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じぶんの気持ちと向き合い、自分を理解する方法【心理学】

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。

今回は「感情と向き合い、自分を理解するためのルーティンを作る」についてお話しします。マインドフルネスやコンパッションの心理学的アプローチを使えば、日々の生活の中で感情を受け止め、自分との付き合い方を少しずつ変えることができます。

自分の感情と向き合うって、簡単そうで実は難しいんです。たとえば、イライラしているときや落ち込んでいるときに、「なんでこんな気持ちになっているのか」と考える余裕がある人って少ないですよね。多くの場合、感情に流されてしまったり、それを避けようとしてしまったりします。でも、心理学では「感情をそのまま受け止める」ことが大切だとされています。マインドフルネスやコンパッションは、そのための実践的なツールとしてとても役立ちます。

まず、マインドフルネスについてお話ししましょう。マインドフルネスは「今この瞬間」に意識を集中させ、評価や判断をせずにそのまま受け入れることを目的としています。たとえば、感情的になったときに「私は今、怒っている」と気づき、その感情を否定せずに「怒り」という感情そのものを観察するという方法です。この練習を繰り返すことで、感情に飲み込まれるのではなく、少し距離を置いて冷静に対処できるようになります。

マインドフルネスを日常のルーティンに取り入れるためには、以下のような方法があります。

  1. 毎朝の深呼吸
    朝起きたら、まず3分だけ静かに座り、ゆっくりと呼吸に意識を向けてみてください。呼吸の長さや体の感覚を感じるだけでOKです。この時間が、1日のスタートを穏やかにしてくれます。

  2. 感情ジャーナル
    夜寝る前に、その日の感情を簡単に書き留めてみましょう。「今日はこんなことで嬉しかった」「あの時ちょっとイライラしたけど、なんでだろう?」と、自分の感情を振り返ることで、日々の心の動きが見えてきます。

  3. 注意散漫タイムを減らす
    スマホやテレビに夢中になる時間を少し減らし、その代わりに目の前のことに意識を向けてみてください。たとえば、食事中に「このご飯の味や香りはどんな感じだろう」と意識するだけでも、マインドフルネスの実践になります。

次に、コンパッションについて触れます。コンパッションは「自分や他者への思いやり」を意味します。特に、自分に対する思いやり(セルフ・コンパッション)は、感情と向き合う上で非常に重要です。たとえば、失敗したときや何かに悩んでいるとき、「なんで自分はこうなんだ」と自分を責めるのではなく、「今はしんどいけど、それも仕方ないよね」と優しい言葉をかけてあげる練習です。

セルフ・コンパッションを日常に取り入れるには、以下のような方法があります。

  1. やさしい言葉で話しかける
    嫌な気持ちになったときや失敗したとき、「ダメだな」と責めるのではなく、「頑張ったんだから、少し休もう」「ミスは誰にでもあるよ」と自分に優しい言葉をかけてみてください。

  2. 自分の胸に手を当てる
    ストレスを感じたときに、胸に手を当てて深呼吸をするだけでも、安心感が得られます。これだけで自分を思いやる気持ちが育まれます。

  3. 共通の人間性を思い出す
    悩んだり失敗したとき、「みんな同じような経験をしている」と考えてみてください。自分だけが辛いわけではないと気づくだけで、気持ちが楽になることがあります。

これらを組み合わせて、自分の感情と向き合うルーティンを作ってみてください。たとえば、こんな1日をイメージできます。

  • 朝起きたら3分間の深呼吸。

  • 日中、何か感情が揺れたときにその感情を観察してみる。「私は今、何を感じているんだろう?」と自問自答。

  • 夜は感情ジャーナルを書き、自分に「今日もよくやったよ」と声をかける。

こうしたルーティンを続けることで、感情と向き合う力が少しずつ育ちます。特に新しい年の始まりにこうした習慣を取り入れると、感情の波に流されにくくなり、自分自身と穏やかに向き合えるようになるでしょう。

来年こそ感情との付き合い方を見直し、少しでも穏やかな心で過ごしたいという方は、ぜひマインドフルネスやコンパッションを試してみてください。少しずつ自分の中で変化が起こるはずです。焦らず、できる範囲で続けていきましょう。

それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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