スローエイジングを推進する
皆さま、久しく失礼しております。思いがけずの大きな逆風の1月をやり過ごしました。生き延びました。そして来る激動の2月を迎えました。これからが、非常に楽しみです。現在進む選択のプロセスで、多くの先生方に直接間接にお世話になっていると思います。深謝しております。化粧なくご評価いただきたいと存じます。
いよいよディープサウス脱出する準備を始めました。ありがたいことです。私が愛する日本の民を治療する水際におられる先生方の能力の高さ、それは卓越したものがあることに疑問はないと思います。アメリカの医療を見ていて、これは冗談か?と時々思います。しかしその事実は現在の国際的な評価に反映されていない。国外の理由もあるし、内部的な理由もあります。そこ、なんとかしよう、そう思います。末席で僅かばかりの仕事ができれば。
来たる大きな変化、真摯に対応しようと思っております。引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。
Facebookで繋がってる人に抹茶を勧められ、試してみました。他のお茶と違って抹茶はそのものを摂取するからアンチエイジングにいいんだとか。なるほど。それでお茶を毎朝立てることにしました。私の妻がお茶の先生です。立ててみて初めて知りましたが、細かな泡立ちを作るの結構難しいんですね。日本に居る時は考えたこともなかった。それに加え、泡とお茶との割合とその先のお茶の味わい、深いなあと感じています。茶筅で立てた一杯のお茶をいただくだけで心静かになり、これから起こるであろう大きな変化に準備が整うのを感じています。
1月も終わり、2月になり、いよいよ激動の2月、3月だなと感じて心躍っています。皆さんにも会える日が近づいているのを感じている今日この頃です。
私たちのミッション
私がこのメルマガを始めた理由、それは
「癌で苦しむ人や悲しむ人をなくしたい!!」です。
あなたは、こんな経験ありませんか?
☑主治医の先生の言ってることが、理解できない。
☑ものすごく忙しそうで聞きたいことがあるのに聞ける雰囲気ではない。
☑病気に対する心配が常にあり、日常生活に集中出来ない。
☑主治医を信用できず、診断に疑問を持つ。
☑がんになってしまったら家計どうなるの?
☑自分で調べても、専門用語ばかりで病気のことを理解できない。
☑がんとアンチエイジングが関係してるって聞いたけど、どういうこと?
☑私のアンチエイジング法、合ってるのかな?
このような悩みを抱える方は是非私達の記事を読んで頂けたらと思います。
がんとアンチエイジングってどういう関係があるの?
がんのリスクが年齢の上昇とともに上昇することはよく知られていますよね。
私のラボでは、脳と免疫の加齢がどのようにがんの発生と悪性化(治療の効果が低下する現象)に関わるかを研究しています。まだ論文になっていませんが(2020年から順次公開していきます)、そのデータは驚くものでした。おいおいこのメルマガでも差し支えない範囲で紹介していきますね。
ちなみに、私自身2年ほど前からアンチエイジングの研究をはじめ、50を超えるプロトコールを持っています。そして2年間で外見がどのように変わったか。下のリンクが私の約2年前の写真です。上の写真と比べてください。同じプロの写真家が撮りました。
*アンチエイジング;若返りという意味ではありません。
定期自動配信をご希望のあなたへ
定期的にメールアドレスに配信希望の方は、読みやすい分量で読みたい時に
メルマガを読むことができます!
