ふさふさ

うつ病ぶり返して自宅療養中です。

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  • 小説喫茶室

    限りなく実話に近いフィクション、とあるちいさな町にある喫茶店。特別なことは、何も起こらないはず、だった……。

最近の記事

ふーん。だから?

ラッシュアワーより少し早めに家を出て、 勤務先の最寄り駅近くにあるこじんまりとした喫茶店でホットコーヒーを飲み干す。 それが朝の儀式。今日もいちにち働くぞ。 ご老人は朝が早い。 目覚めの一杯は、馴染みの店でと決めている。 「いつもの」と言えば、目の前に運ばれてくる。 コーヒーにプラス60円でトーストとゆで玉子付きの モーニングも注文出来る。バターかジャムを塗って貰う。何も言わなければバターだ。ジャムのお客は常連で顔ぶれは決まっているので、手練れのホール係は客を見ればわかる。皆

    • 生きて行くんだ

      誰かのためにでなく、自分のために。 どうしたって、自分のことを卑下するか 或いは買い被りがちだけど 今はここが自分の位置。 世間の目なんて知ったこっちゃあ、ない。 どう思われてようとそんなことどうでもいい。 この世はすべてフィクション。 そう捉えると、見方が変わってくる。 いろんな角度からものごとを見る。 絵を描くとき、よく使われる言葉だ。 ティッシュの箱がわかりやすい。 考え方だって、自分目線、相手目線、 本音目線、建前上目線、立場上目線。 あなた

      • あなたは誰。

        簡潔に行きたいと思う。感情に流されないように。 わたしが心療内科を訪れたのは今から23年前のことだった。何度も病院を変えた。薬も変えた。 誰もが知る国立大付属病院の精神科医師にも会った。 どこに行っても大量の薬を渡された。 そして症状は一向によくならなかった。 副作用でかえって苦しむばかりだった。 そんなわたしを救ってくれたのは叔母だった。 わたしのそれまで処方された大量の薬を全部捨てた。 そして、山の上にある救急指定病院の内科に連れて行ってくれた。 何時間も何時間も待

        • 知ったこっちゃあない。

          人と接するのが億劫なのは、自分自身の姿が もろに出てしまうからだ。 隠し通して知らん顔して ふふん、 どうだ、普通っぽく見えているだろう。 ぐらいにたかをくくっていても、 誰かと話すと、やべぇ、俺のこと 見透かされてるんじゃなかろうか…… 低能で傲慢で強欲で無礼千万で下品な奴だって。 だらしない身なりしてるけど、 中身はもっと屑です、どうしよう、バレてないかな。 慇懃に終わらせようとする会話は、長く続くはずもなく それじゃあ、と体よく打ち切られる。 ……

        ふーん。だから?

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        • 小説喫茶室
          3本

        記事

          LINEスタンプ出来ました。

          #くろうさぎのふうちゃん でLINEストアで検索していただくか、 [くろうさぎのふうちゃん] で、お買い求めいただけます。 まだ残暑厳しい9月後半、地域住民さんから警察に通報が入りました。 ー公園に遺棄されているうさぎがいるー 警察は保護うさぎボランティアの方たちと現地に向かいました。 小さな公園に地域住民さんたちがあり合わせの廃材などで工夫して その棄てられたママうさぎと2羽の赤ちゃんうさぎを カラスや野良猫から守っていらっしゃいました。 朝お年寄りが集まってラジオ

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          ボールの行方

          壁に向かってひとりでボールを蹴る。 うまく行くと的に当たる、しかも反動でこちらに リバウンドして来てくれる。 拾いに行く煩わしさが省けた。 的に見事当てた手応え。 充足感、達成感。 仮に的から外れてしまったとしよう。 ボールはあらぬ方角にころがってゆく。 自分で追いかけて収拾しないとどこまでも転げてゆく。 人との向き合い方も似ているのではないか。 的外れだと、意図せぬ事態を招き、回収するのに 面倒くさいことになるだろう。 でも、百発百中、的のど真ん中に的中するとは パリオリン

          ボールの行方

          青い彼岸花

          青い彼岸花

          誤作動

          どうせ、カタチあるものはすべて消えるさだめ 運命ならば、いつかはすべての事象に与えられる 不公平なき審判 放っておいても必ずみんな滅するのなら 自らそこへ飛び込まなくてもいいんじゃないかな。 それまで待ちきれない? 本当にそうかな。 そう、思い込まされているのかも。 自分の脳内物質にトラブルがありました これはイレギュラー、司令官が異変を起こしました 制御不能 暴走しかねません 応答ねがいます 救助要請をキャッチしました、 たくさんの人たちが遠隔で

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          万里の川

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          開店前の喫茶店。

          僕は勝手口のシャッターの鍵穴に預かっておいたスペアキーを差した。そのとき、肌身離さず身につけていた 浅草寺で授けていただいたお守りがポトッと僕の足元に落ちたんだ。アレ?と、思ったよ。なんか胸騒ぎっぽいものが一瞬頭を掠めた。これは用心しなさいという「おしらせ」かも知れない。僕はシャッターを押し上げ、 今度は扉の鍵を取り出す。開店前の店内。 冬の早朝。モーニングの仕込みのため、開店より30分前から作業を始めることになっている。 でも、それでは間に合わない。メインは珈琲だけど、 立

          開店前の喫茶店。

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          小さな勲章

          小さな勲章

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          人のこころと、うわのそら。

          アン・ルイスが歌っているみたいに心なんてお天気で変わる。不快指数とかめまぐるしい気圧の変化とかで 医者に罹らねばならぬほどではなかろうが、なぜか 調子がおかしい。 そうなると、平静を保つのは、かなり努力が要る。 わたしはあまり大きな声では言えないが 気が短い方だ。否、かなり短気だ。 罵詈雑言浴びて育ったせいで、言葉遣いも悪い。 言ってはいけないことも、真っ正直なのが裏目に出て 直球で言ってしまう。 我が子に昨日言われたこと、今までに何千億回とうちの子がわたしに訴え続けているこ

          人のこころと、うわのそら。

          まだ間に合う今ならやり直せる。

          まだ間に合う今ならやり直せる。

          「行かない」んじゃなくて「行けない」んだよ、本当は。

          年齢を経る毎にみんな、忘れてしまう。 自分が、昔、子どもだったことを。 なんとなく、今日は学校に行きたくないな、と いう朝がある。 理由は特に、ない。 これといった原因があるわけじゃないのに、 今日は学校に行きたくない。 そんなときは、仮病を使って「ズル休み」、 をする。 親が学校に欠席の旨を伝える電話をかけている。 担任はまだ来ていないらしく、電話口に出た先生が伝言しておく、と告げる。 二階の自室からこっそり耳を澄ませて、 心の中では万歳三唱をしている自分。 やったー!

          「行かない」んじゃなくて「行けない」んだよ、本当は。

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          アナログとデジタルどっちが好き?どっちも好き。

          アナログとデジタルどっちが好き?どっちも好き。

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          どんぐりの木

          どんぐりの木

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