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知る、そして、体感する。サントリー美術館の「大名茶人 織田有楽斎」


四百年遠忌記念特別展「大名茶人 織田有楽斎」2024.1.31~3.24【サントリー美術館】

織田信長の弟である織田有楽斎(長益、1547~1621)は、お市の方と同年の生まれ。京都・建仁寺の塔頭「正伝院」を再興し、隠棲して茶に没頭。正伝院内に茶室「如庵」(国宝、現在は愛知県犬山に移築)をつくったことでも知られる大名茶人だ。

“逃げた男”と呼ばれながらも本能寺の変の後の乱世を生き抜いた有楽斎は、どのような人物だったのか――。四百年遠忌記念として開催される本展では、有楽斎ゆかりの正伝永源院の寺宝を一挙公開。肖像、書状、茶道具などの名品から、茶人として広い人脈を持ち、大名の間を取り持つ役目も果たしていた織田有楽斎の真の姿に迫るものだ。

本展は、炎上の現実を今に伝える「本能寺跡出土瓦」、その人となりを感じられる「織田有楽斎坐像」や「有楽斎筆の和歌短冊」、名碗として名高い「大井戸茶碗・有楽井戸」が展示されているほか、有楽斎ゆかりの品がずらり。筋違いの囲・暦張り・有楽窓など、特徴ある如庵の空間や大きさを体感できるように工夫されているのも興味深い。

また、狩野山楽筆「蓮鷺図襖」が美術館の特徴的な空間を生かして展示されており、奥に仏間を配した実際の室中の間を想起することができる。春、夏、秋と移り変わる白い蓮の場面、そこを飛び交い、時に羽根を休める鷺や燕の姿は、常に変化する生命の本質を表現するかのようだ。

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