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こんな番組ありそう | 映画「悪魔と夜ふかし」感想

 上映予定の映画をチェックしてたら、予告編が面白映画センサーに引っかかって、この映画は見に行こうかなと思っていた。そんなに期待されていない映画だからなのか、映画館で予告編を見たことはなかった。4日の金曜日辺りからめちゃくちゃポジティブな感想が流れてきたので、いよいよこれは見に行かなければと、映画館へ突撃した。

あらすじ

1977年、ハロウィンの夜。テレビ番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイは生放送でのオカルト・ライブショーで人気低迷を挽回しようとしていた。霊視、ポルターガイスト、悪魔祓い……怪しげな超常現象が次々とスタジオで披露され、視聴率は過去最高を記録。しかし番組がクライマックスを迎えたとき、思いもよらぬ惨劇が巻き起こる―。

公式HPより

感想

 思っていた以上に面白かった。映画って忘れてしまうほど普通に入り込んでしまった。めちゃくちゃ面白かった。気になっていた人はすぐに見に行ったほうがいいレベルだと思う。ボクの中では今年トップ5に入れてもいいぐらいには面白かったし好きだった。

本物のテレビ番組のような感じ

 1970年代のアメリカのTVを実際に見たことがあるわけではないけれど、なんだか、とても懐かしい感じのする雰囲気があったよね。昔の映像特有のボヤけた画質だったり、登場人物のファッション、髪型、セットとかいろんなところのデザインの感じとか、昔のテレビ番組感が伝わってくる。タバコを非喫煙者の前でスパスパ吸ってるのも昔感ある。

 番組の形式としては生放送のトークショー。ゲストを呼んでトークしたり、なんか企画があったりするんだろうね。日本だと「いいとも」が近いのかなあ?時間が深夜だから違うかな。ボクより年上の人ならもっと適切な例えができそうだけど。その辺は詳しくない。

 とにかく、本物の昔のテレビ番組を見ているような気にさせられる映画だった。映画館でスクリーンを見ているのにテレビ番組を見ている気になる。それぐらい本当にテレビ番組っぽく作られている。つまり、映画に入り込むほどよく出来ている。

ハロウィンのオカルト特番

 映画では普段とは違うオカルト特番という形式になっている。まあ、日本でもよくある感じの特番だね。最近はないけど。人気低迷する番組に一発逆転狙おうって、司会者のジャックとプロデューサーが躍起になっている。(なんでオカルト特番で一発逆転できると思っているのかよくわからないけれど)

 で、一発逆転を狙った意気込みで出てくるのが、インチキ霊能者だっていうのが面白いね。この霊能者は観客の身内の霊と交信するタイプ。いわゆるコールドリーディングと、ホットリーディングを駆使するインチキで、まあ、誰が見てもバレバレって感じだった。でも、なんかそれがいい味出してるんだよね。なんかよくわからん霊能者が、堂々とテレビに出てくる。もうテレビでは見ることのできない光景。いいよね。

 もちろん、インチキ霊能者は人を騙して稼いでるロクでもない存在なんだけど、胡散臭さという点ではこういうタイプの人種にしか出せない味があるよね。オカルト番組というものが存在するためには必要なスパイスだと思う。

そして現れる本物

 インチキ霊能者で程よく盛り上がったところで流れるビデオ。悪魔を崇拝しているようなカルト宗教みたいなのがあって、そこで育てられた子が救出された。その子は悪魔に取り憑かれているらしい。そして、今は研究者と一緒に暮らして、悪魔との対話を試みている。

 その悪魔憑きの子リリーと、研究者の女性がゲストとして出てくる。当初はリリーと研究者とトークをするだけのハズだった。だけど、なんか盛り上がって、実際に悪魔憑きとの対話のパフォーマンスを生放送で見せることになる。ここから映画は悪魔の出現によって、段々と番組が混乱し始め、めちゃくちゃになっていき、最後には破壊的な結末を迎える。

 破滅を招いたのは視聴率を欲した司会者のジャックなので、その悲惨な結末については因果応報だよね。まあ、そこに至るまでに放送事故っぽいトラブルが続出して、見ていて面白かった。引き込まれた。

司会者がうますぎる

 とにかく、ジャックがこういう司会者いそうって感じがすごいよね。登場した後の一人しゃべりとか、出演者いじり、観客いじり、ゲストとのトーク運び、トラブルが起きたときの対応、舞台裏の本当の顔とか、もちろん台本通りに演じてるだけなんだろうけど、この司会者は実在するっていう雰囲気をすごい出している。

結局なんだったの?

 リリーに取り付いた悪魔はジャックのことを知っていた。ジャックには心当たりがなさそうだったが、一応、映画内で話が出ている。ジャックはセレブなどが参加している新興宗教みたいな集団に入っていた。その集団は森の中で儀式をする。願いを叶えてくれるような儀式らしい。

 そこでジャックは視聴率を取りたいと願った。その結果、突然ジャックの嫁が末期ガンになり、その嫁を番組に出演させることで高視聴率を得ることができた。これに関わったのが、リリーに取り付いていた悪魔だということなのかもしれない。

 そして、ジャックは今回も視聴率欲しさに悪魔を番組に出そうとして、最終的にその悪魔にめちゃくちゃにされて破滅した。まあ、この辺の真相は割とどうでもいい感じではある。偽物の番組を楽しむのがこの映画のキモだから本質ではないと思う。

おわりに

 どこまで楽しめるかは人によると思う。こういうのが好きだったらめちゃくちゃ刺さる映画だと思う。Twitter(Xとは言わない派)で誰かが、この映画はテレビで見たほうがいいと言っていたが、まさしくブラウン管テレビで見るとハマるんじゃないかと思う。舞台裏のシーンをカットしてCM流したら、もっとテレビっぽく見えるので、そういうエディションも見てみたい。


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