以下のサイトをご参照ください!(↓)
中野の最新アンチエイジングプロトコールから一部紹介
# 筋トレ
日曜:筋肉複合運動(例えばクッションボールの上でクスワット10回3セットとか)1時間,階段上り15分, swim 30min
週4回: 30分ラン坂道
週1回、ハムストリング、足の裏をすりこぎで15分土踏まずを叩き、股関節ストレッチ毎日、アキレス伸ばし毎日
週一朝、体重と血圧測れ
# ストレッチ
アキレス腱、大腿骨前のばし、大胸筋のばし(プレラン、ポストラン)
最後プレランストレッチの後、前傾練習、ツイスト、ジャンプしてから前傾走り出す
体幹:へそ下と背中の一点を繋ぎへそを押し込む、骨盤の前傾(前に倒れる)と腹筋を意識、あごを引く
肘と肩甲骨:しっかり後ろに引く、肩をリラックスして下げる、腕も下げる
着地のイメージ:足の親指に意識する結果、フラットに着地
プレランのストレッチ
腕を後ろに、肩甲骨の後ろの筋肉
膝ハードル動き、頭を天から引く
片足前、膝まげ、重心を下に、体をスイッチ
座って腰ねじり、膝立て肘を絡ませて上半身ねじる、胸そらして
横になってフラット片足立ち、オシリあげ
#日々の姿勢
できる限り座らない。立位か寝ている。スタンディングデスク使用。
立位時姿勢は骨盤を前傾
日頃の歩き方でへそ下入れる、足の親指で地面を踏む事を意識
肩甲骨後ろのストレッチ(肩の力抜く)
後ろ膝土付き前膝ベンド
横になってフラット片足立ち、オシリあげ
座って片方膝曲げ体を後ろそらす
腹筋:寝て逆の膝に手を当てるまでベンド
大臀筋、中臀筋:うつ伏せで足をあげる(閉じて、開いて)
平日:病院をボート目的地なく歩く - 歩行による瞑想
#内服 (エネルギー、免疫)
高麗人参、ローヤルゼリー コエンザイムQ10、セサミン、baby aspirin - 1/3 dose (バイアスピリン)、メトホルミン (250) 2T/day食事前, スタチン、Ezetimibe (小腸からのコレステロール吸収阻害)、葉緑素の錠剤、Montelukast (慢性炎症を予防)
最新の論文からピックアップ!
最新の医学論文より1:
NMNの効能はいかに?
NMN;ニコチンアミドモノヌクレオチド,若返り物質として注目されているものです。これは体内で発生する活性酸素を減らしていくために必要な物質で、元来、人の体内に貯蔵されていて、活性酸素が産生されるたびに消費されます。そして、年齢と共にその貯蔵量が減少します。そのため、老化が進むとされています。
NMNが一部で物凄い注目を浴びていますね。アンチエイジングの魔法のサプリメントなのでは?そういう側面もあるのは確かです。しかし、気をつけないといけないと思います。NMNはがん細胞の栄養にもなります。この論文、私も知っている小児腫瘍内科医のミシェルモンジェのラボから発表されたものですが、がん細胞がいかにNMNを利用して増殖するかをみたものになります。私のラボでも似たようなデータがあります。
最新の医学論文より2:
NMNを人に投与したら?
いよいよNMNを人に投与したらどうなるっていう論文が出始めました。その最初のものの一つが、慶応大学から発表されています。1回だけ投与して、人体にほとんど変化がなかったと報告してあります。はっきり言って、注目すべきデータはありませんが、これからもっともっと報告が出てくるだろうと思われる内容です。
恐らく、このNMNは純度が低いものであった可能性もあります。
最新の医学論文より3:
胃がんのリスクとは?
胃癌は日本人に多いと以前から言われていますよね。ピロリ菌に感染していることで起こる慢性炎症が強い原因になっていることがすでに知られています。さて、ではピロリ菌を除菌したら胃がんのリスクが下がるのでしょうか?これは意見が分かれていた内容です。今回のNew England Journal of Medicineの論文、厚みのあるデータで強いエビデンスを提示しています。結論は除菌でリスクは3分の一ぐらいに低下するらしいです。価値ある報告になっています。
最新の医療関連情報について:
今回の新型コロナウイルスによる肺炎について:私個人の意見です。これは明らかにメディアの誘導による危険の煽りの状態だと思います。現在、6000人を超える感染者が同定されていて、722人程度の死亡者が確認されています(2/7の時点です)。当然ですが、感染者を全て把握できているわけではないでしょう。そうすると、想像される感染による致死率は3%を下回るでしょう。ということは、健常者はかなりの高齢も含めて致死的になることはまずありません。その時点でこれを読んでいるほとんどの人にとっては感染したところで致死的なことが全ての人に起こるとはないだろうと考えるべきです(実際、死亡する可能性は武漢で2~3%、それ以外の国で0.17%程度です)。それをメディアは、「ウイルスは突然変異があるから強毒化がありえる」とか言います。それは、ウイルス学的見地からは煽り以外の何ものでもありません。その上で、もう2月です。おそらく2−3週すると暖かくなり始めるでしょう。コロナウイルスは熱に極めて弱い。急速に、感染拡大は下火に向かうでしょう。今年の冬、再度復活するか全く分かりません。結果、大量のマスクが売れ残り、ワクチンの話は昨日見た夢になり、次の話題は誰か芸能人の不倫にでもなるでしょう。薬物関連の報道かもしれませんね。
質問コーナー
質問1;バターとマーガリンは、どちらの方が健康的なのか?
