【図解】善悪と貧富のサイクル
冬川はじめ さんの投稿を拝見して、
善悪と貧富の関係性について考えていました。
善悪と貧富を軸にすると、
4象限に分けられます。
もちろん、善悪は定量的な指標ではないので、
冬川さんの投稿の表現も踏まえて、
他者から見て格好がいい・悪い
といった意味合いで捉えています。
両要素が同時に変わる(ナナメの移動) は考えにくいので、
4象限の間での移動は円を描くような形になります。
さらに、サイクルの回転方向によって、
2パターンに分けられます。
時計回りのサイクルを見て、
芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のカンダタ
を思い出しました。
悪・貧にいたカンダタが、
過去の善行から救いの糸(=富)を手にするも、
悪しき心が再び現れてその富を失って
悪・貧に逆戻り、といった流れです。
反時計回りのサイクルについて考えると、
『羅生門』の下人という
ちょうどいい例がありました。
物語のはじめ、仕事(=富)を失ったが
盗人になる決心がつかない下人は、
善・貧の状態にあります。
彼が羅生門にて悪堕ちして
老婆から着物(=富)を奪い取る流れは、
まさにこの反時計回りのサイクルに当てはまります。
さて、サイクルの各移動のうち、
『羅生門』型の悪・富から善・富への移動だけは
現実的にイメージできませんでした。
高校時代に『羅生門』の続きを書く課題があったんですが、
下人が悪の道から抜け出す展開が想像できず、
葛藤の末に投身・入水する鬱END にしてました。
悪事で得られる富は、サステナブルではないはず。
だから、悪事を働いて富を得た人が
悪事をやめて善人になる例って、
ちょっと考えられないんですよね。
善・富の領域に至るには、悪・富ではなく、
蜘蛛の糸型のように善・貧からアプローチするべし。
つまり、経済状況よりも先に、
心のありようを変えなければならない、
という解釈はできそうです。
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