アトピー湯治旅 豊富温泉に行ってきました ③ゆるみ暮らし
湯治には様々な年代、症状の方がいらしていました。子どもの頃からアトピーで妊娠したら酷くなった方や7回目の湯治という方、湯治期間も私のように一週間という短期間の方はおらず、2〜4週間の方が多そう。なかにはほとんど住んでいらっしゃる方(見た目すごく良くなっておられる)も。
「痒くない自分でいられるのはここだけ」とおっしゃってる方がいて、切なかったです・・・。そう、どこも、痛くも痒くもないって、ほんとうに当たり前のことじゃない。もう、わたしは、それだけでしあわせだ。
「豊富温泉ふれあいセンター」で最初に湯治の方法についてアドバイスをいただきました。それによると一回であまり長く入ることは推奨されていなかったのですが、入るたびに良くなっていくのが実感できたので、ついつい10分から15分入って少し休んで、を2、3回、それを一日で2回、という長風呂を敢行。それでもお風呂の温度もお湯の柔らかさも、本当に気持ち良く、湯あたりなどなく入れました。
日々のリラックス、デトックス、アーシングの場所であるお風呂は、アトビーになってから苦痛になってしまいました。傷に染みる、温まると痒くなる、出た後がまた大変。なので、ゆっくりとお湯に浸かるしあわせを身体全体でしみじみ感じながら入浴していました。
そして「ふれあいセンター」では湯治客と一般客の場所が違うので、全く見た目を気にせず利用できます。自分の地元は温泉地だと言うのにこんな体では入りに行くこともできない。今回また普通の温泉に行ける身体にだいぶ近づきました。
着いた次の日にレンタカーで6、7分のスーパーで食品を買い出しして、自炊をしていました。朝はプロテインとバナナだけなので昼と夜。それまで過食気味だったけれど、食生活のリズムがつきました。温泉は胃腸の働きも良くするし、結構身体を動かしていたし、何より入浴は体力を意外と消耗します。なのでお腹も空いたけれど、簡単に食品を買える環境ではない(少しはありますけどね)のが、かえって良かったです。普段お肉をあまり食べないけれど、胃腸の調子が良くて、ふれあいセンター食堂内の名物、エゾジカのジンギスカンまで美味しく完食。体重は少し減ってしまったけれど、きちんと食べ物が消化されていると身体も考えも軽い。
朝と夕方には付近を散歩。人口密度が低い、人の気配がないことが、私にはとても心地よかったです。美しい小川、ロシアの田舎のような建物と窓辺、木々の風の音、ナウシカになれるような広大なサロベツ湿原、お気に入りのベンチ・・・。発見するたびに嬉しくなりました。
ゆるくデジタルデトックスしてネットを見ずに、読書や日記を書く暮らしもとても良かった。いつも割とガツガツと情報を入れるのが好きなのです笑。なにせ夜9時消灯にしていたので、結構このスケジュールでも忙しかったです笑。ちなみに持っていった本は、ジルボルトテイラーの「奇跡の脳」「まぁまぁマガジン あたらしいセラピー」「右脳さん左脳さん」。とにかく「身体」の神秘に惹かれています。
ここに来れば治る、という安心感はありがたいですね。でもできることなら私はもう二度と行きたくないです・・・それでも、あの、お昼間から湯船に浸かり、太陽の光でキラキラする水面を眺めてた時間。今もあの場所でじいっと自分の体と向き合っている人たちがいる。あの場所で出会い、お話しした方たち全員治る(わたしも)!!! と宣言しておこう。
世間から離れてなんの心配もなく、ゴロゴロぼーっと何もしない、というとんでもなくぜいたくで豊かな時間を可能にしてくれた周りの人たち、そして慣れない手配をがんばってして身体を連れて行ってあげた「わたし」に、ありがとう。
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