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放送大学 勉強記録(2024年12月)

10月から放送大学を受講し始めて2ヶ月半ほど経ちました。

11月下旬に通信指導(中間テスト・レポート的なもの)が終わり、12月に入ってからは正直ちょっと中だるみ気味だったのですが、よくよく考えると試験までもう1ヶ月!!

中だるみしている場合じゃないぞ!
自分自身に喝を入れる意味も込めて、これまでの振り返りと現在の状況を書いて行こうと思います。




専攻について

放送大学にある学部は教養学部のみですが、その中に6つのコースがあります。

わたしが学びたかったのは主に「歴史」「日本語」「哲学」の3つだったため、人間と文化コースを選びました。(他のコースの科目を受講することも可能です)

科目の分類も4つ。
基盤科目→導入科目→専門科目→総合科目の順に、下から積み上げ式に学ぶのが望ましいということだったので、今学期は基盤科目と導入科目の計5科目を履修しています。

正直なところ、働きながら5科目を受講するのは結構大変…
一応、週に5〜6コマ受講する目標を立てていて、どうにかこうにかこなしてはいます。
授業は1コマ45分と短めですが、わたしの場合テキストの下読みに20〜30分、授業中もメモを取るのに一時停止したり、聞き逃した・よくわからなかった箇所を聞き直すために巻き戻したり、受講後も簡単に内容を整理したりと、トータルで1時間半〜2時間ほどはかかるので、平日の夜はほぼ授業でつぶれる感じ。

なかなか読書の時間が取れないのが悩みの種です。


気づきや発見を与えてくれた科目

現在履修している5科目の内訳は、歴史2、日本語1、哲学1、その他1。

実はこの「その他1」が一番おもしろかったりします。具体的な講座名をこういうところに書いていいのか迷いましたが、まあ貶しているわけではないからたぶん大丈夫でしょう。「国際理解のために」という基盤科目です。

基盤科目とは全コース共通の科目で、学習を進めるにあたり専攻に関わらず基盤(ベース)となる科目で、わたしは履修していませんが語学科目などもこれにに含まれます。


この「国際理解のために」はラジオ授業なのですが、講師の先生がまるでラジオパーソナリティのように、その時々のテーマにちなんだ音楽をかけ、軽妙なトークでわかりやすく解説をしてくださいます。全15回のうち、前半7回が宗教について。後半は領土問題についてです。

「高校で世界史を学んでいない人にも理解できる内容を心がけている」と第1回の放送で語られていた通り、とてもわかりやすい。

宗教ではユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ゾロアスター教について比較しながら解説されています。「世界の宗教」といった時にゾロアスター教が取り上げられること自体珍しい気がしますが、ゾロアスター教が他の宗教に与えた影響や、今も信仰されている「生きた宗教」としてのゾロアスター教の話など、とても興味深い内容です。そしてこの授業は、テキストには書かれていない、雑談的に挟み込まれるトークの部分が特におもしろいのです。

例えばこんな感じ。

イギリスの伝説的なバンド、クイーンのボーカルフレディ・マーキュリーの両親はインドのムンバイ出身のパールシーで、英国への移民であること。(※パールシーとは10世紀半ばに、イスラム教徒の支配を拒んでペルシアを脱出しインド西海岸に移り住んだゾロアスター教徒のこと。ゾロアスター教徒内での結婚を続け、信仰を守り現代に至る)
また、映画『ボヘミアンラプソディ』でフレディ役を演じた俳優ラミ・マレックの両親はエジプトからアメリカへの移民でコプト教徒(※エジプトにおけるキリスト教の一派。紀元1世紀頃から独自の教義を発展させている。全部がイスラム教徒と思われがちなエジプトだが、全人口の1割ほどがコプト教徒と言われる)であること。

宗教的に珍しいルーツを持った2人が、1人は英国で伝説的な歌手になり、1人はアメリカで俳優になってその歌手の生涯を演じることになった。彼らの祖先がたどった歴史に思いを馳せながらこちらをお聴きください、と言って『ボヘミアンラプソディ』が流れた時には「おぉ〜!」と内心拍手を送りました。


映画『ボヘミアンラプソディ』 2018年
実は観たことないんですよね…


そういった、とっつきやすい話題で宗教や国際問題への興味を引き出すような授業なので、毎回受講するのが楽しみです。


ちなみにわたしはラジオ授業をインターネット配信で受講しているのですが、配信だと権利の問題で音楽が使えず、謎のBGMがエンドレスループされることがあります(笑)ボヘミアンラプソディは、先生の前フリが素晴らしかっただけに、謎のBGMに差し替えられたらどうしようと心配しましたが、ちゃんとした音源が流れたのでホッとしました。


