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アニメ『チ。━地球の運動について━』感想

みなさんこんばんは。
ついに始まりましたね。
『チ。━地球の運動について━』
先日、1話2話が連続放送されました。
今日は、こちらの感想について語りたいと思います。

この物語の主人公は、不幸な生い立ちにより、合理的な生き方を好む少年ラファウ。その少年と地動説を研究するフベルトが出会う事から、物語は大きく動き始めます。

地動説とアリスタルコス

地動説とは、地球を含むすべての惑星が太陽の周りを回っているとする学説で、16世紀にコペルニクスが提唱し、後にガリレオ・ガリレイが支持しました。また、フベルトのセリフに登場するアリスタルコスは、歴史上に実在します。

アリスタルコスは、生没年が紀元前310年頃から紀元前230年頃とされる、古代ギリシャの天文学者および数学者です。

日本の卑弥呼がいた弥生時代や中国の三国時代ですら紀元後(3世紀頃)なので、それよりもずっと前ですね。そんな時代に宇宙の星の配置を研究していたなんて。

アリスタルコスは、地球が太陽の周りを公転しつつ、自転もしているという考えを最初に提唱したとされています。
いわば、太陽中心説(地動説)の先駆者!
アリスタルコスの学説は、後にコペルニクスによって再評価され、近代天文学の基礎となりました。
アリスタルコスすごすぎる。

現代では常識となっている地動説ですが、地球を宇宙の中心とする天動説が常識の時代では、異端者の研究とされていました。ガリレオ・ガリレイの時代でさえ、宗教裁判が行われています。

もう、キケンな香りがプンプンしますね。

フベルトの覚悟と目的

フベルトは、1話の登場シーンから、存在感がすごい。拷問による顔の傷も痛々しい。

フベルトは、ラファウに「目が弱った」と言っています。
視力が落ち、釈放されても研究が続けられないことを悟った彼は「このまま獄中で死ぬ訳にはいかない、その前にやらねばならないことがある」そう判断し、改心したと見せかけて釈放されることを選んだようです。

『Dr.STONE』でも、強く感じましたが、研究者という存在は、常に未来へ成果をつないでいますよね。
現在の文明は、何百年もの研究成果の積み重ねで、途中の研究が1つでも欠けていたら、現在の成果はなかったかもしれない。受け継ぎ、そして、またつなぐ。

つまり、出獄したフベルトの目的は、自分が研究を続けることではなく、「研究をつなぐ」ことだったんですね。

しかし、フベルトの覚悟を知らないラファウは、手伝えと言われて不満で一杯です。そのまま決別かと思われましたが、「天文」の魅力に負け、フベルトと行動を共にします。

満天の星空の下、1話ラスト。
天文を学び続けてきたラファウが、フベルトの言葉を理解する瞬間、演出も含め素晴らしかったです。
物語冒頭でラファウが言った「合理的なものは美しい」という言葉が伏線になっていました。

真実の追求

真実を追求することが罪になる時代。ラファウに怖くないのかと聞かれたフベルトは「怖い」と答えました。それでも、追求することはやめられない。追求することをやめる、怖くない人生を生きることは「本質を欠く」といいます。

「この世界は美しい」というフベルトは、その美しい世界を知ることこそが、生きる意味だと言わんばかりです。

観測を終え「今までありがとう」と言って去るフベルト。
このとき交わされたフベルトとラファウの会話には、フベルトからの強いメッセージが込められていることが分かります。

「一人で研究を続ける方法を見つけた」というフベルト。
この一人が誰を指すのか。提案が何を意味するのか。一つ一つのセリフがすべて、フベルトの希望を示しています。

2話のラスト。馬車に乗りこむ際のフベルトの言葉には、深い満足感が漂っていました。

ラファウにとって重要なエピソードである、この2話が連続放送になっていることで、しっかりと世界観と目的が定まった印象です。

来週に期待

久々に考察したくなる作品に出会いました。しかも2クール25話とのこと。原作が8巻で完結しているようなので、最終話までアニメ化されそうですね!

 もし、最終話までが無理だとしても、ある程度まではアニメ化されるのかなと思います。
どのように展開するのか、原作未読のため非常に楽しみです。じっくり視聴したいと思います。


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