秋がやってきた。キンモクセイの2面性とノブドウの多様性の話。
こんばんは、青井です。
今回のスケッチはキンモクセイ、ノブドウを中心に描きました。
これまで、30日間チャレンジ以降のスケッチは
『つぶやき』として簡単に投稿するのみでしたが
今後は備忘録を兼ねて
そのスケッチをした時に感じていたことやその
モチーフにまつわるお話を一緒に綴っていければと思う。
お付き合いくださる方は、どうぞよろしくお願いします☻
▶︎キンモクセイの2面性の話
私の中で真っ黄色のイチョウ、真っ赤な紅葉などは
すっかり秋も深まって
冬の入り口が見え始めたことを感じさせてくれるもの。
だけど、キンモクセイは秋真っ只中のものというより
秋がやってきたことを知らせてくれる存在だと感じています。
枝いっぱいに咲くキンモクセイの花を見ながら
あの大好きな香りをめいっぱい吸い込んでいると
「いよいよ秋が来るんだ」と感じて嬉しくなる。
秋の青空の下で咲くキンモクセイの淡く明るいオレンジ色は
目にも心にも温かで、いかにも陽の雰囲気を持っていますが
個人的に一番キンモクセイの魅力を感じるのは
夜だったりします。
この辺りでは
「まだ日中は暑い時もあるけど、朝晩はだいぶ冷え込んできたね」
なんて会話をよくする時期に、キンモクセイは咲き始める。
夜、窓を開けた時
ひんやりとした空気の中ふわっと漂ってくるキンモクセイの香りは
甘さよりもどこか清々しさが立って、少し幽玄な印象さえ持っていて。
冷えた秋の夜の空気があって初めて成り立つような
あのキンモクセイの香りが本当に大好きだ。
それにはいつも、うっとりしてしまうと同時に
どんなものにも色々な側面があるのだなぁ
なんて感じ入ってしまったり。
キンモクセイの色々な側面といえば、これもそう。
キンモクセイはたっぷりと枝に花をつけるけれど
その花は驚くくらい簡単にぽろぽろと落ちてしまう。
せっかく満開の時期を迎えても
丁度その頃、秋の雨が降ったりもするので
翌日には沢山の小さな花が地面を埋めていたりする。
でもそれがまた、秋の風情を感じさせてくれるものでとても好き。
▶︎ノブドウのもつ多様性の話
見つけた時には、毎度ハッとさせられるくらい
ノブドウの実は色鮮やかで、変化に富んでいる。
見る度
「食べたら寿命が伸びそう…」だとか
「ファンタジーの世界に生えていそう…」と思ってしまう
なんだか現実離れした美しさ。
そのカラフルな見た目で毎年私を感動させてくれるノブドウだけど
スケッチをするようになって観察眼が鍛えられたのか
この秋は、これまでとは違うノブドウの面白さに気づいてしまった。
それが、葉っぱ。
庭の片隅に生えていたノブドウと
道路脇にぶら下がっていたノブドウで
葉っぱの形が全然違っていることに気がついた。
若い葉が成長するにつれて形を変えていくものはよく見るけれど
ノブドウに関して言うと
・葉先が分かれないもの
・3つ分かれるもの
・5つに分かれるもの
と、株ごとに大体の葉の形が決まっている気がする。
調べてみると、ノブドウは元々変異の多い植物で
あまりに切れ込みの深い葉のものは
『キレハノブドウ』と呼ぶこともあるようです。
植物の種類を調べる時、葉っぱの形を手がかりにすることも多いのに
ここまで変化に富んでいると
手がかりとしてはあまりあてにできないな🧐
でも、今年はこれまで知らなかった
ノブドウの一面を知ることができて嬉しかった。
実の色だけじゃなく、葉っぱまでいろいろ。
それがノブドウ。
本当に美しくて、興味深い植物です。