もう一つ、いろいろな気づきを与えてくれたのが、歴史の中の人間という導入科目。(導入科目は、各専攻における初級編、入門編という感じでしょうか)

歴史上の人物を通して歴史を研究する面白さを知り、歴史学の目的や方法を考える糸口にしようというのが授業の趣旨で、専門の異なる5人の講師が古今東西の14人の人物を取り上げています。

こちらはテレビ授業で、第1回目の授業がその5人の講師による座談会という斬新なスタイルでした(笑)テレビ授業の特性を活かし、映像資料やロケ映像なども豊富。


対象となる人物を通して歴史を見たり、その人物の「見方」が同時代から時代を経るに従ってどう変わっていったかなどの考察が毎回興味深いのでサクサク受講し、あとは第15回の朴正煕を残すのみとなっています。

わたしが特に興味をひかれたのは阿仏尼、マルコ・ポーロ、李成桂、マルク・ブロック、チャップリン、ヘミングウェイ。

フランスの歴史家マルク・ブロック(1886-1944)の本はすでに2冊買いました(1冊は未読)。マルク・ブロックつながりで盟友リュシアン・フェーブルの本もAmazonの「後で買う」の中に2冊ほど入っています。(放送大学の授業を受け始めてからというもの、「後で買う」リストがえらいことになっています)
また、授業で観たチャップリンの映画『独裁者』のクライマックスの演説シーンで涙が止まらなくなったので、これはもう、通しで観るしかない!と思い配信で全編を観ました。今回はKADOKAWAチャンネルの無料お試し(2週間)を利用。時間ができたらちゃんと有料登録してチャップリンの他の作品も観てみようと思います。KADOKAWAさんごめんなさい。無料で観たわたしが言うのも何ですが、おすすめの映画です。


映画『独裁者』 1940年
チャップリンとヒトラーは
4日違いでこの世に生を受けた


またこの授業では、先生方が外ロケに行って「私は今◯◯に来ております」とレポートするシーンも度々出てきます。テレビ授業ならではで、そのぎこちなさに何となくほっこりします(笑)


苦戦している科目

マズイ…ついていけないかも…と毎回思いながら受講しているのは哲学の導入科目(ラジオ授業)。

ギリシア哲学(期間でいうと紀元前6世紀初め〜紀元後6世紀後半までの約1000年間)についての基礎的な授業…のはずなのですが、すでにだいぶ心が折れかけています(笑)

致命的に人名が覚えられない…アナクシメネスとアナクシマンドロスとアナクサゴラスを混同してしまうし、《「それ自体としてある」というイデアは、感覚される物事とは異なる知性対象としての存在身分を持つ》というような文章を読むと「???」となってしまいます。何度も読み直し、わかったようなわからないような気分になりますが、たぶんわかってない(笑)


やっぱりわたし、根本的に哲学に向いてないんじゃなかろうか…と思ってしまいます。

授業の前にテキストの下読みをするのですが、授業は9割型テキストの朗読なので、授業を聞くことで理解が深まるわけでもない。読むだけ、聞くだけじゃなく、自分から主体的に学ばなきゃいけないと思ってはいるけれど、なかなか実践するのは難しい…


それ以外の科目

あとの2科目は、日本語学の導入科目と歴史(日本史)の導入科目です。

日本語の方は、わたしにとっては過去に習ったことの復習的な感じなので「あ〜、前に習ったな〜」と思い出しながら受講している感じ。
テレビ授業で、主任講師の先生とゲスト講師の先生が語学番組にありがちなちょっとした小芝居なんかも交えつつ、わかりやすく説明されています。方言がからむ回が特に興味をそそります。古典語の表現が、周辺部である九州方言には多く残っていたりするので。


日本史の方は、近代日本の議会や政党に関する歴史。ちょうど総選挙があったタイミングでもあり、内容としてはかなり興味が持てたのですが、限りなくテキスト朗読型なので、その点がちょっとね…


ラジオ授業は、テレビと違って映像や図表などで説明できない分、テキストが台本のように作り込まれていて“朗読授業“に陥りやすいのかな、という気もします。次学期はその辺りも考慮して履修登録をしなくては。


2ヶ月半学んでみて

つらつらいろんなことを書いてきましたが、学生をやり直してみて改めて、学ぶって楽しいなと実感しています。
授業でやることは、自身の学びへのとっかかりに過ぎません。どう受け止め、どう考え、そこからどうするかは結局自分次第なんですよね。


あと残りは5科目合計で19コマ。
年末年始のお休みの間に受講を終えることが目標です!そこから試験が始まるまでの間は、理解を深める期間に当てたい。

…うーん、できるかなぁ?
こうやってnoteに書いてしまった以上は、頑張ってみようと思います!(でも年末年始は読みたい本も溜まりに溜まってるんですよね〜)

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