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パーソナリティ症ってなんだろう?

どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。今日は「パーソナリティ症(パーソナリティ障害)」について、その発生メカニズムと治療法としての弁証法的行動療法やスキーマ療法についてお話ししていきます。

パーソナリティ症は、簡単に言うと「自分や周りに対する感じ方や考え方、行動パターンが独特で、生活や人間関係に困難を生じる」状態を指します。精神疾患の一種といわれています。

例として、極端に他人を信頼しすぎたり、逆に誰も信用できないと感じてしまう「境界性パーソナリティ症」や、ルールや秩序を重んじるあまり柔軟性がなく、自己主張を強くしてしまう「強迫性パーソナリティ症」が挙げられます。また、「回避性パーソナリティ症」では、他者からの批判や拒絶を過度に恐れるために、人間関係や仕事での新しい挑戦を避ける傾向が見られます。

こうした特徴が日常生活や人間関係に支障をきたすレベルで続く場合、パーソナリティ症と診断されることがあります。

パーソナリティ症が発生する背景には、生まれつきの気質、幼少期の環境、親との関係、さらには社会経験など、さまざまな要素が影響しています。

パーソナリティ症が起こる原因には、生まれつきの性質や遺伝的な要因があります。家族や双子の研究から、この障害は家族内で似た傾向が見られることがわかっています。また、脳の特定の部分が他の人と少し異なることがあり、これが感情をコントロールしたり、衝動を抑えたりするのを難しくすることがあります。

子どもの頃の経験も大きな影響を与えます。たとえば、虐待を受けたり、親との関係が不安定だったりすると、自分や他人との関わり方に問題が生じやすくなります。家庭環境や友人関係、社会からのプレッシャーなども関係してきます。これらのいろいろな要因が組み合わさって、パーソナリティ障害が発症することがあります。早めに理解してサポートを受けることが、とても大切です。

こうしたパーソナリティ症の治療には「弁証法的行動療法(DBT)」や「スキーマ療法」が用いられることが多いです。まず、DBTについてですが、これは特に「境界性パーソナリティ症」に有効とされ、スキル訓練を通して感情や行動をコントロールする方法を学びます。

DBTでは、まず自分の感情をそのまま受け入れる「マインドフルネス」と、感情に対して「今この瞬間どう対処すべきか」を考えるスキルを鍛えます。これにより、衝動的な行動を抑え、気持ちを安定させることができるようになります。

次に、スキーマ療法です。これは「自分は価値がない」「人は信じられない」といった、自分に染みついた考え(スキーマ)に焦点を当てて、そのスキーマを和らげていくことを目指します。

スキーマ療法では、まず自分の思い込みや信念がどのように作られたのかを丁寧に掘り下げていきます。こうした過程で、「自分自身の体験や気持ち」に気づくことで、少しずつ柔軟に物事を考えられるようになります。

このように、パーソナリティ症の治療は、単に「症状を消す」ことではなく、自分の考え方や感情への向き合い方を見直して新しい生き方を作り出すことが重要です。学校や家庭でも、パーソナリティ症で苦しんでいる人がいれば、少しずつ感情のコントロールを学ぶことで、周りがサポートして新しいステップを踏み出す手助けができるかもしれません。

人生において、じぶんを変えることは簡単ではありませんが、変化を過度に嫌がらず、自分と向き合うことで少しずつ自分を理解し、周りとの関係も築いていけるようになるといいですね。

それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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