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(育児日記)ある連休前の一日

朝、旦那が出勤前に息子を散歩に連れて行ってくれるという。
そのすきに、身支度も、たまっている家事もしたい。
前のめりで、慌てて着替えさせたそのとき、息子の目にわたしの指が入ってしまった。
ふだんころんだりぶつかったりしても、あまり泣かなくなった息子が痛かったあ、と泣く。
目が赤くなり、まぶたにもちいさな傷がついている。
大丈夫だろうか。
しばらく授乳して落ち着くと、とりあえず元気に散歩に行ってくれた。

食器を洗いながら考える。
今思えば別に焦ることはなかったのに。
焦るとあまり良いことはない。
一昨日は料理中に冷蔵庫を開けていた旦那の指を冷蔵庫に挟めてしまった。

散歩から帰り、旦那が出勤したあとも、
特段息子は普段と変わった様子はないが、まだ目は赤い。
目をお医者さんに診てもらったほうが良いだろうか。
大丈夫だとは思うけれど、ネットで調べてしまうと、色々心配になってくる。

姉にLINEで相談してみる。
きっと大丈夫だと思うけど、連休前だし、
一応安心のために連れて行ったら、と明るいトーンで返してくれる。
姉はいつもわたしの気持ちに寄り添ってくれる
天才である。

大袈裟だと思われるかもしれないけれど、後から後悔するよりずっと良い。受診しよう。

今日は午後から息子の歯医者の予約がある。
医者続きというのもかわいそうだ。
ぐずるだろうけど、
今日病院に行かなかったら明日からは連休だ。

昼寝をして昼ごはんを食べたあと、
先ずは予定通り、歯医者に行く。
子ども用のスリッパを履いてすたすた歩く息子を見て、3ヶ月ほど前に同じ歯医者に来たときより格段に成長していることに気づく。

最近、歯ブラシを口に入れると噛んでしまい、
口を開けるのも嫌がっていたのだが、
歯医者さんの指示どおり口を開けたり、
フッ素を塗ってもらったり、
泣かずに頑張っている姿に感動してしまった。
普段しっかり磨けていないので心配だったが、
歯の様子も変わりなく、奥歯も磨けていると言われ、胸を撫で下ろす。

頑張ったね〜、と言いながら診察室をでる。
たまたま、わたしたちのほかには誰もいない待合室。
受付のかたが話しかけてきてくれた。
「成長したね。おしゃべりも上手になって。
お母さんも頑張ってる。
わたし、怒ってばかりだった。
毒親って言葉はわたしのためにあるような言葉」
わたしは受付の方の顔を見つめた。

いつも予約のときも受付のときもてきぱきと感じがよく、
そして温かい挨拶をしてくれる、
ショートカットの似合うきれいなかただ。
「え、そんなふうには見えません。」
「ほんとうよ。お母さんは頑張ってる」
嬉しかった。
そして、その言葉は、お世辞ではなく、ほんとうにそう思ってくれているように誠実に響いた。

「そんなふうに言っていただけて嬉しいです。
…今朝、着替えさせるときに息子の目にわたしの指が入ってしまって。大袈裟かもしれないけどこれから病院行こうかと思ってるんです。」
「あら、そうなの。きっと大丈夫よねえ。
どこの病院に行くの?」
「そこの新しくできた薬局のビルの上の。」
「ああ、わたしも案内みたことあるけど、良さそうな所ですよね」
「はい。ちょっと行ってみます」
「はい。お気をつけてね」
「ありがとうございました」
「お大事に」

不安だった気持ちが晴れていく。
誰かに頑張っている、って言ってほしかったのだ。
みんなみんな自分の人生を頑張っているし、
なかなか褒めてもらうことはない。
認めてもらうって嬉しい。
喜んだ勢いにのって、はじめて息子を眼科に連れていく。

たまたま時間帯が良かったのか、
眼科もすいていて、
すぐ診てもらえた。
あのアゴつける機械とか2歳児には無理なんじゃ…と思ったが、
機械が進化しているのか、アゴをつける機械は登場しなかった。
お医者さまも助手のかたも子どもの扱いに慣れていて、
ぬいぐるみをつかいながら診てくれる。
赤くなっているが、目に傷は無いと言われて
ほっとする。
生まれつき息子の白目にあった黒い線のようなものもついでに診てもらい、
よくあるシミのようなもので、
気にすることはないと言われ、ひとつ不安が消えた。

YouTuberのカジサックの奥さま、ヨメサックが可愛くて優しくてわたしは大好きなのだが、五児のママのヨメサックが、「ママは孤独だから」と何かの動画でぽつりと言っていた言葉がずっと心にある。
五人も育てている彼女さえ、そう思うんだ。
じゃ、わたしがそう感じるのも不思議じゃないな。そう、励まされてきた。

なんで孤独なんだろう。
やっぱり、結局自分で決めるしかないからなのだ。目の前の大切な息子についての色々な決断。
もちろん旦那は相談にのってくれるし、大きなことは話し合って決めるけれど、
専業主婦で、いつもそばにいる自分が決める事が圧倒的に多い。
毎日の遊びから食事の内容。昼寝の時間、習い事、幼稚園選び。
怪我や病気のケア、病院に連れていくのか様子をみるか。病院ならどこへ連れていくか。

はじめての育児はわからないことがたくさんあるけれど、いちいち友人や家族にきくようなことではないし、と思うような決断が毎日ある。
そして、わたしだけではなく、この世にいる全ての人が、育児の有無に関わらず、
毎日色々な決断や判断をして生きているのだ。

孤独を感じるときもあるけれど、
困ったらまず診てもらえる病院がある。
相談できる家族や友人もいる。
どこかでこのnoteを読んでくださるかたもいる。
何が正解かはわからないが、
自分でまず考えて、これからも最善と思われる道を選んでいきたいと思った。

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