見出し画像

【不登校】こどもの話を聴くコツ



 


相手に寄り添う「傾聴」とは


 
わたしは、子どもが学校へ行かないと決めてから、とにかく情報を集めたり、本を読んだりして知識を増やそうとしてきました。
 
たぶん、皆さんもそうだと思います。
 
子どもに対する親の接し方には、その年齢や状態によって異なりますが、よく「傾聴」が大切であると言われます。
 
わたしが教員をしていた時、生徒との面談が年に数回ありました。
 
そのほかにも問題が起きた時や、保護者の方とも話す機会は多かったです。
 
ただ、話を聴くというのは、簡単ではないので、職員の研修では相談のときの基本を学ぶ機会もありました。
 
そのときに「傾聴」の方法も学んでいたので、自分としてはわかっているつもりでした。
 
話をさえぎったり、否定したりせずに受け止め、「〇〇なんだね」と相手が言った言葉を、オウム返しでフィードバックするのが有効とされています。
 
ただ、こうしたテクニックも大事ですが、それよりも重要なのは、相手に寄り添えたかどうかということです。
 
真剣にまっすぐな気持ちで向かい合い、その結果「聴いてもらってよかった」「心が軽くなった」と感じてもらえるような傾聴が、本来の意味であると思います。
 
 
 

聴く「量」ではなく「質」を求めて



仕事が忙しかった時は、つねに疲れていて心に余裕がなく、必要なことしか子どもと会話していなかったように思います。
 
ですから、娘が選択に迷っているときでも、待つことができず、「こっちがいいんじゃないの」とわたしが判断して答えを出すこともありました。
 
教員を辞めてからは、時間にも気持ちにも余裕があったので、十分子どもと向き合えたはずですが、
 
時間をかけるわりには、子どもの感情を受け止めるというよりも、「うん、うん」「〇〇って考えたんだね」と、形だけ共感しているような接し方だったかもしれません。
 
そしてある日、娘に「お母さん、わたしのことば繰り返して言ってるだけじゃない?ちゃんときいてる?」
 
と言われて、ハッとしました。
わたしの「傾聴」は、中身がないと見抜かれていました。

見抜かれていた


人間関係というのは、「ギブ&テイク」でなく、「ギブ&ギブ」でこそ深まっていくものだ。
そのとき重要なのは、相手から情報(インフォメーション)ではなく、心の声(メッセージ)を受け取ること。

『人の心を動かす 傾聴のコツ』金田 諦應


 
その時からわたしは、できるだけ集中して娘の話を聴くようになりました。
 
スマホを見て、「へー」「ふ~ん」と他のことを考えながら、耳だけで聞くのではなく、ちゃんと顔を見て聴くようになりました。
 
言葉の裏に隠された気持ちをくみ取り、それをわかりやすい言葉に変換するために、頭の中でグルグル考えています。
 
長時間じゃなくてもいいので、この話は重要だ、という時は腰を据えてすべて受け止めるつもりで聴きます。
 
聴く「量」よりも「質」を求めたいと思います。
 
 
それでも、娘には「何にもわかってない!」とか「決めつけてる!」と言われることもあります。
 
正直、しんどいなあと感じることもありますが、親の愛情を伝えるために、そしてこの先も続く親子関係のために、「傾聴」の姿勢を忘れずにいたいです。
 
 

いつでも話が聴ける準備を


 
不登校は長い旅です。
ゴールが見えないために親は混乱し、子どもはその何倍も、もがき苦しみます。
 
でも、いくつかの山と谷を越えれば、美しく新しい世界にたどり着けます。つらかった頃の感情を子どもさんの口から聞ける日がきます。
 
ですから、今悩んでいるお母さん、お父さんも、お子さんが、自分から話す準備ができたら、全身で受け止められるように、心と体をほぐしておいてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?