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あおいゆの
2018年3月23日 10:32
同窓会の案内が届いた時には、正直驚いた。間違いかと思った。中2の夏に、父と母が離婚した。ぼくは、母と一緒に母の実家に住むことになった。そこは、おそろしく閉鎖された世界だった。母は、「ここから逃げ出したかったのに、また戻ってくるなんて」そう呟いたのは、忘れられない。街からそれほど離れているわけではない。街まで通勤している人がほとんどだ。通えない距離ではないことで、ずっとここ
2018年3月26日 14:00
図書室で遭遇した彼は、不意につぶやくような声を発した。「それ…。」初めて聞いた彼の声、いや、初めてわたしに向けられた彼の声は穏やかで、なんとなく緊張した。でも、緊張している自分が恥ずかしくて、なんともないようなフリをする。「なあに?」ぶっきらぼうに聞こえなかっただろうか。声がうまくでないような気持ちになる。「ぼくが今読んでいる本の続編なんだ。」本の背表紙に指を伸ばしなが
2018年3月27日 10:42
彼女に本を貸した。数日後には読み終えたと言われた。続きが気になると言われたけれど、もう夏休みになってしまう。きっと彼女は、ぼくと話しをしていることも、他の人には知られたくないのだと思う。だから、提案をしたんだ。橋を渡った川の向こうの神社で待ち合わせをするのはどうか、って。3時に待ち合わせをした。川の向こうに神社があることは、なんとなく知っていたけれど、どんなところなのかわからな