回答(江島健太郎);バターが無難です。
マーガリンの問題はトランス脂肪酸ですが、日本ではトランス脂肪酸の表示義務がないために、トランス脂肪酸を飽和脂肪酸で置き換えるマーガリンの新製法の導入が遅れています。
厚生労働省の見解では、日本人の食生活ではWHOの基準であるカロリーの1%未満よりも低い0.3–0.6%となっているので「引き続き注視が必要」のレベルにとどまっていますが、個人的にこれは大いに疑問です。
トランス脂肪酸は動物性脂肪にも含まれているのですが、日本人は他国にくらべてバラ肉、霜降り肉など脂の多い部位を好みます。鶏むね肉よりも鶏もも肉が高価なのは日本ぐらいでしょう。そんな中、肉類の消費は年々増えています。
そして、トランス脂肪酸の表示義務がないために、トランス脂肪酸を多く含むショートニングが使われた加工食品があふれています。クッキー、コーン系スナック、焼き菓子、ケーキなど、多くのスナック菓子で使われています。
外食でも、1食あたりハンバーガーで0.7g、洋食で0.8gのトランス脂肪酸を摂取することになります。
これらを総合すると、WHO基準である2g/日という基準は、とくに安価なカロリーをもとめる低所得者世帯、若年世帯、都会の単身者世帯では簡単にオーバーしてしまうでしょう。
マーガリンの価値は、主にコストと安定した供給(これについては後述)ですが、「健康」という観点ではプラスになる要素はありません。
食べ物と健康の関係は、わかってないことのほうが多いのです。
このため、食品の安全や健康を考える上でもっとも信頼できる尺度は「歴史」です。長い歴史の中で多くの人に消費されてきた食品は、安全性も危険性もよくわかっています。
メソポタミア文明の時代からあったバターと19世紀に発明されたマーガリンでは、比べるまでもないでしょう。
食べ物と健康の関係は、わかってないことのほうが多いのです。
このため、食品の安全や健康を考える上でもっとも信頼できる尺度は「歴史」です。長い歴史の中で多くの人に消費されてきた食品は、安全性も危険性もよくわかっています。
メソポタミア文明の時代からあったバターと19世紀に発明されたマーガリンでは、比べるまでもないでしょう。
また、日本の乳製品制度の問題も指摘しておくべきでしょう。
毎年のように起きるバター不足の問題は、乳製品を政府が手厚い保護政策で守っているため、価格が全体的に高止まりする一方、酪農家の離農の影響で生産減少が続いているからです。
50年前に制定された「指定生乳生産者団体制度」のせいで、酪農家には厳しい制約があり、バター不足とか言っている一方で大量の牛乳が廃棄されていたりするのです。
この問題に触れて欲しくない農林水産省を忖度してマーガリン規制に踏み切れないのではないかと邪推したくもなるというものです。
質問2;減量で見落とされがちな点は何ですか?
