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日常

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レコードのA面B面のような人生を

レコードのA面B面のような人生を

仕事のお昼休みのときによく、今日は何して過ごそうかなあと考える。
晩ご飯はそこそこ適当に、帰ったら何観よう。何聴こう。ひとつにはまるとそればかりになるからちょっと違うものにも目を向けたいとふと考えつつ、帰りがけに買うもののメモを起こしていると、先日綴ったメモを見つけた。

昨夜、叔父から唐突に電話がかかってきた。父方の兄弟の中で一番仲がいいと言っても過言ではないくらい可愛がってくれている人である。

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眠る前の麦茶とクーラー、夏の終わり

眠る前の麦茶とクーラー、夏の終わり

日記っぽいものを綴り始めて、三日目。

元々描くことも綴ることも好きな性分で苦ではないけれど、忙しくなってきたり日々の生活をこなしていたりするとたまに置いてけぼりにしてしまう。
そんな時、決まった魔法みたいな言い訳がある。「忘れてた!」さすがにちょっと白々しい感じだ。もう使いたくないな、と思っていたところで。だから短くてもいいから、毎日それなりに綴っていきたい。書き出せばなんとでもなると思ってる。

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青い私と美味いビール

「ちゃんと美味い飯食えてんのか」

少ししゃがれた声が電話先で優しく響く。脳裏に浮かぶ笑顔はいつもどおり快活で、豪快だ。
私の父の昔からの口癖だ。今日の飯はどうだった、とほんの少しの心配も含めてよく鼓膜に届いたものだった。いつも濁して「うん」と答えるのが癖になっていたのが後ろめたくて湿っぽい。

東京へ出てきて9年目。ワンルームへ引っ越した当初は期待に胸が膨らむばかりだった。あの頃はとにかく青くて

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紙を押さえる文鎮の方が仕事をする

紙を押さえる文鎮の方が仕事をする

「雨だから」と思ってビーサンをひっかけ、写真を撮りに出かけた。

どこへ行こうか。16時に郵便物の受け取り指定をしてしまったためそれまでに帰らないとならない。iPhoneの電源ボタンを小気味よく押した。13:23。ささっと沿線を歩くことにした。

それならば、と。近場で閉園してしまった遊園地があったのでそこに出向いてみた。好きなミュージックビデオに出てきた場所であり、自分自身も馴染みのある遊園地だ

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