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しゃけ音楽会のBOSS

息子が産まれてからはじめて、
フェスに行った。

行けたのは1日目だけ。
THA BLUE HERBに会いに行った。

素晴らしかった。

天気にも恵まれて、
風がなくあたたかく穏やかで、
夕暮れどきでも刺すような寒さがなく、
柔らかい夏の匂いがする。
会場の装飾も可愛かったし、
みんな楽しそうですごく雰囲気が良い。
出店していたお店で買った
しゃけサンドとうどんがとってもおいしかった。何より、BOSSに会えた。

はじめてTHA BLUE HERBに出合ったのは、
2016年のライジングサンである。
深夜のレッドスターフィールド。
わたしは当時、別のステージを見たかったのだが、
旦那の熱意に押されて一緒に見に行った。
BOSSが登場したときの圧倒的な存在感。
「ホンモノ」って、こういうことなんだろうか。
何度目かのライジングサンで、いちばんの衝撃だったステージだ。
言葉が体にストレートに響いてくる。
その日だけのステージ上で紡ぎ出される言葉がある。
サウンドもカッコ良い。

次にステージを見たのは2019年のライジングサン。
とにかく近くで見たくて、
前の演者が終わってからすぐにレインボーシャングリラに入り、ステージ前で並んだ。
前から2列目くらいで見ることが出来た。
長く勤めた会社を辞める決意をするとき、不妊治療中、何度も聴いて背中を押してもらったAND AGAINを、間近で聴くことができた。

そして2023年。
2歳になった息子を連れている。
いつも18時には寝てしまう息子もステージ開始の19時まで頑張って起きていたが、
ステージ開始直後、爆音の中眠っていた。
息子を抱っこした旦那と一緒にステージに向かいあう。
たくさんの観客がいるけれど、BOSSの言葉は
一対一で、わたしだけに語りかけてくれるみたいだ。
いままで良くやってきた。
自分を褒めて労おう。
そして
ただ前だけを向いて進みたいと思う。
今、BOSSと向かいあう、この瞬間の尊さを感じる。

51歳のBOSS。
わたしは2016年からその魅力を知ったのだけれど、20年以上ファンである旦那が羨ましい。
カッコ良い人は、
歳を重ねるほどに、さらに強く優しくなっていくんだな。
そして周りへの感謝を言葉にしてくれる。
小さな子どもも多かった会場で、
BOSSはチビッコたちにも感謝の言葉をくれた。
息子、良かったね。

ステージの終盤、後ろのほうからありがとう、と観客の大きな声がした。
ほんと、そのとおりだ。
BOSSありがとう。
O.N.Oありがとう。
DJ DYEありがとう。
最後まで笑っていたいからわたしも頑張る。

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