回答2(江島健太郎);「食事」と「運動」はよく話題になるのですが、健康の3大要素のうち最後のひとつ「睡眠」の重要性は忘れられがちです。
実は、減量期の睡眠時間が短いと、脂肪よりも筋肉のほうが落ちやすくなります。
睡眠不足でダイエットは失敗する | AthleteBody.jp
Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity
8.5時間グループでは落ちた体重はほとんどが脂肪で、除脂肪組織(筋肉・内蔵・骨など)はほとんど減りませんでしたが、5.5時間グループでは減った体重のうち脂肪は半分以下で、それ以外の筋肉などが減った比率のほうが高かったのです。これでは、なんのために減量しているのか意味がわかりませんね。
また、睡眠不足はグレリンの分泌にも影響を与え、同じ食事をしていても食欲が抑えられなくなり、ダイエットに苦痛を感じやすくなります。
減量を成功させるためには、「よく動き、よく食べ、よく眠る、子供のような生活」が理想なのだと覚えておきましょう。
最後に。
アンディ・モーガン (@andyathletebody) | Twitter をフォローしておくと、非常にためになる情報が入手できます。
質問3;歯科医院で行う PMTC はどのような効果がありますか?
回答3(窪田敏之);
「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」を簡単に説明すると、毎日の自分で行なう歯磨きで落ちない歯の汚れを歯医者さんで専用機器を用いてきれいにクリーニングすることです。
毎日、知らず知らずのうちに磨き残してしまった部分や歯ブラシでは磨くことができない歯周ポケット(歯と歯肉の間のみぞ)内の歯の根の部分もキレイに磨き上げて汚れを取り除きます。歯石を取るような治療ではなくあくまで心地よい範囲の刺激で行なわれます。
自分では届きにくい場所も綺麗になりますので、清掃度、達成度がアップします。結果として歯周炎や虫歯になりにくいです。
ただ10人か20人に一人ぐらいは歯並びも良く歯ブラシの技術も完璧でPMTCをしなくても大丈夫だなという人がいます。
PMTCは月に一回、徹底的に清掃するものです。日本の健康保険では以前は3カ月に一回できましたが、予算が不足したのか最近は4か月に一回になりました。それ以上やる場合には自費になります。不足分は歯ブラシのテクニックをアップすればカバーできる場合もあります。
質問4;NMN (nicotinamide mononucleotide) をご存知ですか?これはここ数年のうちに爆発的に広まりアンチエイジングの効果を出し世の中を変えると思いますか?
回答4(中野伊知郎);NMNについては私の研究室でがっつり研究しているテーマの一つでもあります。という事情なので差し支えない範囲でお答えします。
NMNは体内に存在する物質です。生まれた直後に比較して50代以降では10%以下に低下し、その後さらに低下することが、人体の老化とがんの発生に関連していると考えられています。この物質の下流にはNAD+ pathwayと言われるミトコンドリアで活性を示すシグナル系が存在し、「抗老化遺伝子」として知られるサーチュインだとかDNAのダメージを修復するPARPといった分子を制御することが知られています。
現在NMNはたくさんの会社がその名前を謳って販売していますが、純度の高いものを生産できるところはほとんどないのが実際です。現在店頭で買うことができるものはほとんどすべて不純物を含むか、失活化しているか、遺伝子操作されているものです。なので、今販売されているものを(高価なものも含めて)購入することは私はお勧めしません。
チャットインタビューその1(婦人科系ガンについて 後編)
前回からの続編です。前回を見逃した方は、前回を読んでからの方が良いかもしれません、さて、今回は私の友人で産婦人科医のg先生の意外な過去が話されますよ。しっかり読んでみてください。
中野:ところで話題変わって、個人的な経験についての話いいですか?
ℊ先生:いいですよ。
沼澤:宜しくお願いします。
中野:おれは個人的な友人なので手術の経験があるって知ってるんだけど。
ℊ先生:大きな手術は2回あります。
沼澤:手術お受けになったことがあるんですか?
ℊ先生:一つ目は27歳の時に大動脈弁閉鎖不全で弁置換術。
中野:そっちは全然しらなかった。
沼澤:たいへんなご経験をなさったのですね。お若い頃。
ℊ先生:二つ目はちょうど3年前に脳腫瘍(グリオーマ)。
中野:それは相談を受けたよね。
ℊ先生:そう、イチローに相談して救われた。
中野:いやおれはなにもしてないけどね笑。
患者の立場に立って見ての経験から学んだことってどんなことがありますか?
