【前編】東大出身スタートアップCEOが語る!複業14名を活用した事業戦略の奇策!
この記事は、2021年9月24日にAnother works が主催したオンラインイベント「東大出身スタートアップCEOが語る!複業14名を活用した事業戦略の奇策!」のレポート記事です。
株式会社Kanda Quantum CEO元木さんをお迎えし、複業人材活用を通した事業グロースをテーマに、AIスタートアップにおいてどのように複業人材を活用し、事業グロースを行っているのか、どのような基準で人材採用を行っているかについて伺いました!
プロフィール:元木大介氏
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。株式会社Jijにて量子コンピュータを用いた実証実験に従事。株式会社AVILENにて社会人向けAI講師として講義を担当。数万社が利用しCMで有名な業務効率化プロダクト開発に従事しAIプロダクト開発の実績が認められMVPを受賞。各企業にいる中で研究とビジネスが一気通貫に繋がっておらず、よりよいAIサポートができていないという現状に課題を感じ、株式会社Kanda Quantumを創業。量子コンピュータを通じて、新しい顧客体験を実現する。
副業と複業の違いとは?
長崎:本日ファシリテーションを務める株式会社Another worksの長崎です。まず副業と複業の違いは何かという前提知識を共有したのち、元木さんに複業人材を活用した採用戦略や活用方法を伺います!
「副業」のイメージとしては、ノンコアな業務やスポットでの依頼が多いです。本業の他に、お小遣い稼ぎ程度で単発でできる仕事を指します。たとえば、資料作成やリスト作成などが該当します。
一方で「複業」は、会社のコア業務に参画してくれる人材のことです。仕事を2つ3つ掛け持ちしてるものの、社員のように本業のつもりで参画するイメージ。たとえば、経営に直結するような新規事業立案や自社プロダクトの開発などの業務が該当します。経営課題を解決する人材ということで、即戦力かつ専門的な知識をもっている方が多いです。
特にベンチャー、スタートアップ企業のように資金体力は無いが、外部から新しいノウハウや知識を吸収したい企業におすすめです。
創業期から現在までの組織体制の変化
長崎:創業期から現在までの組織体制の変化について教えてください!
元木:立ち上げた時は、私ひとりでフリーランスとして活動していました。その後は学生を含めた3名ぐらいですね。
長崎:本当に立ち上げ期といったところですね。その後はどう組織を拡大していったのですか?
元木:案件も増えてきて、抱える学生の数も10人と増えました。ただ、高度な量子コンピュータの技術は難度が高く、採用に苦戦していました。大手企業と商談をする際も、なかなか自分達のメンバーだけだと難しい部分がありました。
長崎:確かに、AI量子コンピューターの領域を学生にお任せするというのは、ハードルが高いですね。
元木:それから高スキルの方達を探していましたが、やはり人材紹介は仲介費が高く。そんなときに複業クラウドを見つけました。そこから年齢層幅広く20代から50代まで、高いスキルの複業人材の方を採用するようになりました。
長崎:具体的には、どのような複業人材の方に参画していただいているのですか?
元木:量子AI人材というところでは私を含めて8名。大学院のメンバーや、理化学研究所、経験年数20年以上のプロの人材に関わっていただいています。
デザイナーやエンジニアに関しても、行政案件担当のデザイナーさんや、アプリ開発におけるフルスタックエンジニアを複業クラウドから採用しました。
ビジネスサイドに関しても、三大金融機関、戦略コンサル出身の財務戦略担当の方や、医療系スタートアップ出身のバックオフィス担当の方など、強力な人材を集めることができました。
長崎:正社員で採用したら採用コストがかなり高い人材を、複業人材で採用できたということですね。
元木:そうですね。特に経験年数が高いプロの人材に関しては、その分高いスキル感と金額感になってくるので。
長崎:複業人材で、どこの領域も補えるというイメージはもっていますか?
元木:そうですね、間違いなく。特に最近はコロナ禍ということもあり、オンラインで業務を行うことが多いです。本業に加えて、複業で新しいことをやりたいという高いスキルの人材が多くいると感じます。複業人材を採用するとなれば、そういった方々にリーチできるので嬉しいです。
長崎:一点気になったのですが、医療系スタートアップ出身のバックオフィス人材を採用するにあたり、バックオフィスや経理周りを複業人材に依頼するというリスクは考えなかったのですか?
元木:バックオフィスの人材を探すのが本当に大変で。いろんな媒体を使って探していたのですが、中には1日・2日でいなくなるケースもありました。
今の方は、最初は複業的な関わり方をしてもらっていたのですが、安心をして業務をお願いすることができるなと感じたので、今ではフルタイムで入っていただいています。
長崎:最初はスモールスタートで始めつつ、ある程度時間が経ってから、複業とはいえど週5で入ってもらうという流れが、カルチャーマッチしやすいですよね。
元木:それは、間違いないです。どうしてもこのコロナ禍で、直接会えないことが多いです。オンラインがメインとなると、どうしても最初はお互い信用できない部分があると思います。そこは週1や週2で様子をみて、具体的にお話をしたり、オフラインであったりしていきカルチャーマッチも図りながら入っていただくということがいいです。
長崎:複業人材との信頼関係を結ぶ上で、意識していたポイントやマネジメント方法などはありますか?
元木:2つあります。1つは定例ミーティングを設けることです。週1である程度報告会がないと、事業がどう進んでいるのかわからないという複業人材からの声もあったので。
もう1つは、1on1のミーティングを特に積極的に行っています。どうしても複数人だと、本音で思っていることが言えないということもあったりするので。
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