クリエイターの特性(速度型と品質型)
特にエビデンスはなく独自の考えです。
おぼろげながら最近感じていることを、少しずつですが言語化していこうという試みです。
モノヅクリにおいて、特に事業として商品を作る場合、必ず納期があります。
そのため、よく現場では速さと品質が天秤にかけられます。
特にゲームは面白さという品質が定義しづらく、もう少し調整する時間がほしいけれども納期が……なんて会話があるあるで起こります。
「うまい、やすい、はやい」は理想だけれども、なかなかうまくいきません。
(※QCDを実践できている吉野家さんはすごい)
とはいえ、納期にあわせて品質を疎かにするというのは取りたくない選択肢だと思います。
では、どうすればいいか、というのが本題です。
結論としては『分業をする』です。
ただし、分業の仕方にポイントがあると思っています。
職掌で分けるといった技能の役割区分以外にも、私は当人の性格特性で分けてみるのはどうかと考えています。
性格特性で分けるとはどういうことかというと、
ざっくりとクリエイターの行動を二分化すると、『速度を重視している方(とりあえず行動してみる型)』と『品質を重視している方(じっくり考え良いアウトプットを出す型)』がいると感じています。
これはどちらが偉いということではなくタイプの違いで、ビジネス寄りの思考の方は速度寄り、アーティスト寄りの思考の方は品質寄りな印象を受けます。
私はどちらかといえばビジネス寄りの思考なので、速度型の気持ちが語りやすいのですが、どういう思考をしているかというと
▼速度型(広く浅く)
・満点をとるのではなく、及第点をとれればよい
・ひとつひとつの労力は抑え複数のものを同時に動かしたい
ちなみに、アーティスト寄りの方は
▼品質型(狭く深く)
・満点を取りたい
・ひとつのことに集中したい
なのではないかと想像しておりまして、繰り返しになりますが、どちらが良いという話ではありません。
さて、それでは、この速度型と品質型をチームとしてはどう組み合わせていくかという話ですが、速度型を矢面に立たせて、現場を複数の品質型で固めるというのが最も良い形になると考えています。
文字ですと想像しづらいかと思いますが、簡単にいえば、速度型は事業を見る責任者にしてしまえば良いという話で、リーダーがたくさんいると船頭多くして船山に上るになるので少数で良いという考えです。
そして大規模な組織であれば、リーダーが一人駆け足でいってしまうと現場とのギャップが生じますので、間に入るマネージャもいるとベターです。
と、組み立てなおしていくと、結果として一般的な組織ができあがるのですが、ゲームの業界で言うと
プロデューサー:事業責任者(速度中心)←意思決定はこちらがもつ
プロマネ:↑↓の間を取り持つ「まあまあお二人とも」ポジション
ディレクターwith現場:品質責任者(品質中心)
になります。
で、結局何が言いたいのかというところに戻るのですが、
速度型のクリエイターってあまり目指す人が少ないんですよね。
抵抗感があるというか、BtoCで褒められるのって品質型のクリエイターなのでみんな品質型のクリエイターに憧れる。
ただ、実は速度型でさらに品質型にうまいパスを出せる人が最も市場では求められていると思います(数が少ない&目指す人も少ないので)。
うまいパスというのはどういうものかというと、「作り手の創作意欲を刺激する、未完成のレシピ」です。
(※ここがまだうまく言語化できていないです)
どういう状態になるとベストかというと
受け取った側が「みちゃいられない、これは私が助けてあげないと」と行動に起こしてくれる状態です。
最終的にはチームでアウトプットを作り上げるので、バランスの良い組織は速度型にも品質型にも優秀な人が揃っています。
品質型のクリエイターを目指している方は、ぜひ速度型の優秀な人と組んでみてください。
ちなみに見分けるポイントを最後に述べますと
・事業の成功ファーストの人(=それがかなわないと結果としてみんなが不幸せになってしまうから)
・課題を解決しようとしている人
・他の人の成功を心から喜べる人
・でも、あまりモノヅクリはうまくない人
です。
あいつモノヅクリまじ下手だなーという観点だけでみてしまうと、その人の良さがみえてこないかもしれませんので、ぜひ上記のような視点でもみていただければ幸いです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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