おれ自身扱う疾患だからどうなんだろうと改めて。
ℊ先生:どっちの病気の経験?
中野:グリオーマ
n
ℊ先生:ま、以前の心疾患があったから「人間誰でもいつかは死ぬ」っていうのはわかっていたけど、脳腫瘍は特別だな、って感じた。
それは・・・
ℊ先生:普通の癌なら多分、普通にカミングアウトしていたと思うけど、脳腫瘍は色々な意味で周りからも自分の中でも偏見というか・・・
中野:ごめんちょっと患者見に行かないといけなくなった。
また続き後ほどってできる?
ごめんね。
ℊ先生:いいよ、ご苦労様。
寝て待ってる 笑。
沼澤:私も待っていますね。
ℊ先生:イチローが仕事している間にキリのいいとことまで書いておきます。
沼澤:宜しくお願い致します。
先生の中の偏見って、どのように感じていらしたのですか?
ℊ先生:まず、(あくまでも私見ですが)
脳腫瘍の手術を受けたという事実は知られたくない。「あの人の言っていることは信用していいのだろうか・・」とか「あの人の手術は大丈夫なんだろうか・・・」とか思われるのではないかという心配があります。胃がんなどの一般的な癌であればそういう心配はないような気がします。
自分も術後は高次機能障害で苦しみました。
沼澤:そうだったのですね。
ℊ先生:しかし、信用を失うと仕事ができなくなるので懸命にリハビリをしました。
沼澤:私は以前、高次機能障害の方を支援しているNPOを取材したことがあるのでわかります。
ℊ先生:今でも軽い高次機能障害を自覚していますが、周囲からは「何も変わっていない」と言われます。
しかし、会話が苦手になり、常に「悟られるのではないか」という一種の恐怖心のようなものがつきまとっています。
沼澤:そこです! 周囲の理解がされないことが問題だと思います
ですが、仕事に復帰されている方もたくさんいらっしゃる現実があります。以前のように。
ℊ先生:そこの理解は難しいと感じています。
現に私もこの体験をするまでは理解できていませんでしたから・・
沼澤:患者様の立場になられてですね。
ℊ先生:様々な癌患者の皆さんが患者の会を作って社会に向けて啓発活動をしていますが、脳腫瘍についてはこれができないような気がします。
沼澤:先生としては、どのようにしたら、今の状況の改善に繋がるとお考えですか?
ℊ先生:それは・・・
沼澤:脳腫瘍をご経験された患者様のために。
ℊ先生:おそらく、精神疾患への理解と同様に難しいように思います。
すぐには妙案は出てきません。
ゆっくり考えたいと思います。
沼澤:ありがとうございます
私たちも、そのような方に寄り添えるチームでありたいと思っています。
ℊ先生:もう一つの特徴は、もし再発したら・・・
通常の癌なら、多くの場合、意識がなくなるまでは通常のコミュニケーションが可能ですが、脳腫瘍の場合は、生命の危機以前に高次機能障害、精神症状、運動障害などが先行するため、言いたいことが言えない状況や言っても信用されない状況が生じるのではないかという恐怖心があります。
考え過ぎかもしれませんが、この経験をして感じたことです。
沼澤:恐怖心ですね。
中野:ごめん、おれちょっとこのあとつまってる。また後日にできる?
沼澤:大丈夫です。g先生は如何でしょうか?
