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詩「パスワード」「白竜と夜光」「refrain」 colony vol.4 展示作品
「******」という
あなたの言葉が この世でみつけるべき答えの一つだった。
モンスターの血を持つわたしには言葉の持つ力はすさまじくたったひとつの言葉で長年の病が治るようだった
ずっと欲しかったの
わたしの中の秒針がひとつ進み
ようやく愛を信じることができる
どれほどのことを成し遂げたのか
あなたはきっと気づいていない
どんなに嬉しかったか天国の待ち合わせ場所で打ち明けよう
生まれ変わった
一つ眼モンスターと朝焼け
突然、わたしは一つ眼モンスターの生まれ変わりだと理解した
正確には、もうひとつの世界でわたしは一つ眼モンスターとして生きているだろう、とわかった
脳裏には、深い森で膝を抱えてうずくまる毛むくじゃらの怪物が浮かんでいた
あなただったのね
こんなにも朝焼けに憧れるのも 誰かの体温が恋しいのも 女の子とは思えない毛深さなのも 乱視で世界が歪んで見えるのも
全部
あなただったのね
わたしの魂が輪郭
「てんとう虫」「ともだちのこいびとさま」
てんとう虫
「美」とか「愛」がつく名前の女の子は ちゃんと名が体をあらわしていて 笑顔がかわいくて あかるくて 人気ものだった わたしは体操服がきらいで 肌をひかりにさしだして 健康ですって おひさまに示さなきゃいけないみたい まわりの子がしろくてつやつやでやわらかな肌を 惜しげもなく見せつけているあいだ わたしはパーティーに迷い込んだ野良猫みたいに すみっこで てんとう虫を目で追っていました