見出し画像

9月

十五時─。

学校から帰る途中
いつもは通らない裏道を歩いてみた。

背の高い 薄(すすき)が
1本の道を作るように並んでいる。

そういえば ふとある事を思い出した
小2くらいのとき、よく遊んでた あの子のこと。

みんなでも ふたりでも
とにかく毎日のように遊んでた。
その子との繋がりは、今はもうない。

わたしは 今と違う所に住んでいて、
家の事情で隣の区に…つまり
今住んでいる所へ引越しする事になった。

なんてことはない。
少し頑張れば いつでも会える距離。

でも わたしたちにとって
それは二度と会えなくなるような距離だった。

違う学校になって 関わる人が変わって…
そうして気付けば疎遠になっていた。

なんでいきなり思い出したんだろう…

そうか。
この道、すごく似てるんだ。
あの子とよく通った 家に帰る近道に。

少し急な傾斜、背の高い薄、
まっすぐ伸びた一本道は
何度も通ってもワクワクしたな。

あの子は今も 元気にしてるかな。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?