ℊ先生:もちろん大丈夫です。忙しい時に長くなってごめん。
沼澤:ありがとうございます。
【中野より】
対談を終えて:私の長年の友人、gくんとは日本に戻ると一緒に酒を酌み交わす友です。四半世紀の臨床経験と最新の研究結果の紹介は、同じ医者でも違う科だと全然しらないもんだなあと感心しました。流れはやはり早期発見、病気にならないこと、そんなところにありそうですね。また、自らのがん克服の話は、私が扱っている疾患だけど改めて感じるところがありました。がんの多くが克服できる疾患になりつつある現在、いかにその後を生きるか、社会の認知も含め課題が浮き彫りになったと思います。おれもgくんに触発されてこれからのかぎりある時間を全うしようと改めて思いました。ありがとうございました。
チャットインタビューその2(筋トレや食事について 後編)
前回からの続きです。対談相手は以下の方、江島さんです。
江島健太郎
ソフトエンジニア。香川県生まれ。京都大学工学部卒業。
小学生時代よりBASICおよびアセンブラでパソコンゲームを開発。
日本オラクル、インテフォリアを経てインテフォリアUSA設立のためシリコンバレーへ渡米。パンカクに参画、ニューヨークにてEast Meet East創業を経て帰国。
米Quora社の日本進出を担当。Evangelist。
〜前号を見ていない方は、前号を読んでからがいいと思います〜
次、食事についていいでしょうか?
江島:はい。
中野:わたしは緩い絶食を日中にやっているのですが。12−18時間ぐらい。
江島:IF (Intermittent Fasting;間欠的断食) ですね。
中野:あとの時間は食べ放題飲み放題。 なんとなく体にあってる気が。
江島:はい、IFについては、プロトコルがいくつかありますが、
18時間あけるのはLean Gainsというものですね。12時間ではだめです。
ただ、個人との相性がかなりあるので、それぞれ自分で試してみるのが良いのかなと。
中野:最近の論文で14時間だと有意にバイオマーカーが変化したってのを見ました
江島:どのバイオマーカーですか?
中野:中性脂肪とか血糖値とか、ざっと見ただけなので詳細覚えてないですが。
江島:あぁ、なるほど。
中野:確か3ヶ月ぐらい続けての結果だったと思います
江島:自身も、Lean Gainsは効果を感じやすいですね。
中野:似た論文結構ありますよね。18時間は結構きついな。
江島:はい、ありますね。ただ、長期的な効果はわからないことが多いという認識です
中野:どのぐらいからが効果があると思われますか?
江島:体は変化には敏感なので、Novelty Effectの可能性もなくはないかなと。 なので初期ほど効果が出やすい、と。
長期で続けると、適応が進んで効果がなくなってくる。
中野:ああ、なるほど。
でもカロリー制限と寿命の延長は、マウスのスタディーとかでデータ厚いですよね。
江島:はい、カロリーのコントロールは必須だと思います。
中野:じゃあこれはどうですか?
わたしは週に5日(平日)このIFをやってます。で週末は全然なし。めちゃだらだら。昼からビール。
で月曜から再開、ガチのプロトコール。
江島:なるほど、そういうスタイルもアリかもしれませんね。週末にCyclingする。
カフェインも耐性がつくんですが、2-3日とらなければCyclingされるので、似たようなプロトコールですね。
中野:ぎゅーって締めて、めちゃリリースってイメージでやってます。ああ、面白い!
江島:アリなんじゃないでしょうか。
中野:コーヒーも平日だけですね、わたしは。
江島:なるほど。やっぱりなにごとも漫然と続けてちゃだめなのかもしれませんね。
中野:そうですね。
あの、前から疑問なんですが、カロリー制限がいいと、一方で小太りが予想余命が長いと。それって?
江島:そもそも、カロリー deficit(不足)の状態では、筋肉も増えないので。
カロリーのsurplus(上乗せ)が少し多いぐらいがちょうどいいんだと思います。
中野:surplusが少し多い?
江島:はい、カロリーが絶対必要量よりちょっと多いぐらい。
中野:脂肪の量はどうですか?
江島:筋肉と脂肪はかならず同時に増えたり減ったりするので、筋トレはその比率を筋肉優位にするためのもの、と考えると脂肪はある程度は必要ですね。
中野:わたしは体脂肪率を下げろっていつもパーソナルトレーナーに言われるんですが。わかってるよって。
中野:脂肪の量の指標は、体脂肪率ですか?それとも腹囲とか?。
江島:体脂肪率を厳密に計測する手段は2020年現在、技術的に存在しないので。
中野:ほお
江島:腹囲が一番信頼できると思います。あと鏡。
詳細はこちらで https://athletebody.jp/2014/06/02/bodyfat-measurement-error/
中野:めちゃ面白い。是非詳しく見てみます!
