【動画ログ】YouTube「組織崩壊を防ぐマネイジメント」を見てみた #2
今回は、PIVOT株式会社が運営するYouTube「PIVOT公式チャンネル」で配信されている「組織崩壊を防ぐマネイジメント」を、すごく勉強になったので、私なりにまとめたいと思います(*゚▽゚)ノ
1.どんな動画か
「PIVOT公式チャンネル」は、2021年6月1日創設されたPIVOT株式会社が運営するYouTubeです。令和を代表する起業家、ビジネスパーソン、クリエイターなどの「ビジネス」+「学び」に特化した映像コンテンツを毎日無料で配信されてます。
今回は、坂井風太さん(人材育成/基盤の構築支援する株式会社Momentorの代表をされいる方)をゲストに、組織崩壊を防ぐマネイジメントスキルをテーマにお話しをされています。正直、有料級のとても濃い内容で、衝撃的でしたo(。>ᴗ<。)o︎
2.要点まとめ
(1)大企業・メガベンチャーの組織崩壊の要因
まずは、大企業・メガベンチャーで何が起こり、組織崩壊へと向かうのかを見ていきましょう。
❶集まる人材の変化
①勝ち馬に乗りたい人材が増える
勝ち馬に乗りたい人(履歴書の見栄え重視または他者の業績におんぶり抱っこしたい人)が集まりやすい。勝ち馬にする人(挑戦心のある人、利益を生む人)も挑戦しずらい雰囲気があり、意欲を失い、転職が進む。
②働きやすさ重視の人材が増える
働きがい(この会社でやりたい一緒に働きたい仲間がいる)より、働きやすさ(一定の地位と給与がある)が優先される。また、転職より楽だから、会社にいるていう意識が蔓延する。特に働きがいを削ぐ原因を加速させる要因は、下記2点。
A. SNSで他人のキャリアが見えやすくなり、他人の環境がよさそうに感じる。(隣の芝生が、近くて、青い)
B. 自社の昇給より副業に時間割いた方が収入が上がるし、副業が挑戦する場となり、自社ににコミットしづらくなる。(本業がベーシックインカム化する)
③自分たちには無理感の意識の蔓延(汎用化すごろく)
①②から、人材の質や熱量が落ち、どんな新規事業に挑んでも、「自分たちには無理感」が強まり、組織の実行力が落ちる。下記図のStartから、すごろくのように、状況が変化・ループすることで、凡庸な企業への転落してしまう。(=ビジョナリー・カンパニー3衰退の5段階のうち、第3段階「リスクと問題の否認」から第5段階「凡庸な企業への転落へ。」)
③会社のPRが生む虚像の悪影響
会社が現実離れしたPR(独自の企業らしさを語り始める・優秀な人材しかいないし事業がいけてると宣伝)をして人材を集めるが、社内から見れば、PRと現実が乖離してしまう。(「GE帝国盛衰史」という本にも記載されてる危険性)
PRと現実が乖離してるにも関わらず、それを社員が盲目に信じたり(自己暗示による、柔軟性の欠如)、さらなるメディアPRで自社の虚像が加速されていく。徐々にできた過剰で盲目的な自社愛が、認識の歪みを生んでいく。過剰で盲目的なら自社愛は、批判性・心理的柔軟性(今この瞬間に起こっていることに気づき、自分の価値に沿った効果的な行動をする能力)を失わせ、現実を認識しないようなる現実否認が進んでしまう。
さらに現実否認は、人事施策・組織施策のみへ投資をし、実際には人材育成をを担っているミドルマネージャーによる組織風土を支援をしないことで、どんどん悪化してしまう。
人事施策・組織施策は、メディア映えも良く、施策やった感があるため、施策者が満足感を得られやすく、やった気になり課題解決したと勘違いしてしまう。
しかし、本来は、組織の実態をつくる各ミドルマネージャーの組織風土・組織基盤づくりに注力することが重要。実際、自社の評価は、自身が属する部署に対する評価(マネージャーむかつく…周りがやる気ない…とか)を一般化・抽象化したもので、自身が属する部署の影響力が大きいことが明らかである。
本当に必要な施策に投資しないと、メディア映えを追ってできた自社虚像が、まるで真実かのようになり、現実否認が加速し、マネージャーの自己効力感も下げてしまう。
(2)大企業・メガベンチャーの組織崩壊への対策
では、大企業・メガベンチャーの組織崩壊しないためには、どのような対策が必要なのか。
❶組織効力感を高める
自己効力感(自分ならできる)が高すぎる人材は他所にいくと割り切り、ミドルマネージャーの組織風土・組織基盤づくりに力を入れて、組織効力感(自分たちならできる)を高める。具体的なマインドとしては、主語を「私たち」にする、私たちスキルを高める意識を持つなど。
組織効力感が高められれば、「この人たちなら、やれる気がする」という求心力ができ、1人が諦めても、もう1人が諦めてないなら、仲間が頑張ってるために復活ができ、結果、しぶとい組織がつくれる。
