指切りげんまん

体が溶け合うほどのどろどろのセックスをして、
私のものをあなたの中の奥深くまで潜り込ませても、
ことが終わればあえなく抜け落ちて、
重なった体もやがて離れてしまうから、

あなたは息を沈めながら名残惜しそうに、
私の指に自分の指を絡ませてくる。

その絡み合いを楽しむように、
自分の指で私の指をもてあそび、
それが先ほどまでの二人の体のもつれ合いにも見えて、
それもまた心地よい。

そんな指の遊戯をしていたら、
あなたの小指が私の小指に引っかかり、
指切りをしているようなかたちとなって、
あなたはしばし、その指を眺めていたら、
急に自分の唇を寄せて来て、
私とあなたの小指が交わっているところを、
カリッと噛みついた。

それは
二人の小指を縫い合わせてしまいたいように。
約束の小指がほどけないように。

その時の二人の約束は、
きっと言葉にしなくとも伝わり合っている。

それはきっと、
「ずっと一緒に」

絡めた指を縫い合わせて離れられないように、
約束がずっと守られるように、

あなたはさらに二人の小指に強く歯を立てる。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ます」
という呪文を唱えているかのように。