最後にもう一つ。
わたしの個人的な見立てだけなのですが、エイジングはものすごく厳密に制限すると三分の一ぐらいのスピードにできるんじゃないかなって思ってます。
江島:ほほー、それはすごい!
中野:もしそれが本当なら、今、生物学的に40歳の生き物がいたら、そっから30年経っても50にしかならない。
それってめちゃくちゃすごいですよね。
江島:すごいですね、革命的です。
中野:80歳の概念がひっくり返りますよね。社会的にも。
どう思われますか?
江島:そう思います。
そういえば、今の50歳って昔の50歳と比べると若い感じの人増えた気がしますが。
中野:可能か?それはどうしたら?それに対処するにはどう人生設計を?
江島:これって栄養が大きいんでしょうかね?
中野:そうですよね。
肉体(食事も含めた)、メンタルストレス、それと社会性だと思います。
江島:なるほど。メンタルストレスは増えてる印象を抱きがちですが、客観的な指標がないので、実は昔よりは改善してるのかもしれないですね。
中野:どう思われますか?是非エジケンの見立てを聞きたい!
江島:いや、おっしゃるとおりだと思います。
そしてその3つは相互に関連してますよね。
中野:そうですね。密接に。
ご自分の80歳ってどんなイメージですか?
江島:自分ですか?とりあえず筋トレは続けてるので動ける80歳でありたいとは思っています。「貯金より貯筋」の提唱者としては。
中野:おもしろい!
メンタルヘルスも多分素晴らしく制御されてますよね。もちろん社会性も。
ご自分の80歳が、今現在普通に暮らしている平均的な日本人の50歳ぐらいって、イメージ湧きますか?
江島:はい。どれが欠けてもだめそうに思えます。
中野:幸せかどうかは別として。
江島:私、そういう人見たことあるんですよ。80歳で、フィリピンや香港を行ったり来たりしながら仕事している人で、ファッションもかっこよくてみたいな。
明らかに平均的な50歳のフットワークで、会話のキレもある。
中野:めちゃおもしろい。色っぽい80歳のような気がする。
江島:そうなんです。年齢を教えてもらうまでは60ぐらいかな?と思ってた。
でも実際は83歳だった。
中野:何か秘密はありましたか?
江島:まず、ガッツリと仕事をしてましたね。これが社会性を担保していた。
そして、仕事が楽しそうだった。
中野:いやあ、めちゃ大事ですね。
江島:社会性、ストレス、身体的活動性、すべて揃ってましたね。
中野:なんか勇気が出る。
これから30年後の80歳が50歳に見えるのと、今の80歳で五十近くに見えるのって全然意味違いますよね。
江島:はい、明らかに条件は良くなってるはずです。
中野:ケンさん、最後に何か告知かありますか?
江島:こんな筋トレや栄養の話も、Quoraでは盛り上がっていますので、ぜひ皆さま、Quoraをご利用ください!ですかね。
あと、筋トレも社会性が大事なので、自宅よりジムに行ったほうが良いですね。
中野:ありがとうございました。今後ともQuoraと私たちの「スローエイジングでがん予防」チームの活動、よろしくお願いします!
