材が対応できない時は、状況に応じて控えめにすると良いでしょう。
8.ライブ中はなるべく撮影画像のチェックをしない
MC中やライブ中に頻繁・高頻度に撮れ高確認すんのは止めましょう。当たり前ですけどライブ中に演者を観てないってのはあまり褒められた姿じゃないです。最前に居並ぶカメコがMCでみんなやりだすって光景はよくあって「そういうとこだぞ!」となる。
RAWで撮っておけばだいたいどうにでもなりますから撮ってない時間は生の推しメンを目に焼き付けたほうがいいですし、定期的に視野を広げてみると構図アイデアが浮かんだりもしますよ。
9.そもそも本当に撮可なのかよく確認
実は撮可かどうかはいちいちサイトなどに運営が書いてなかったり、イベントレギュにもなかったりするもの。やっぱりそんなに増えて欲しいわけじゃないってのが本音なんだろうなって思います。
実際、撮れれば何でもいいタイプのイナゴのようなカメラおじさんってのがいて、終演後物販にも来ないし写真もアップしない…レギュをわかりやすく掲示してもライブそのものがカメラだらけになるだけでメリットがない、そんな判断かもしれないですね。
写真が上がってたとしても撮可はその日限定だったり、普段撮可でもイベントによって禁止な場合も。またライブハウスはデフォの注意書きで「撮影禁止」と書いてあることも多いのですが実際には撮可だったりとか。
運営に聞くのが一番確実ですが「本当に撮可かどうか確認する」のは大事です。現場で他に撮ってる人がいたとしてもそれは運営だったりオフィシャルだったりすることもあるので当てにはなりません。
10.踏み台や一脚の使用は事前に主催に確認
前提として最後方や柱の前などでの使用になりますが箱によっては危ないので場所に関わらず、踏み台や脚立の使用を禁止してる場合があります。
またオルスタフロア内に一脚などを持ち込むのも常識的にNGです。ただ現実には一脚どころか最前付近に脚立持ち込む人間も存在します。撮り鉄界隈では普通、ってことらしいんですが言い訳になるかボケという感じですね。ライブハウスという場所にはどうしても一般社会で生きづらさを抱える人が混ざります。
脱線しましたが、踏み台使っていいかは運営や主催に確認した方が無難です。OKとなった場合でもPA卓前などオペレーターの邪魔になる位置はNG。
11.ちゃんと音楽を聞き、盛り上がり、ライブを楽しもう
ライブの楽しみ方はそれぞれで、そもそもカメコじゃなくても地蔵が悪かというと自分はそうとも思いません。推しメンに見惚れて棒立ちになっちゃうこととかありますしね。しかし、前述のようにカメコはそもそも現場で存在が歓迎されてませんから、ライブ自体を楽しそうにしている様子というのはそれを緩和するというのはあると思います。
それともう一つ。ライブでの演者の表情や動きは常に音楽と呼応してます。音を聞いてリズムを合わせて、声を出して会場の熱を共有する、そうして狙うワンショットの方がいい画を撮れることが多いです。闇雲にメカニカル連写ぶん回していくよりも、音に合わせたワンショットワンキルは結構オススメです。
定評あるライブカメコは撮影以上にライブそのものが好きな人が多いです。撮可じゃないライブも行きます。推しメンだけを観るのではなく、音楽を聴いて、他の客と熱や声を共有し、光と闇が織りなすライブハウスという場所の空気そのものを愛する。そんな人が撮る写真がやっぱりファンにも伝わるし本人にも届いていく、そんな気がしています。
12.少しでもいい写真を伝わる形でシェアしようという努力をすると生きやすくなる
こういう記事やってますと反響の中に「こんなめんどくさいことやりたくない、写真なんか適当でいいし、自分が楽しければいいんだよ」というような声ももらいます。当然、それは真理だしそれを否定する立場に自分はありませんが、あくまで個人としては同意はしません。
前述のようにカメコは邪魔です。邪魔なのになぜ許されているかというとその写真が世に出ることで少しでも宣伝になることを期待されているからです。宣伝って言ってもそう簡単なもんではないですが、ファンが撮った写真を見てパフォーマンスの反省をするアイドルさんもいました。意義はそれぞれですが、アップされなければ無意味です。またファンも推しメンのかっこいい・かわいい写真が上がってくることは嬉しいのでそこで利害が一致している訳です。
とはいえ、人間の肖像を本人・事務所ノーチェックで世に出して良いなんて本来あり得ないことです。それをアップするにはやはり何かしら責任が伴うものではないかと自分は思います。
いい機材を使えとか、フルレタッチしろ、とかが全てではありません。撮可レギュではスマホで撮る人もいるでしょう。しかしながら撮れたからと言ってなんでも載せればいいとも思いません。少しでも自分なりにかっこいい物、可愛い物を選んで載せる。そしてライブの感想やその良さなどのコメントを載せる、など気持ちが伝わればそれでいいんだと思います。
長いことカメコやって気づいたのは、演者は写真それ自体よりもそこに書かれてるコメントが嬉しいようだということ。写真とセットだから「こういうとこが伝わってるんだ」「こんな風に見えてるんだ」とかが言葉だけより説得力があるから。
これも絶対やるべきだとは言いませんが、こんな説教くさいnoteをこんなところまで読む人は少しでも良い物にしたい、迷惑に思われずにカメコしたいと思ってる人だと思いますので、意識してみると良いと思います。
13.それでも言われる文句はある程度聞き流そう
上記を尽くしてもやっぱり文句は言われます。それはやっぱり何を邪魔と思うかは人それぞれですし、不可抗力もたくさんあります。
何より1人や2人ならば気にならないことも10人も20人もいれば目触りになる、これは各自が気をつけていてもどうもならない。運営がどんなライブを作りたいかで考えることですし、結果的にやっぱり禁止にしたりカメラ席作ったりなどの対応になっていくこともあります。
人によっては「カメコは後ろや隅から撮るべきでドセン付近にいるべきではない」という主張もあります。ただこれに関しては同じ権利を持って手に入れた整番ですのでレギュでカメコ席の規定がないかぎりどこで撮るかは自由だと自分は思います。
いずれにしてもカメコが現場に受け入れてもらう方法は「少しでも良い写真」を「なるべく早くシェアする」ことだけ。過度に萎縮することではありません。マナー講師=失礼クリエイターって話もありましたが、自治性が強すぎるとローカルルールばかり増えてやりにくくなりますからね。
本文内で何度かコメントしたように本当に致命的にやっちゃダメなことをやっちゃう人は人生そのものが生き辛い傾向のあるような人。現場に愛を持って常識的に考えればほとんどの場合はノートラブルです。
ライブの楽しみ方はそれぞれですが、楽しい気持ちが現場で共有されていれば、カメコも一般の客も共存しわかりあえるはず、です。
次回はライブハウスを彩る光を画面に取り込む方法についてのお話です。
お読みいただきありがとうございました!
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