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小説喫茶室

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限りなく実話に近いフィクション、とあるちいさな町にある喫茶店。特別なことは、何も起こらないはず、だった……。
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#店員

ラストオーダー

ラストオーダー

「お客様、ラストオーダーのお時間となっております   が、ご注文は以上でよろしいですか?」
ギャルソンエプロンを腰に巻いたホール係の店員が、
ひとつひとつのテーブルを巡って行く。
……ああ、もう、そんな時間か。
客は、時計に目をやる。自分の腕時計をチラッと一瞥する客、店内の大きな柱時計の針先に目をやる客。
「もう、閉店かね?」と店員に尋ねる客。
「いえ、閉店は夜8時となっております。ただ、ご注文を

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