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【Museum⑳】北区飛鳥山博物館@飛鳥山

退職に伴う有給消化期間の楽しみとして、
都内の博物館・美術館を巡ってみることにしました。

気になっていた「ぐるっとパス2024」を購入したので、
その対象館が中心となります。


第20回:北区飛鳥山博物館

「飛鳥山 3つの博物館」のひとつで、
郷土史系の博物館です。

縄文時代~近現代の北区の歴史を学べます。


ぐるっとパスの対象施設ではなく、
入館料は 300円 
です。


最寄り駅は王子駅。

前回紹介した紙の博物館のすぐ隣です。


モダンな感じの建物。

アートギャラリーや軽食コーナーも併設しています。

これらの利用には入館料はかからないので、
飛鳥山散策の拠点にもなりそうです。


2F の入口でチケットを購入し、
展示がある 1F に下りていく形ですが、階段が個性的

うねってます。


人が通らないところにも段が。


下から。

撮影の一部始終を受付の人に見られてました。

展示室に入るのかと思ったら振り返って
階段の写真を撮りだしたので、
変な人だと思われたかもしれない。


展示

お札と切手の博物館 の記事でも触れたとおり、
王子周辺は谷地形で、石神井川の流路になっています。

東の低地側が海だったころに、
浸食によって川の流路が東側に変わった(河川争奪) らしい。


東京は新しい都市だと思われがちですが、
縄文時代からガッツリ人が住んでいました
(新宿歴史博物館にも縄文時代の展示あり)



縄文時代前期(約6000年前) の時点で、
かなり凝ったデザイン

弥生時代に入ると文様は
シンプルになっていくようです。

縄文時代は人間同士の争いが
なかったとされる時代。

争いにエネルギーを使っていたら、
芸術は発展しないのかも、と感じました。


土器に残った種子の痕跡から、
縄文人が植物栽培をしていた可能性
もあるそうです。

狩猟・採集に加えて植物栽培もしていたとなると、
かなり豊かな生活だったことになりますね。


前から見ると普通の土偶。


背中側に謎の穴が空いています。

ここに木の棒を挿して自立させたのではないか、
との解説がありました。

このままキーホルダーにして商品化できそう。


ガラス玉そのものだけでなく、
鋳型が展示されている
のは初めて見たかも。

作る過程が想像できて新鮮でした。


北区の遺跡には、鋸山周辺で採れる房州石
使われていたそうです。

他にも、埼玉県鴻巣市のものと
同じ特徴の埴輪が出土しているなど、
関東広域での交流があったことがわかります。


古代の道路網

7~8世紀の時点での近畿から東京(武蔵国) へのルートは、
群馬県側から南下する中山道的なものだったそうです。

武蔵国が東山道から東海道に編入されたことで、
太平洋側を通るルートに変更されました。

ルートの変遷がわかっておもしろい展示でした。


江戸時代あたりの展示に、
唐突すぎる玉子焼き(釜焼き玉子)

切り分けられた玉子焼きをプッシュすると、
映像が流れる仕組みです。

今までマジメ路線だったのに、
急におもしろい仕掛けを入れてきました。


江戸郊外の観光名所になった飛鳥山にちなんで、
花見弁当の展示

お茶の文化創造博物館 でも江戸時代の弁当の展示があり、
この花見弁当もコンパクトに収納できそうだなー
と思いながら眺めていました。

同じテーマのモノを複数の施設で見かけると、
博物館めぐりのおもしろさも倍増です。


水害対策「水塚」の復元展示。

木曽三川の「水屋」が著名ですが、
荒川や利根川の流域でも同じ備えがされています。

子どものころに行った関宿城博物館の展示で
軽くトラウマになったせいか、
水害の展示は見るのにエネルギーがいります…

日本は水資源に恵まれた国ではありますが、
水と戦ってきた歴史を持つ国でもある、
と改めて実感させられます。


特別展

荒川放水路通水100周年記念展示として、
「大水害から東京を守れ!岩淵水門と荒川放水路」
が開催されています。
(2024/9/1 まで)


北区周辺の立体地図

JR京浜東北線に沿って崖線が続いており、
王子あたりはその切れ目になっています。

この立体地図、見学に来ていた地元小学生が
「ウチの教室にもある」と言っていました。

水害対策の授業とかがあるのかも。


日当支払用のお金を入れた袋

現代では月次銀行振込が主流ですが、
仕事上がりで疲れているところに
現金で手渡されたら、その場で使いたくなりそう。


岩淵水門は、門を引き揚げることで
船も通れるつくり
になっています。

橋が開いて船が通れる勝どき橋の資料を見てきたので、
つながりを感じて興味深かったです。


追加で建設された新岩淵水門には、
荒川知水資料館 amoa があります。

なる さんの投稿を見て
気になっている施設のひとつです。


その他写真

飛鳥山からの下山には
あすかパークレール「アスカルゴ」を利用しました。

王子駅前と山頂をつなぐ、
無料で利用できるスロープカーです。


山頂駅からは、アスカルゴ、車、路面電車、
鉄道(東北新幹線が通りました)が一挙に見られます。

乗り物好きの子どもにウケそう。


下から。

レールが直線ではなく、
ゆるやかにカーブしながら
上っているところが珍しいのかなと。


ちなみに、倍賞 千恵子さんの車内アナウンスを推していましたが、
気さくな係員のおじさまに話しかけられて、
聞く余裕がなかったです。


おわりに



産業・郷土・偉人と、テーマの異なる
3館が並び立つ飛鳥山、恐るべし。

渋沢史料館は入れませんでしたが、
紙の博物館と北区飛鳥山博物館だけで相当なボリュームです。


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