【図解】需要と供給の時系列
概要
『資本論』に関する本を読んでみて、無限の拡大を志向する資本主義は、自然に害をなすほど過剰な生産をしていると感じました。
需要と供給の観点では、供給が需要を上回っている状態だと言えます。モノが安価に手に入るのは、人々の需要がいつでもどこでも満たせるように、大量に生産されているからこそ、ですよね。
一般的な需要と供給のグラフ
需要と供給のグラフと言えば、下記のようなX字にクロスする図が定番です。
需要と供給のグラフに、時間経過の概念を追加するとどう表現できるか、と考えて図にしてみました。
図解:時系列を軸にしてみる
需要と供給の乖離は、時間経過に伴って大きくなっていくと考えました。資本主義は無限の拡大を目指すので、時間経過に比例して供給を増加させていきます。一方、先進国では人口減少が見込まれていることもあり、需要の増加は供給に比べてゆるやかなものとなると考えられます。
人々の需要を喚起するために、広告・宣伝が活発化します。その結果、実際の需要よりも高い水準の「作られた需要」が生み出されます。それでも企業の供給量との乖離は埋められず、余った分は廃棄されることになります。
たくさん作って、たくさん煽って、たくさん捨てる。資本主義の無限の拡大がもたらす供給量は、人々の実際の需要の総量をはるかに上回ってしまっているのでしょう。
読んだ本とのつながり
有り余る供給の受け皿としてでっち上げられるのが、ブルシット・ジョブと総称される無意味な労働です。広告やマーケティングも、人々の需要を満たすものではなく、まやかしの需要を作り出す錬金術に過ぎません。
また、自分にとって本当に必要なモノ(実際の需要)を追究する人は、ミニマリストと呼ばれます。資本主義によって作られたまやかしの需要への、カウンターカルチャーであると言えます
具体的なアクション
昨日つぶやいたとおり、広告(テレビ・スマホなど)を遠ざけると、資本主義がバラまく欠乏感を抑制できます。
極論、広告を見なければ最終的には廃棄が減らせる、という結論に至りました。我々が広告視聴者としてまやかしの需要作りに加担している限り、企業は供給を減らす決断ができないため。広告を無力化して需要を引き下げることで、供給と廃棄を押し下げることを狙います。
需要も供給も縮小するとなれば、資本主義的には不景気になることは目に見えています。企業の景気は国家の財政ともつながっているので、不景気下での公助もアテにできません。
となると、これまで以上に自助・互助が求められます。マルクスの言う「アソシエーション」を理解し、国家や企業に依存しない生き方を模索する必要がありそうです。
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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。