単独依存性(全部自分でやれる・完璧な人間・周りの制作物は微妙と他人の自己効力感を弱める・協力を得られにくい)は強度が弱い。自分の弱み・強みを認識し、相互依存性(お互いの長所を活かし、補完し合う)をもつようにする。
ダウントレンド=値下がりが続き相場が下降している状態
▶︎成人発達理論を知る
相互依存性をもつには、成人発達理論(大人も成長する考え)のLv4を有るべき姿として目指していくとよい。
大企業では、人材がLv2で滞留することがある。原因は、自分軸を持った上司Lv4(実態はLv3)が自分の正しさも確認せず、また、心理的安全性をいいながら、「出世には必要だから大人になれよ(生意気だな…)」と言い、自分軸を持ち始めた部下(Lv3)を適切に育てず、潰すことがあるため。
適切にLv4へ成長するためには、下記2点が必要。
A. Lv4の上司のもとで働く。
B. 組織で組織効力の強化や成人発達理論を共通認識にする研修する。社内研修する本質的な意味は、何かを身につけることではなく、上司と部下が、共通概念を認識し共通体験にすることが重要。組織で共通認識し、上司がLv3潰ししたことを謝罪でき、部下も許容できる機会を持つ。
▶︎階段的リーダーシップモデルを知る
また、リーダーの育成として、各段階を踏んだ育成を行うことが大事。各段階のリーダーシップの能力が備わっていないのに、役割を上げることが大変、危険。十分な育成を得ず、失敗するパターンの具体例は下記になる。
・人材育成力が身についてない人に、1or1やコーチング研修をふわっと学ばせ、本質を理解してないまま、CLにしてしまうと、結果、仲間を束られずにやりきれない人材になる。
・CL したことないのに、SLの本を読み知った気になる、または、経営・事業のリアルから解脱しおり、モデル(認知的訂正モデル)がないのに、SL気取り失敗する。
▶︎ピーターの法則を知る
リーダーの育成が進まないことに、育成が不十分でかつ降格のない会社では、能力を発揮できなくなったポジションで昇進が止まるため、全階層の人が能力が発揮できない無能状態になること(ピーターの法則)も課題である。
出世は、自動昇進・運・タイミングもあり、本当に優秀で役職に上がってるか怪しい状況でも、本人の中で、役職に就いてるから自分は優秀だとの誤認が生まれ、自分が学習した知識・スキル・価値観などを取捨選択して、新たな知識・スキルを習得して、学びの修正をする(アンラーニング)をしない事態になる。
降格のない会社で、全階層が無能になりやすい構造ができている中、適切な組織基盤づくりのための育成をするには、成人発達理論・段階的リーダーシップモデル・ピーターの法則を社内の研修などで共通認識にしながら、常に自分を見返り、自己改革すること、自己改革を促すことが大事になる。また、大企業での変革の際は、新人教育など小さいことから始めてみる。
❷会社の虚像に対処する
・マネイジメント層は、虚像に寄ってくる人材に踊らされず、現実感を失わない。社内での意識統一し、虚像に寄ってくる人材に対しては、入社前後に選別をし対処する。
・外部目線(転職者や退職者)の言葉に対して、一度受け入れてみることも大事。批判性の排除は危険と考える。
・盲目的な楽観主義ではなく、現実的な楽観主義(変える必要がある厳しい現実を受け止め、変えられそう感から前向きな考えを持つ)の意識をもつ。
・自社流ではなく、第三者視点な体系的な人材育成・組織基盤構築の手法が必要である。また、耳の痛いことを言う人を近くに置くことも必要。
3.見て思うこと
動画中で坂井さんが話されてた、これらの言葉がとても印象に残りました。世の中や会社や自分の認識・価値観・知識に対して、立ち止まって「本当にそうなのか?」と確認しながら、アンラーニングし、自分をアップデートし続ける。どの役職でもあっても大事だし、ましてや組織に所属する場合は、上位役職であればあるほど、組織衰退を招くほどの影響力があるのだと勉強になりました。
また、私も「このチームだからできる」視点からチームの雰囲気づくりを微力ながら貢献する、自分ができることから始めようと思いました。
今回の動画、内容を飲み込むのに、かなり時間がかかってましたが、本当にじっくり向かい合いあえて良かったです。今回の動画の後編や他の坂井さんの動画も見ていこうと思います+.(≧∀≦)゚+.゚
<動画内で出てきたビジネス用語メモ📝>
ベーシックインカム=最低所得保証
ブリッジ=二つのものをつなぐ、または仲介する役割を果たすことを意味する。ビジネスやコミュニケーションの場面で用いられることが多い。
〇〇ドリブン=〇〇をもとにした意思決定、〇〇を起点とした意思決定
スクリーニング=複数の対象の中から条件に合うものを選び出す
サーベイ=「調査」や「測定」などの意味を持ち、一般的に全体像を把握するために行う調査のこと