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ゼルダの紋章のペンダント: 感動は文章では伝わりにくいけど : 買ってよかったもの2024

私には、日本に甥っ子と姪っ子がいますが、フランスにも「甥っ子と姪っ子」がいます。
「今年買ったもの」で一番心に染みるのは、ゼルダの伝説の紋章の、銀のペンダントです。フランスの「甥っ子と姪っ子」との、大切な思い出が詰っています。

もう10年以上、夏至の季節にフランスで開催される同じ展示会に、私は行っています。
正確には、ドイツとの国境の少し向こう側、フランスのアルザス地方です。この展示会はとても小さな村で開催される、ヨーロッパで最大級のミネラルやジュエリーの展示会です。

小さな村での開催なので、おそらくこの地域全体にとって1年で最大のイベントで、いわゆる「村の書き入れ時」という様相で、むらのひとたちは総出でイベントに携わっています。
その村に住む人達の人口というのも爆発的に増えるわけではないので、10年以上も行っていると、会場のセキュリティーや出入り口で入場券をチェックする人たち、近所の市場や屋台を出している人たちもいつも同じ、なんとなく自然と誰もが顔見知りになります。

私達が出展しているブースの近くには、若いご夫妻が運営するフラムクーヘンの屋台が、毎年同じ場所にあります。とても働き者なご夫妻です。
フラムクーヘンはアルザス地方の「ピザ」のような食べ物ですが、ピザよりも軽く、私はランチでこの地方のフラムクーヘンを食べるのが好きです。
この若いご夫妻には、お子さんがお二人いらっしゃいます。兄妹以前はよちよちとその辺を駆け回っていましたが、少し前からお兄ちゃんの男の子のほうが、注文をとりにくるようになりました。なかなかしっかりした少年です。
年齢を聞いたらもう9歳になったとのこと。学校楽しいかい、学校で嫌なやつがいたらおばちゃん(←私)に言うんだよ、とあたりさわりのないことを何気なく話したら、彼は日本のアニメやゲームが好きだとのことでした。

息子くんとお話をしたことが気になったのか、次は少年のママと妹ちゃんが私共のブースに来ました。夕方には兄妹のパパからハムとチーズが届きました。
どんなきっかけだったかは曖昧ですが、あれよあれよ言う間に「顔見知り」からこのご家族と私はとても仲良くなりました。
そして、少し寂しくなる展示会の最終日、この少年が私に絵を描いてプレゼントをしてくれました。彼が大好きなゲーム「ゼルダの伝説」のリンクとゼルダの紋章の絵です。嬉しかったなぁ。
とても上手に掛けていて、この嬉しさ、感動を私の拙い文章では表しきれません。兄妹で何度も何度も私の元に来てくれて「いやいやそんなに毎日はフラムクーヘンは食べれないよ」などと言っていた自分が、恥ずかしくなります。

このご夫妻とお子さん方と、私はこの夏、とても仲良くなることができました。仕事以外でこの地域に来ることは、私にはまずないのですが、来年もまた会おうね、と何度も何度も兄妹で言ってくれるのです。また来るよ、私は君たちの日本のおばちゃんだからね、また来るから。というと、二人して泣いてる…なんでだろ。私も涙がでる。

それから何ヶ月か経ち、私はオンラインでゼルダの紋章の形のペンダントを見つけました。フランスの少年の絵はとても上手に描けてると、あらためて思います。
たまにこの兄妹のママと私はメッセージでコンタクトがあるので、先日は少年の絵と私のお気に入りのペンダントを並べて写真に撮り、送りました。
今度は妹ちゃんも、ゼルダの紋章を描く練習をしているようです。かわいいな。
私もゼルダの伝説は大好きで、クリアした今もたまに遊んでいます。そして、いつも彼らのことを思い浮かべます。

実用的なもの、あると便利なもの、そんな買い物が多い中、ゼルダの紋章のペンダントは、私にとっては心を繋ぐシンボルとして、今年買ってよかったもの、心の一番です。


宝物の絵と同じペンダント





#買ってよかったもの   #2024  #ゼルダの伝説

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