江島:ありがとうございました。
YouTubeビデオ情報
知っておいてください
私たちのチームは、がんとスローエイジングに取り組む、あらゆる試みを排除しません。医療系Twitter投稿者達は言うことでしょう。「あれはなんちゃって医療だ!」「これはとんでも医療だ!」お黙りなさい。昔、民間で行われていたことが実際エビデンスになり、治療になることもある、そう思います。しかし一方で、エビデンスのないものを、あたかもエビデンスがあるかのように宣伝する一部の行為に加担することはできません。「私にはこのxxxが効いたんです。でもあなたに効くかはわからない。あなたが試すかはあなたが決めてね。」それならありでしょう。エビデンスありきではないからです。我々は、医療系Twitter投稿者ではありませんから。エビデンス原理主義ではないんです。そこの線引き、とても大切だと思っています。難しいことですけど、わかって欲しいです。分からないことがあれば、喜んで何度でも説明します。医療系Twitter投稿者をこの愛する祖国から守るためなら、何度でも闘っていきます。
次回講演会へのお誘い
まだ全て未定の次回講演会ですが、どなたでもご参加できます。
詳細は、今後のメルマガで公開していきます。
ご不明な点ございましたら、こちらまでご連絡ください。
05053735205(矢野)
05053601423(沼澤)
LINE公式アカウントもあります。(↓をクリック)
質問を受け付けております
がんやエイジングについてのご相談、質問はお気軽にメールください。
スタッフ紹介
窪田 敏之
経歴:東北大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学にて歯学研究科修了。歯科医師免許、歯学博士学位、第一種情報処理技術者取得。
現在、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に歯科医師として取り組み、歯科医院を経営しながら、太陽光発電所を経営している。
大の科学好きで余暇で、科学ネタや政治ネタのブログを書いており、ブログ開始以来合計アクセス数は40万件を超えている。
趣味は料理、ピアノ、電子工作、IT、科学全般
江島健太郎(今回のQ&A協力とチャットインタビュー)
ソフトエンジニア。香川県生まれ。京都大学工学部卒業。
小学生時代よりBASICおよびアセンブラでパソコンゲームを開発。
日本オラクル、インテフォリアを経てインテフォリアUSA設立のためシリコンバレーへ渡米。パンカクに参画、ニューヨークにてEast Meet East創業を経て帰国。
米Quora社の日本進出を担当している。Evangelist 。
沼澤美智子(今回のインタビュアー)
Facebookアンチエイジングの医科学 管理人。
天然由来成分に着目し栄養とマインドを通じ健康にアプローチする事業を展開。
「内面から輝く人を創る」をミッションに、多くの人が健康で幸せにとの想いを込めて活動している。
今後、アンチエイジングカフェを運営する予定。
濵﨑清利(陰の編集長?)
中野伊知郎と同じ脳神経外科医。専門は脳血管障害、いわゆる脳卒中の治療。
その他には、頭部外傷治療、微小血管減圧術(三叉神経痛、顔面痙攣などの治療)や体幹部悪性腫瘍の転移病巣を摘出するような手術も行う。また、頭蓋内の良性腫瘍も摘出する治療も可能。
最近は、薬を使わない認知症治療(ReCODE法)や認知症予防の講演会活動などを継続中。
「予防できる病気なのに、予防法を知らないのが現代日本人です。病気になる前に、病気のことをよく知り、将来の病気を予防してほしいという思いから、この活動に参加しています。」とのこと。
Facebookでは「脳科学と武術的身体操作を目指す研究会」を主宰し、Ameba blog『通りすがりの脳外科医のブログ』(https://ameblo.jp/gamer-hama/)も不定期にアップしている。また、「医師が発見した認知症バイバイ体操」(東邦出版)を出版もしている。
編集後記
脳神経外科医の濵﨑清利です。
ついに、我々のチーム名が決まり2号の記事が発刊されました。本格的活動はこれからですが、本来の目的を見失わないようにしたいとメンバーで話し合っています。あと2号、このnote記事を無料で配信し、そのあとは、皆さんの期待に添えるものにさらに洗練させようと思っています。
ご意見はいつでも受け付けます。どんどん御寄せください。
短期間で、短い内容のものを発刊していくか、より良い・より読みやすいものを提供する予定です。今後の我々の進化にご期待ください。
さーて、来週以降のメルマガネタは?
中野のアンチエイジングプロトコール、チャット対談の続編、最新論文からなど、次回も豊富な話題で発行していこうと思います。
次回こそ、濵﨑編集長の認知症ネタもあるかもしれませんよ!
乞うご期待!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?