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解剖Case 02 「抽出時に挽いた豆が膨らむコーヒーは正解な淹れ方」

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連載企画「COFFEE BREWING 解体新書2021」のCase 02 「抽出時に挽いた豆が膨らむコーヒーは正解な淹れ方」をご紹介します。

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さて、来月からのご登録も終わったところで早速本題に入りたい所ですが、先日IPCCによる発表で私たちが住む地球の温暖化はあきらかに私達自身が原因であるという事が指摘されています。2040年くらいまでには、どんなシナリオを描いても1.5度は地球の温度が上昇するそうです。
今年の夏、全国で37~38度とかがマークされて「あちー」となったのは記憶に新しいと思います。

1.5度気温が上がったら39度くらいか。オーストラリアで40度とかありましたが日本の湿度で40度近くなるともう息が苦しそうですね。そんな世界を想像してみたらやばいですね。。

そんなカオスな未来予想図でもIPCCは様々な努力があればいずれ気温の上昇を逆行して下げていく事も”まだ”可能だとも言っています。
私たちには”まだ”明るい未来を迎える希望があるという事ですね。その為に何か簡単な事でもアクション起こしていけたら良いですよね。

それではお待ちかね。本題に入らせて頂きます。
突然ですがあなたは、「コーヒーを淹れる時、お湯を注ぐとドーム状に膨らむコーヒーが新鮮で美味いコーヒーだ!」 って思ってませんか?

そもそもなぜコーヒーは膨らむ?の理屈。

焙煎によって熱が加わり化学反応を起こしたコーヒー豆には炭酸ガスが含まれます。
焙煎したてのコーヒー豆の方がガス含有量が多く、日が経つにつれて少しづつガスがコーヒー豆から放出されていきます。
なので焙煎直後から数日間の間はまだまだコーヒー豆の炭酸ガス含有量が多いのでお湯を注いだらガスが急激に放出されてブクブクと膨らんできます。

膨らまないコーヒーはダメなのか?

この問いに対する答えは「NO」です。
ダメじゃありません。
あなたが淹れたコーヒーが膨らまなくても大丈夫です。

きっとそれはガスが抜けてきたので膨らまないだけ。
解剖Case01でもお伝えしてますが、コーヒーにもエイジングといって何日か寝かせる事でガスが抜け、味が落ち着いてきてコーヒー豆本来のポテンシャルを引き出すことができます。

なのでむしろ膨らみすぎないコーヒーの方が美味しいのかもしれません。
冒頭であなたに向けた問い「コーヒーを淹れる時、お湯を注ぐとドーム状に膨らむコーヒーが新鮮で美味いコーヒーだ!」というのは絶対にそうでなければいけないという訳ではない。という事になります。

ガスの含有量は焙煎度合いにも比例しています。
長く、強く熱を加え続けているほうがガス含有量が増えます。
深入りのコーヒーの方がたくさんガスを含むことになるので、深入りで焙煎したてのほうが膨らみます。 逆に、浅煎りであればあるほど膨らみません。
エイジングをちゃんと効かせて淹れたコーヒーは全然膨らみません。
しかしちゃんとコーヒー本来の果実感や甘み、ボディを感じられるはずです。

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抽出時に挽いた豆が膨らむコーヒーは正解でも不正解でもない。

究極論がこれです。
膨らもうが膨らまないであろうが淹れたコーヒーを「美味しい!」と思って飲んでさえいればそれが正解です。
膨らむのはただの化学反応としてそうなっているだけです。
あなたの中で「あ、美味しい」と思えるコーヒーに出会えた瞬間が大正解です。

今まで膨らまなくて悩んでた方がいたらもう悩まなくても大丈夫です。
明日からは思う存分にコーヒーをいれてください!Enjoy!!

P.S. コーヒー豆は一度挽いてしまうと豆の状態に比べ酸化が早いです。ガスの抜けも早いです。 空気にふれる表面積が砕かれることによって多くなるからです。 もし挽いてもらったコーヒー豆を購入している方がいたらそれはすぐに膨らまなくなるはずです。 そして、もともとガス含有量が少ない浅煎りのコーヒーはガスによる影響が少ないので味も数ヶ月かわりにくいです。 素敵なコーヒーライフを。

最後に、コーヒー屋さんのスタイルやオススメを尊重しよう

ここでお伝えしたのは事実も含めてANYのスタイルでお伝えしています。
それぞれコーヒー屋さんによって飲んで欲しいタイミングや淹れ方にこだわりがあったりします。
なのであくまでファクトはファクト。
スタイルはスタイルでお互いにリスペクトしあって美味しく楽しくコーヒーを飲むのが一番ヘルシーです。

その上でコーヒーの物語や背景、未来を想いながら美味しく飲めたらことさら最高だと思います。
次回は、「解剖Case 03 お湯が落ちきる前にドリッパーを外せ!」です。

9月のMonthly News Letterでは解剖Case 05 「美味しく淹れられない人ほど”淹れ方”にこだわる」を配信予定にしています。


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