【ブレーキを踏む人/集中こそ重要】唯心円成会伝法講義~会報Enjoh_201608【無能唱元】
ブレーキを踏む人
次のような人々が、あなたの周囲にいませんか?
富むことを望みながら、現在の貧しさぶりを嘆いてばかりいる人。
昇進を願いながら、上役の悪口と不満ばかり口にしている人。
結婚を希望しながら、恋人の不平ばかり並べている人。
成功を望みながら、自分の能力のなさを口にしたり、または身の不運を嘆いてばかりいる人。
これらの人々は、車の運転でいえば「アクセルを踏みながら、同時にブレーキも踏んでいる人たち」です。心では強く何かを望みながら、表面では別にそれを欲していないという、いわゆる「本音と建前」の人の場合も、建前は大きなブレーキになるものです。
さて、これらのブレーキは、すべて「口」によって表現されていることにご注意ください。つまり、それは「言葉」です。
人間は自分の発した言葉を自分の耳で聞いて、それを暗示として受け取ります。世の中には夢ばかりをいくつも描きながら、その夢を何ひとつ達成できないまま一生を終えてしまう人がいます。それは、多くの場合、自ら夢の達成にブレーキをかけており、その最も多いケースが「言葉」によるものです。
心には力があります。しかし、その力も、一つの方向、一つの目的に集中させない限り、その力は発揮できません。あちこちにエネルギーを分散させている間は、その効果を期待できないのです。
「集中」こそが最も重要です。
何かを望みながら事態が思うようにならないのは、この「心の集中」が欠けているからであり、言ってみれば、これらの人々は「何かを望んでも、実際には願っていない」のです。
ある人は、ふっと「何かを得たいな」と思います。しかし、その後、それを願い続けるという意識的な行動がないのです。言い換えると、思念が伴わず、強い願いの連続がないということです。
では、心の集中は実際にどうするのでしょうか?
これはもちろん「瞑想」あるいは「祈り」を用います。そして、その願いを、心下意識(アラヤ)の中へ送り込む作業に日夜怠りなく励むのです。
さらに、ゆったりとしたリラックス感の中で、すでにその願い事が成就・達成された情景をありありと想像することが、最大の秘訣です。
[出典:唯心円成会発行 会報Enjoh 第380号 2016年8月号]